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2026.01.13  2025.12.24コラム

オフィスの集中スペース設計で実現する|社員の満足度と生産性を高める方法

多様な働き方が浸透する中で、「集中できるオフィス環境」の重要性が見直されています。Web会議や企画業務、資料作成など、集中力が求められる場面は少なくありません。にもかかわらず、開放的なレイアウトが生産性の妨げになるケースも散見されます。本記事では、集中スペースの設計がもたらす効果と、その導入に必要な考え方や手順を、具体的かつ実用的に解説します。

集中スペース設計とは何か?

オフィスにおける「集中」の再定義

働き方の多様化が進む中で、オフィスに求められる役割も変わってきています。特に、ひとりで思考を深めたり、資料を作成したりするような作業においては、「集中力を妨げない環境」が不可欠です。こうした背景から注目されているのが、集中スペースの設計です。

ここで言う「集中スペース」とは、単に静かで落ち着いた場所を意味するわけではありません。音や視線、周囲の人の動きといった外部刺激から一時的に切り離され、思考の深度を高めるために設計された空間を指します。遮音性のある素材を使った家具や、背後に視線を感じさせない配置、最小限の情報しか入ってこない視野設計など、空間構成そのものに集中力を維持させる意図が組み込まれています。

また、集中スペースは「個室型」でなければならないという誤解もありますが、必ずしもそうではありません。パーティションで囲まれた半個室、ハイバックチェアや視線カットのソファなど、設計の工夫次第で多様なスタイルが可能です。重要なのは、「その空間に入った瞬間に、自然と集中モードに切り替わる感覚」を生み出すことです。

集中スペースとオープンオフィスの違い

現在、多くの企業が取り入れているのが、コミュニケーションを促進するためのオープンオフィスです。チーム内の会話がしやすく、部署を超えた交流も生まれやすいため、情報共有のスピードや社内の一体感を高める効果があります。

一方で、集中力が必要な業務においては、オープンな環境が必ずしも適しているとは限りません。会話や電話の声、頻繁に行き交う人の動きは、思考の流れを途切れさせる原因になります。集中スペースの設計は、このような環境での課題を補完し、業務にメリハリを生むことができます。

オフィス全体をオープンにするのではなく、集中のためのエリアを計画的に設けることで、業務ごとに最適な環境を使い分けることが可能になります。これは、執務の質を高めるだけでなく、社員の心理的な負担を軽減する効果も期待できます。

なぜ今、集中スペースが求められるのか

リモートワークが浸透し、出社する意味が問われるようになった今、オフィスに求められるのは「成果を出すための場」としての機能です。従来のように、ただ机と椅子が並ぶ空間ではなく、作業内容に応じた空間が設計されていることが、生産性の向上につながると考えられています。

また、ハイブリッドワークの普及により、社内外のWeb会議が日常化したことで、周囲の雑音や視線を気にせずに話せる場所が必要とされるようになりました。そうした需要にも、集中スペースは応えることができます。

集中スペースの設計は、オフィスの付加価値を高めると同時に、社員一人ひとりの働きやすさを実現する手段の一つといえます。単なる設備ではなく、働き方の質を変える空間戦略として捉えることが重要です。

集中スペースの仕組みと設計要素

音・視線・心理的距離に配慮したゾーニング

集中スペースの設計では、まず「どこに配置するか」が鍵を握ります。人の動きが多い通路や共有エリアの近くでは、集中しづらい環境になりがちです。静かなエリアへの配置、視線が交差しにくい向きでの席配置など、物理的な距離と心理的な距離を両立させるゾーニングが必要です。

また、遮音効果のある素材や、背面に高さのある家具を用いることで、音や視線を和らげる効果が期待できます。これにより、使用者はまわりを意識せず、自身のタスクに没頭しやすくなります。

利用目的別のタイプ設計

集中スペースと一口に言っても、その使われ方は多様です。資料作成やアイデア整理、短時間のWeb会議など、それぞれに適した空間設計が求められます。

たとえば、静かな思考作業に向いているのは、囲いのある半個室タイプやカウンター型の席です。一方で、声を出す必要のあるオンライン会議には、防音性を高めたブースが適しています。

用途ごとに異なるニーズを理解したうえで設計を進めることで、導入後の使い勝手が大きく変わります。全員に同じ空間を提供するのではなく、「何に使うか」を明確にしたタイプ分けが鍵になります。

オフィスレイアウト全体とのバランス

集中スペースは、オフィス全体の一部として機能するものであり、他のエリアとのバランスが重要です。たとえば、コラボレーションスペースやリフレッシュエリアとあまりに近接していると、静けさが保たれません。

そのため、集中と交流、それぞれの空間が干渉しない配置設計が求められます。また、空調・照明・コンセント位置など、基本的なインフラも併せて計画する必要があります。

こうした要素をあらかじめ設計に織り込むことで、実際の運用時にストレスが少なく、自然に使われるスペースになります。

集中スペース導入のメリット・デメリット

メリット|生産性向上・離席率低下・社員満足度UP

集中スペースの導入は、個々の業務効率を高めるだけでなく、組織全体の生産性にも好影響をもたらします。周囲の音や視線に邪魔されることなく、静かな環境で作業できることで、集中力の維持がしやすくなり、タスクの完了スピードや質が向上しやすくなります。

また、周囲に配慮して離席するケースや、会話や雑音を避けるために外部のカフェや別フロアに移動するような行動が減少することで、オフィスの活用効率も上がります。これは、設備投資に対する効果としても評価しやすいポイントです。

さらに、適切な集中環境の整備は、従業員の満足度向上にもつながります。働きやすいと感じる空間があることは、エンゲージメントや定着率の向上にも寄与します。

デメリット|運用ルールが曖昧だと逆効果

一方で、集中スペースはただ設置するだけでは機能しません。運用ルールが不明瞭なまま運用を始めると、かえってトラブルや混乱のもとになる可能性があります。
たとえば、「静かに使いたい人」と「オンライン会議で発話したい人」が同じ空間を使用した場合、どちらかにストレスが生じることが予想されます。また、利用が集中しすぎる時間帯が発生すると、目的通りに使えないケースも起こり得ます。

このような状況が続くと、集中スペースそのものが「使いにくい場所」として敬遠され、投資効果を得ることが難しくなります。こうしたリスクは、設計段階での配慮と運用開始時のルール整備によって最小限に抑えることが重要です。

解決策|ルール設計とユーザー教育の重要性

集中スペースの効果を最大限に引き出すためには、「何をしていい場所か」「何を控えるべきか」といった運用ルールの明文化が不可欠です。通話可否、利用時間の上限、予約方法、飲食の可否など、細かなガイドラインをあらかじめ設けておくことで、利用者間の認識のズレを防ぐことができます。

また、ルールを設けるだけでなく、社員に対してその目的や使い方を丁寧に伝えることも重要です。設計意図が正しく理解されれば、利用者の意識も変わり、スペースがより効果的に活用されます。

誤解されやすいポイントとその正しい理解

「集中ブース=個室」ではない

集中スペースという言葉から、多くの人が完全な個室を思い浮かべる傾向があります。しかし、集中に適した空間は必ずしも個室である必要はありません。むしろ、オフィスの構造や導線、業務内容に合わせて柔軟に設計された空間こそが、現実的かつ効果的です。

たとえば、ハイバックソファやデスクの周囲を囲むパーティション、視線の抜けを遮る植栽なども、集中を支える有効な手段といえます。重要なのは「物理的な囲い」ではなく、「心理的に集中しやすい環境をどうつくるか」です。この視点が欠けると、必要以上にスペースを専有したり、実際には使われにくい空間をつくってしまうおそれがあります。

「全員に必要」ではない

集中スペースを全社員に均等に設けることが最適とは限りません。業務内容や働き方の違いによって、求められる空間の種類や使用頻度は大きく異なります。たとえば、外出が多い職種や会議中心の業務が多いチームにとっては、集中スペースの優先度は相対的に低くなる場合があります。

したがって、オフィス全体に一律で配置するのではなく、「誰が・いつ・何のために使うのか」を明確にしたうえで設計することが重要です。実際の利用ニーズに基づかない設計は、スペースの無駄遣いにつながりかねません。業務の特性やチームの働き方に応じた優先順位をつけて導入を検討することで、限られた面積でも最大の効果を発揮する設計が可能になります。

集中スペースの設計方法と手順

STEP1:現状課題の可視化(ヒアリング・アンケート)

集中スペースの設計は、オフィスの課題や働き方の現状を把握することから始まります。特に重要なのは、実際に利用する社員の声を収集することです。

「どのような場面で集中できないか」「どの業務に適した空間が欲しいか」といった具体的な問いかけを通じて、課題を明確化します。ヒアリングやアンケートを用いれば、部署ごとの利用傾向や業務特性の違いも可視化されます。

このプロセスを経ることで、表面的な問題ではなく、実際の利用者ニーズに根ざした設計が可能になります。

STEP2:ゾーニングと空間配分の検討

現状の課題が明確になったら、それに対する空間の割り当てを検討します。ここで重要なのは、集中スペースだけを独立して考えるのではなく、オフィス全体の動線やレイアウトとの整合性を踏まえることです。

たとえば、会話の多いエリアと近接してしまえば、集中のための環境は機能しません。静かなエリアに配置する、通路からの視線を遮るなど、空間の位置と向きが効果に直結します。

また、限られた面積の中で実現するには、全体の使用率や席数のバランスを見ながら、集中スペースに割く面積を最適化する必要があります。

STEP3:レイアウト設計と素材選定

ゾーニングが決まったら、次に行うのがレイアウトの詳細設計です。デスクの配置、動線の確保、光の取り込み方など、集中に適した空間を構成する要素を丁寧に組み立てていきます。

併せて、遮音性のある素材や落ち着いた色味の内装材など、空間の快適性を左右する要素も重要です。たとえば、背面に高さのある家具を使えば、視線を遮る効果が得られます。

さらに、集中スペースは長時間利用されることが多いため、照明や空調の設計も抜かりなく行う必要があります。作業効率を妨げない明るさ、音が気にならない換気設備なども計画段階から織り込むことが求められます。

集中スペース設計の実例とトレンド

導入企業の成功事例に見る空間の工夫

集中スペースを取り入れている企業の多くが意識しているのは、業務特性に応じた空間の使い分けです。たとえば、静かな場所でアイデアを整理したい場面には、仕切りのある半個室型ブースを設けたり、緊張感の少ないソファ席を活用するなどの工夫が見られます。

一方で、発話が伴う作業やWeb会議に適したブースは、遮音性の高い設計が求められます。用途別にエリアを分けて運用することで、社員同士の使い方の衝突を避けながら快適な利用環境を維持できます。

また、集中スペースの場所や設置数を変更しながら運用している企業もあり、初期設計で完璧を求めるのではなく、使われ方に応じて柔軟に調整する姿勢が特徴です。

最新のトレンド|音響設計・スマート予約システム

近年では、集中スペースの快適性を高めるための設計技術も進化しています。中でも注目されているのが、音環境への配慮です。話し声が漏れにくい吸音素材の活用や、天井の音響反射を抑える設計により、静かさを体感できる空間づくりが進んでいます。

加えて、運用面では予約システムを活用した管理方法も浸透しつつあります。スマートフォンや社内PCからリアルタイムで利用状況を確認し、予約できる仕組みにより、混雑の緩和とトラブルの防止が図られています。
このように、設計だけでなく、利用体験全体を最適化する視点が重視される傾向にあります。

オフィス移転や縮小移転と連動した集中設計

集中スペースの導入は、オフィスの移転やレイアウト見直しといったタイミングで取り入れられるケースが多く見られます。特に、働き方改革やフリーアドレスの導入に合わせて、従来のデスク数を減らし、代わりに集中スペースを設けるといった動きが進んでいます。

また、フロア面積の縮小にともない、少人数でも集中できる個別ブースや、スペース効率を重視したカウンター型の設計が採用されることもあります。これにより、限られた空間でも業務の質を保ちつつ、多様な働き方に対応するオフィス環境を実現できます。

まとめ|導入の価値と最終判断の視点

集中スペースの設計は、単なる設備の拡充ではなく、組織の成果を支える空間戦略のひとつです。業務に必要な「集中の質」を確保することで、作業効率だけでなく、社員のストレス軽減や働きやすさの向上にもつながります。

一方で、導入にあたっては「どのような業務に必要か」「誰が、いつ使うのか」「他のエリアとどう連携させるか」といった点を明確にする必要があります。単にスペースを設けるだけでは期待する効果は得られません。

働き方が多様化し、オフィスの在り方も変化する中で、集中スペースは柔軟に設計・運用されるべき存在です。目的と利用シーンを具体的に定めたうえで、社員が自然に使いたくなる空間を整えることが、成果に結びつく鍵となります。

オフィス全体を俯瞰し、企業の方針や組織文化にフィットした設計を実現したい場合は、空間デザインに精通した専門家の支援を受ける選択肢も有効です。

TRUSTオフィスでは、現場の課題整理から空間の設計、施工、運用支援までを一貫して対応しています。集中スペースの導入をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。