2021.08.03 2021.09.07コラム
ABWの導入後のマネジメントはどうしたら良い?
「ABWを導入すると、マネジメントしにくくなると聞きましたが本当でしょうか?」
「検討材料にしたいので、ABWのデメリットを教えてください」
というお客様への記事です。
この記事で伝えていること↓
・ABWのデメリット
・ABWを導入するときの注意点
これまで数多くのオフィス作りに携わった、TRUSTオフィス(の中の人)が、どこよりも分かりやすくお伝えしていきますね。
先に冒頭の質問にお答えしましょう。
ABWを導入することで、マネジメントが難しくなる、という声は、確かにゼロではありません。
その理由は、おもに2つ挙げられます↓
・進捗状況や作業状況が見えない
・上司とのコミュニケーションが減る
ABWという働き方がそこまで浸透されていないため、管理職層もどうしたら良いか手探り状態。 だから、マネジメントがしづらい、というのが本音ではないでしょうか。
とは言うものの、ABWの導入で業績がUPした企業も少なくありません。
従業員の働きやすさを実現するためにも、ABWは非常に有効な手段だと言えます。
ここから先は『ABWの良し悪しを知り、本当に自分たちの会社に必要か』を判断できるよう、解説していきますね。
目次
ABWの導入は企業にとってプラスなだけではない
ABW(Activity Based Working)は、働く時間、場所を自由に選べるスタイル。
従業員が、自分にとってベストパフォーマンスを発揮できる場所で作業できるので、生産性UPへの期待も大きいと言えます。
”自由に選べる”、というのは、従業員にとってプラスに感じられることでしょう。
ですが、管理職は、プラスに感じる人ばかりではありません。
従業員を管理する立場にある人にとって”自由すぎる”、というのは、少し面倒に思う部分があるのが現状です。
ABWのマネジメントにおけるデメリットは3つ
ABWのデメリットを把握しておきましょう。
おもに3つ挙げられます↓
・評価制度の見直しが必須になる
・作業状況や進捗状況が把握しづらい
・上司と部下のコミュニケーションが取りづらくなる
それぞれ分かりやすくお伝えしていきますね。
ABWのデメリット①:評価制度の見直しが必須
デメリット1つ目に挙げるのは、評価制度の見直し、についてです。
結論、ABWを導入すると、今までのやり方では、平等に人事評価ができなくなります。
従業員が一定の場所にいることがなくなり、物理的に目が届かなくなるからです。
そのため、出社状況や労働時間を人事評価に取り入れるのは、少し考えた方が良いかもしれませんね。
たとえば、タスクを細かく設定し、それらが完了されていることで評価するか。
あるいは、結果が出ていることで評価するか。
自社の性質や業種、業務スタイルによって異なるので、一概に「こうした方が良いですよ」とは言えません。
ですが評価の基準は、これまでよりも細かく定めた方が良いでしょう。
作業の進み具合や、成果に見合った評価ができるよう、制度を整えておく必要があります。
ABWのデメリット②:従業員の作業状況、進捗状況が把握しづらい
作業状況や進捗状況が把握しづらくなる、という点も挙げられます。
業務内容によっては、都度チームメイトや上司との確認作業が必要になる場合もあるでしょう。
ABWを導入すると、それが難しくなります。
作業状況の把握が、都度、必須なのであれば、進捗状況が分かるようにデータ化し、シェアし合えるツールを活用すると良いですよ。
ABWのデメリット③:上司と部下のコミュニケーションが取りづらい
ABWを導入すると、今までよりも従業員同士のコミュニケーションが取りづらくなります。
各々が自由に場所を変えて仕事をすることになるため、これまでのような”上司や同僚の目の前で仕事をする”という状況でなくなります。
作業中に湧いた疑問や、ちょっと相談したいときなど不便に感じるかもしれません。
せっかく生産性と効率性が上がる、”良い働き方”をしているのに、チームワークが落ちることで、仕事の精度が低くなってしまう恐れも。
そうした欠点を回避するには、はやりツールを使うことです。
気軽に使えるチャットツールを導入しましょう。
あるいは、固定の曜日に出社するなど、出社ルールを設けるのも有効です。
ABWを導入するときは、必要なときにコミュニケーションが取れる工夫が必要です。
ABWの導入は管理職層の意識改革が必須
結論、ABWの導入は、管理職層の意識を変えていく必要があります。
なぜなら、ABWによって従業員の働き方が変わるのに、マネジメントする立場の人の在り方を変えないままでは、スムーズな業務はできないからです。
環境を変えることは、気持ちの面でも簡単なことではありません。
ですが『多様化した働き方』や『新しいオフィスの在り方』と、いろいろな面で、カタチが変わってきていますよね。
それもとても早く変化してきています。
変化が求められる中であるにも関わらず、考え方や意識が変わらないままでは、求められるカタチに対応できなくなってしまいます。
これから先の管理職層に求められるのは「新しい変化に合わせるには、どうしたら良いか」という考えを持つこと。
そして、その変化を受け入れ、より快適な職場環境を提供していく、という姿勢です。
新しい管理の仕方を考え、検証し、ベストなやり方を常に模索してく。
そうした姿勢ができれば、従業員の信頼も得やすくなることでしょう。
ABWを成功させるためのマネジメントマインド
ABWの導入を成功させるには、管理職層のマインドを変えるだけでは不十分です。
優先すべきは、”フォロー体制”と、”外部への対応力”。
フォロー体制とは「どう進めていけば良いか分からない」「何を優先したら良いか分からない」という従業員に対するフォーローです。
チャットツールでのやりとりを増やすのか。
あるいは、ビデオ通話を通して一緒に作業していくのか。
”なにかあった時の体制”を、しっかり整えましょう。
外部への対応力というのは、来客や電話対応を指します。
たとえ、ABWの導入で出社率が下がったとしても、来客や電話がなくなるわけではありません。
いつ、誰が担当するのか。
あるいは、遠隔で対応するのか。ツールはどうするのか。
といったように、外部への対応手段についても、前もって考えておきましょう。
ABWを導入してからの業務を、スムーズにするために必要なことです。
まとめ:ABWの導入で、マネジメント方法にも変化を
「ABWを導入すると、マネジメントしづらくなるというのは本当でしょうか」というお客様へ、ABWのメリットと、持つべき考え方についてお伝えしてきました。
ABWを導入することで、
・費用削減につながる
・パフォーマンスUPを維持できる
・ひらめき、アイデアが生まれやすい
といったメリットが期待できます。
一方で、今までと同じやり方ではマネジメントがしづらくなる、というデメリットも挙げられます。
必要なのは、今までのやり方に縛られるのではなく、管理体制にも変化を見出すことです。
従業員の多様化した働き方に合わせることで、オフィス、そして企業としての存在価値は高くなるでしょう。
結果的に企業としてのイメージUPにもつながりますからね。
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