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2020.11.24  2020.12.01オフィスデザイン

居抜き物件を利用したオフィスの事例

居抜き物件を利用したオフィスの事例

オフィスの居所やサイズの決定は、ビジネスに大きな影響を与えます。ですが、オフィス移転にかかるコストや移行期間を考えるとオフィス移転は難しいといえます。 しかし、居抜きオフィスを使えば、そのような問題が簡単に解決できるかもしれません。以下では居抜きオフィスについて説明した後に、居抜き物件を採用した会社のオフィス事例を紹介します。

居抜きオフィスとは

居抜きオフィスとは

居抜きオフィスとは、前入居者が使っていた内装や什器などの設備類をそのまま引き継げる、賃貸オフィスです。オフィスを借りた場合、通常は入居時に内装などの工事で多額の費用が発生します。

居抜きでオフィスが使えれば、内装工事の必要がないため、オフィス設立のコストをカットが可能です。

そのため、居抜きオフィスは、運用資金や初期投資を抑えられるオフィスの設け方として、スタートアップ企業から大きな注目を集めています。また、居抜きオフィスであれば入居後すぐに業務を開始できるというメリットもあります。

原状回復の費用とは

原状回復の費用とは

なお、賃貸物件は本来ならば明け渡し時に、借りた時と同じ状態に原状回復させてから返却しなければなりません。これはオフィスでも同様です。

しかし、原状回復には時間もコストもかかります。一般的にオフィスの原状回復費用は、100坪未満では1坪あたり2万円から5万円ほどです。

100坪以上の大きなオフィスでは、5万円から10万円といわれています。居抜き物件で借り手が見つかった場合には、前入居者はこのコストを低減させられます。

一般の賃貸物件にオフィス移転した場合

一般の賃貸物件にオフィス移転した場合

普通にオフィスを借りた場合、オフィスが使える状態にするには内装工事をしなければなりません。内装工事には、業者の選定期間と工事の打ち合わせで3カ月かかります。

工事期間は、100坪以下の中規模オフィスで3カ月、100坪を超す大規模オフィスでは6カ月以上必要です。内装工事の費用は坪単価10万円から20万円ほどです。

一般の賃貸契約で50坪のオフィスに移転した場合、オフィスを決定してから実際に使えるようになるまで半年かかります。費用は内装費だけで500万円から1000万円ほどです。

対して、居抜きオフィスの場合には、条件が合えば入居即日で仕事を始められます。また、設備を引き継ぐのであれば内装費用もかかりません。

居抜きオフィスのデメリット

居抜きオフィスは、前入居者が準備した設備を引き継ぐため、希望通りの室内状況というわけにはいきません。パーティションや室内レイアウトについては、多少の手直しがいることが多いです。

引き継ぐ什器にも注意しなければなりません。機械の型が古い場合には、企業の業務に耐えない可能性も考えられます。壊れた場合の修理費用や処理費用は、それらを引き継いだ新入居者が支払わなければなりません。

居抜き物件を借りた場合、前入居者が手を入れた部分であっても、原状回復義務は新入居者に引き継がれることにも注意しましょう。内装が凝っている場合や造作物が多い場合には、原状回復費用が高くつくことがあります。

オフィス面積の拡大を求めた「マネーフォワード」

オフィス面積の拡大を求めた「マネーフォワード」

「マネーフォワード」(https://moneyforward.com)は、お金の問題解決や、ネットアプリを使ったお金の見える化に取り組んでいる企業です。

2018年2月に北海道支社がオフィス移転しました。新しいオフィスは、札幌市中央区の約52坪の居抜き物件です。重視された条件はオフィスの拡大と立地条件です。

このオフィス事例では、移転までに猶予があったため内見が十分に行われました。そのため原状回復せずに、室内に造作が残ったままオフィス移転しています。

居抜き交渉は成功すると三方良し

居抜き交渉は成功すると三方良し

原状回復することなく、次の入居者が設備を利用することは、物件オーナーにとってもメリットがあります。原状回復に要する期間を挟まずに、物件を賃貸できるからです。

また、退去する賃借人側も原状回復をしなくてすむため、余分なコストがかかりません。そのため、居抜き交渉が成立すると、関係者全員が得をするといえます。

「マネーフォワード」のケースでは、居抜き物件をそのまま利用しているため、内装工事などの施工費がほとんどかかりません。

一般の賃貸物件なら、500万円から1000万円程度の施工費が必要です。さらに、内装に大きな変更をしなかったことで、移転にかかる期間も大きくカットできました。

ビル1棟を借りた「パーソルホールディングス株式会社」

ビル1棟を借りた「パーソルホールディングス株式会社」

東京都にある労働者派遣会社の「パーソルホールディングス株式会社」(https://www.persol-group.co.jp/corporate/business/index.html)は、オフィス機能を統合するために、

港区青山のビルにオフィス移転しました。オフィススペースとしてビル1棟を居抜きで借り入れました。その総床面積は約2000坪です。

都内5カ所の営業所をとりまとめ、中長期計画のもとで本社機能の強化をはかるためです。これによって、会社機能を集約することで、コストダウンや生産性の向上を目指しています。

オフィス開設にかかる施工期間

オフィス開設にかかる施工期間

このオフィス事例では、2018年2月に契約が締結され、同年10月から賃貸契約が開始しています。内装などの施工期間にはおよそ2カ月かかっています。

以前の会社が使っていたスペースをそのまま利用し、使用していないスペースを平日に工事することで、作業を短期間で終わらせることに成功しました。

都内にある営業所と本社機能を一カ所にまとめる、大掛かりなオフィス移転でしたが、新しいオフィスへの移転プロジェクトは2019年の1月に終了しました。

一般の賃貸物件への入居の場合では、約2000坪のオフィス移転は、移行期間に9カ月から1年ほどかかります。

リモートワークの推進とともに固定費削減に成功した「ClipLine株式会社」

リモートワークの推進とともに固定費削減に成功した「ClipLine株式会社」

「ClipLine株式会社」(https://corp.clipline.com/)は、サービス業における社内教育のマネジメント支援や、他店舗チェーンの生産産性向上などの施策をする企業です。

固定費を削減し、従業員の働き方を再構成するためオフィス移転しました。それまで使っていた東京都港区のオフィスは、JR田町駅に近く、約180坪の広さがある優良な物件でした。

しかし、働き方の見直しによってリモートワークが主体となる中で、オフィスの維持費用は会社にとって大きな負担でした。

オフィス縮小で固定費を軽減

オフィス縮小で固定費を軽減

リモートワークの推進は、ストレス緩和や時間の使い方に自由度が生まれるため、従業員におおむね受け入れられました。しかし、仕事に集中するためにオフィスが必要であるという意見も少なくありませんでした。

そこで、出勤率を20%ほどと想定し、オフィス面積を約80坪まで削減することに決定しました。東京都港区で、JR田町駅周辺にあるオフィス賃貸料金の坪単価は19200円前後です。

約180坪の広さのオフィスでは、毎月350万円近くのコストが発生していたことになります。対して移転先の品川区西五反田では、坪単価21400円ほどです。毎月の賃料は170万円前後と推測できます。

概算ですが、50%近くのコスト削減に成功したオフィス事例です。

印象の良さを求めて渋谷に移転した「株式会社ノーマーク」

印象の良さを求めて渋谷に移転した「株式会社ノーマーク」

「株式会社ノーマーク」(https://nmrk.co.jp)は東京都千代田区神田神保町にあった事業所を、東京都渋谷区へと移転しました。その事業部ではお客様が全員女性のため、オフィスのイメージを重視しています。

また、セミナーを土日でも開催できるオフィスを探していました。

そのため、ビルのエントランスが土日も開いていて、女性が利用することにためらいを感じない、明るさと清潔さを持った現在のビルへと移転を決めたそうです。このケースでは、内装と什器の多くを引き継いだため、入居後に即事業活動が行えました。

居抜きオフィスでは関係者との打ち合わせが重要

居抜きオフィスでは関係者との打ち合わせが重要

通常オフィス移転は次のような流れです。まず「物件の選定」です。気に入った物件を「内覧」をしてから「賃貸申込」をします。

この申し込みが「審査」を通過したなら「契約」に至ります。しかし、居抜き物件でのオフィス移転は、普通の賃貸オフィスへの入居と少し手続きが変わります。

「契約」に至るまでに、関係者との打ち合わせが必要になるからです。物件所有者との契約だけでなく、管理会社や前入居者との調整も求められます。

交渉は専門業者に

居抜き物件へとオフィス移転する際には、原状回復がどの程度なされるのか、

そのための負担分を新入居者が負うのか、什器は引き継ぐのかといった権利関係の問題や、互いのタイムスケジュールの調整など、複雑な要素が発生する場合があります。

特に、明け渡し直前まで入居者がいる場合には、確実にスペースの引き渡しがなされなければ、今後の業務に差し支えます。このような交渉事は、居抜き物件を専門に扱っている業者に仲介を頼む方がよいでしょう。

居抜きオフィスを使う際にはオフィスの移転目的をしっかり考慮しましょう

居抜きオフィスを上手く使えば、オフィス移転のコストを低減させ、移転に必要な期間を短くすることも可能です。

しかし、あくまで居抜き物件は、他の企業のために用意された内装を受け継ぐため、企業の目的と合致していなければ、使いにくいものとなるかもしれません。

そのようなことにならないためにも、移転目的をしっかりと把握することが大切です。また、使いやすいオフィスかを確認するためにも内見は大切です。内見の際には、オフィスの動線や什器などを確認するとよいでしょう。