2020.09.14オフィスデザイン
新しい時代のコミュニケーションに応じたオフィスデザインとは
働き方改革やITツールによる業務効率化などによって、現代の働き方は昔と変わってきています。 それに伴い、古くからあるオフィスデザインも時代の変化に応じて変えていく必要があるでしょう。 そこで、ここでは現代の働き方に合わせつつ、社内コミュニケーションが取れるようなオフィスデザインを作るにあたって、重視すべきポイントについて解説します。
目次
座席配置は社内コミュニケーションにも影響する
オフィスデザインで重視されるのが座席配置です。
やはり社員が仕事に集中できる環境を目指すにあたっては、一人一人に個室スペースを与えるという方法がベストですが、大半の企業はこれを実現するのは難しいでしょう。
また、業種によってはコミュニケーションが特に大切なものもあります。一般的なオフィスにおける座席配置は対面式・背面式・フリーアドレス式の3つです。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
まず、一般的な座席配置が対面式です。この方式だと社員同士が向かい合わせになるので仕事中だけでなく、休憩中の雑談なども活発になります。
このように、社内でのコミュニケーションを重視したいのであれば対面式がおすすめです。特にチーム業務を行う場合はリーダーがチーム全体を見渡せることから、仕事もスムーズに進みやすい傾向があります。
それに対し、1人での作業がメインとなる仕事では背面式という背中会わせになるように机を配置する方法もあります。この方法なら周りの視線を気にせずに作業ができますし、後ろを向くだけで周りの人たちとの会話も可能です。
日本の企業の多くは昔から対面式を採用しているところが多い傾向がありましたが、業務のIT化などが進んだことにより、単独もしくは少人数で行う仕事が増えている傾向にあります。
加えて、他社との差別化のために他の部署との連携も必須となっており、オフィスは1人もしくは少人数での業務を行う場として作業に専念できる環境を整え、チームでの話し合いはミーティング室と分けている企業が増えてきています。
そんな中、出張や外回りが多い仕事だと導入されることが多いのがフリーアドレス制です。フリーアドレス制は、その日の気分に合わせて自分の座席を決められる座席配置のことを言います。
ただし、フリーアドレス制は色々な人と交流のきっかけを作りやすいというメリットもありますが、人によっては落ち着かないと感じる人もいるため、導入する際は注意が必要です。
求められるコミュニケーションの変化によって社内の設備も変わってくる
現代は仕事とプライベートのバランスを重視した働き方を希望している人が多く、これは就職・転職する会社を選ぶ重要なポイントとなっています。
それに加え、セクハラに代表されるハラスメントという言葉が広がり、「苦手なものを他人に強要しない」ことも重要視されるようになりました。
昔であれば上司と部下のコミュニケーションの手段としては、飲み会や喫煙室での会話などがありました。
しかし、現代においてはアルコールが苦手だったり、そもそも上司のために時間を使うことが苦痛だったりする人も目立つようになってきており、お酒を飲むことを強要する「アルハラ」という言葉も広まっています。
また、タバコの健康被害が広まったり、そもそもタバコの値段が高騰してタバコを吸う若者が減ったりしていることから、喫煙室でのコミュニケーションも限られてきています。
このように、社内のコミュニケーションをプライベートに持ち込まない風潮があることや社内コミュニケーションの場が限られてしまっていることを考えると、
新たな社内コミュニケーションの場を会社で準備することが求められていると言えるでしょう。
自社にしか無い強みをアピールしていくためには、他の部署との連携は必須です。
そのため、取引先の人や同じ部署の人とのコミュニケーションだけでなく、他の部署とのコミュニケーションも大切と言えます。
それ故に、他の部署と仕事中も休憩中も気軽にコミュニケーションが取れるようなオフィスデザインを重視している企業も増えています。
従来のオフィスデザインでは部署ごとに部屋が割り当てられており、用事がある部署に移動して業務を行っていました。
しかし、この状態では移動して他の部署に顔を出したときにしかその部署で行われている業務が把握できないという難点がありました。
加えて、他の部署へ移動するというハードルが高く感じてしまい、部署間の連携が取りにくいというデメリットもあります。
そこで部署間のコミュニケーションを活発化するために、すべての部署を一つのフロアに集めてしまうという取り組みを行っている企業も増えています。
この方式なら、自分の座席に着くまでに色々な部署の人と挨拶などを通してコミュニケーションのきっかけを作れるでしょう。
それ以外にも座席を円形に配置する、ジグザグに配置するなど、普段関わりのない人と接点を持てるような座席配置もあることから、オフィスの広さや業務内容に合わせて自社に合った座席配置を選択すると良いでしょう。
他にも、気軽に色々な人とコミュニケーションが取れる社内カフェや立ち話スペースを設置する企業が増えています。
このような場なら、自分のプライベートな時間を使わずに社内の人たちと交流が持てるでしょう。
もちろん喫煙室や飲み会でのコミュニケーションも残ってはいますが、会話スペースがあるなら行きたいときに行けば良いので、飲み会の優先度合いも下がり、社員のストレスも軽減できます。
また、社内でのコミュニケーションだけでなく、社外とのコミュニケーションも同様です。
今までは取引先との商談は接待として外食をすることが多くありましたが、社員のプライベートな時間を確保する考えの企業が増えています。
そのため、できるだけ商談や話し合いは勤務時間内に終えるものという考えも強くなっており、取引先との商談を行うスペースだけでなく、取引先の人と気軽に会話ができるスペースも必要となってきています。
そこで他の社員に聞かれても問題ない程度の話をするためのスペースとして、社内カフェやオープンスペースを設置することもあります。
コミュニケーションを重視した環境を整える上での注意点
社内コミュニケーションを促進するために座席配置を変えるなどといった取り組みを行う企業は増えていますが、これを実施するにあたってはいくつか注意点があります。
まず、他の人との会話を促進するためにパーティションを取り外すという取り組みを行っている企業がありますが、これに関しては場合によっては逆に業務効率が下がってしまうリスクを伴うということも理解しておかなければいけません。
例えば、エンジニアや事務職など一日中PCや書類に向かって作業をする職種の場合、人とのコミュニケーションも必要ですがそれ以上に作業に集中できる環境の方が大切です。
パーティションを取り外してしまうと作業に支障が出てしまう可能性があるため、万が一パーティションを取り外すなら作業に集中したい人が利用できる個室などを用意する必要があるでしょう。
また、開放感を重視してしまうと、その分近くの会話が簡単に聞こえてしまいます。場合によっては流出してはいけない情報が外部の人に聞かれてしまうこともあるので、セキュリティに関するルールも決めておきましょう。
現代のオフィスデザインに合わせて社内コミュニケーションを活性化しよう
会社での社員同士のコミュニケーションや取引先とのコミュニケーションは時代の変化に応じて変わってきており、現代では基本的に業務時間内で社員同士のコミュニケーションを取り、
仕事が終わったら会社の人間関係とは離れてプライベートな時間を過ごしたいという人が多いです。
この傾向は求人にも影響を及ぼしているため、より良い職場環境を求める優秀な人材を確保するためにも、社内コミュニケーションが取れるオフィスデザインにこだわってみましょう。
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