2020.10.24 2020.10.22オフィスデザイン
「見える化」が徹底されたオフィスデザイン
ビジネスにおいて業務を効率化するために「見える化」を行うというのはよくある話ですが、オフィスまでも見える化してしまうというのは珍しいのではないでしょうか。 社員の家族がやってきたときに社内が良く見えるようにという目的からそのようなデザインが要望されたようですが、 出来上がったオフィスは単に中が良く見えるだけでなく、機能性も考慮された実用的な作りとなっています。
目次
インパクト大のエントランス
オフィスにやってきた来訪者がまず最初に足を踏み入れる場所がエントランスです。
今回のオフィスでは、このエントランス部分にアッと驚くような数々の仕掛けが用意されています。
ガラス張りの壁面
オフィスのエントランスといえば、通常は落ち着いた雰囲気がするものですが、このオフィスの場合は、正面とサイドの壁がガラス張りになっており、奥の方にある執務エリアや会議室の様子まで見渡せるようになっています。
そのため、来訪者からすると、この会社の仕事の様子が手に取るように分かるため、安心して商談に臨んだりすることができるでしょう。
一方、ここで働く従業員からすると、常に外から見られているという緊張感をもって仕事ができるようになるはずです。
そうすれば、些細なケアレスミスは減るはずですし、手を抜いて仕事をしたり、勤務時間中に居眠りしたりもできなくなるため、結果的に労働生産性の向上につながるでしょう。
真っ先に目に飛び込んでくる会社ロゴ
エントランス正面のガラスの壁面には、会社のロゴが施されています。
ロゴと言っても壁面にプリントされているわけではなく、
数多くの星形の小さなライトを組み合わせて社名が立体的に浮き上がるような工夫がなされているので、来訪者は真っ先にそれを目に焼き付けることになるでしょう。
安らぎを感じさせる植物
ロゴが施されている壁の前には、様々な形状の植物が植えられており、オフィスにありがちな殺伐とした雰囲気を和らげています。
色鮮やかな花や実などを使用しないことで、植物の葉のグリーンが引き立てられており、それによって見る者の心をリフレッシュさせる効果が期待できるでしょう。
また、よく見ると使われている植物の大きさや高さ、葉の形などはすべて違っています。
同じ種類のものばかり使ってしまうと、どうしても単調な雰囲気になりやすく、かつ立体感も出せませんので、意図的に違った植物を組み合わせているようです。
モダンテイストを醸し出す床と天井
緑豊かな植物を配置する一方で、エントランスの床にはコンクリートの打ちっ放しのような素材が用いられています。また、見た目を活かすために、天井には鉄骨がむき出しになっています。
これらはいずれもエントランスにモダンなテイストを加えるものであり、人によっては近未来的な印象を受けるかもしれません。
そのため、特に最先端のテクノロジーを駆使してビジネスを行っているような企業には、ふさわしいオフィスデザインであると言えるのではないでしょうか。
様々な用途に使えるフリースペース
エントランスの先には、様々な目的のために使用できるフリースペースが設けられています。そのデザインはあたかもおしゃれなカフェやバーのようです。
従業員にとっては、仕事に煮詰まったときに、リフレッシュする場所として使えますし、来訪者の待機エリアとして使用してもよいでしょう。
エントランスとの一体感を重視
このフリースペースのデザインについては、エントランスとの一体感が重視されているようです。
というのも床や天井はエントランスと同じものが使われており、
また、エントランスとフリースペースを仕切る壁は一面ガラス張りになっていますので、一見すると一続きの空間であるかのように見えるからです。
テーブルや椅子にも一工夫
オフィスに置かれている家具と言えば実用性を重視したシンプルなデザインのものがほとんどですが、このフリースペースに設置されているものはそうではありません。
オフィス家具というよりもおしゃれな街中のカフェやバーにある家具といった方がしっくりくるものばかりで、中には六角形の形状をした腰高のテーブルなども配されています。
また、それ以外にも、ブルーシートの椅子がテーブルを挟んで向かい合うように置かれていますので、複数人で落ち着いて会話するにはぴったりです。
普通オフィスにはない設備
このフリースペースには、テーブルや椅子以外に、普通に考えるとまずオフィスには置かないであろう設備が設置されています。
それは、クラブでDJがよく使っているターンテーブルで、これを置くことによって、スペース全体に一層開放的な雰囲気が醸し出されています。
もちろん実際に使用することも可能ですので、仕事終わりに社員みんなで集まって親睦を深めるのもよいでしょう。
シックな雰囲気が漂う役員室
エントランスやフリースペースとは異なり、役員室は全体的にシックなデザインで統一されています。
シンプルモダンなインテリア
室内には役員用のデスクとチェアに加えて、ちょっとしたミーティングを行えるような長机が置かれているのですが、それらはいずれもモダンなデザインのものばかりです。
また、デスクの背後には壁一面にラックが備え付けられており、そこにちょっとした絵画などの芸術作品を飾ったりすることによって、遊びを演出しています。
さらに、天井には豪華なシャンデリアが設置されているのですが、こちらもクラシックではなくモダンなデザインのものになっています。
なお、壁には大型のミラーが備え付けられています。
このミラーは部屋のデザインにアクセントをつける効果もあるのですが、それ以外に室内の空間を広く見せる役割を果たしているのです。
こだわりぬかれた床材
役員室の床には、ヘリンボーン調の木目の床材が使用されています。
こういった床材はなかなかオフィスには用いられませんが、あえて使用することによっておしゃれな雰囲気を醸し出しているのです。
また、モダンテイスト一色だと、単調になってしまうおそれがあるため、それを避けるために、部屋の一角には鉢植えの植物がさりげなく置かれています。
無駄を省いた執務エリアと会議室
他のエリアと同じく、執務エリアや会議室もモダンテイストで統一されていますが、実用性を重視して無駄が一切排除されていますので、そのデザインはシンプルモダンといっても過言ではありません。
フリーアドレスに対応したデスク
執務エリアには、ナチュラルな天板に無機質な脚が付いたモダンテイストな長机が置かれており、その上にはモニターのみが設置されています。
個人の荷物や資料などはすべて壁面に設けられた収納棚に入れられるようになっていますので、従業員は特に決まった席を使用するのではなく、毎回好きな席に座って仕事をすることができるのです。
実用性重視の会議室
オフィス内には、用途に応じて使い分けられる様々な広さの複数の会議室が用意されています。
例えば、参加者がじっくりと議論できるように、デスクと椅子だけという必要最小限の設備しか配置されていない部屋もあれば、オンライン会議ができるように、壁に大型モニターが備え付けられている部屋もあります。
また、大型のセミナールームも存在するため、従業員向けに研修を行ったり、クライアントを集めて説明会を開催したりすることも可能です。
セミナールーム以外の会議室はすべてガラス張りになっていますので、外の目を気にしつつ緊張感をもって議論を行えるでしょう。
従業員にも来訪者にも優しいオフィス
以上で見てきたように、今回のオフィスは、来訪者が内部がどうなっているかを一目で見られるように「見える化」が徹底されているだけでなく、従業員が働きやすいように様々な趣向が凝らされています。
一方で、従業員が緊張感をもって働ける環境も整えられていますので、彼らの労働生産性を向上させてビジネス拡大を図るには適したデザインであると言えるでしょう。
オフィスデザインに興味がある方は、参考にしてみてください。
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