2020.09.28オフィスデザイン
社員がオフィスに求めるものは?オフィスデザインの流行を解説
オフィスデザインにも流行があります。長年オフィス勤務をしてきた方ならば、オフィスの様子やデザインが時と共に変わってきたことを実感したこともあるでしょう。 オフィスデザインは、働き方の変化によっても変わると言われています。 今、流行のオフィスデザインはどんなものでしょうか?また、社員がオフィスにどんなことを求めているのでしょうか?今回は流行のオフィスデザインや、それらが社員や会社に与える影響を紹介します。
目次
最新のオフィスデザインはオフィスらしくないオフィス
1990年代まで、オフィスデザインに求められるものは「生産性の向上」でした。
整然と机が並び、ほかの人の作業が自分の邪魔にならないよう、デスクとデスクの間には仕切りが作られ、目に優しいアイボリー色で統一といったデザインはその代表格です。
しかし、2000年代に入ると、オフィスワークの働き方に変化が生まれてきました。
1人1人の役割の流動化が始まり、「決められたことを決められた場所でやる」という働き方よりも、自分の能力やアイデアを活用し、自分の方法で仕事をするといった働き方ができるようになったのです。
パソコンをはじめとするIT機器の進化も、自由な働き方に拍車をかけました。
インターネットに繋がったパソコンがあれば、いつ、どこでも連絡を取り合うことができるようになったことは、おおきいでしょう。
働き方の変化はオフィスデザインにも大きな変化をもたらしました。
その1つが「フリーアドレスオフィス」というデザインです。フリーアドレスとは、社員が個別のデスクを持たず空いている場所で自由に仕事ができるスタイルのオフィスです。
それに伴い、机を並べる広いスペースと会議室、休憩室などといった小スペースで構成されていたオフィスは、デザインの幅がグッと広がりました。
個室とフリースペースで構成されたオフィスもあれば、大きなフリースペースにさまざまな形や大きさのデスクが並ぶオフィスなど、社員の需要が繁栄されたオフィスデザインが増えてきたのです。
そして2020年現在、流行のオフィスデザインは「オフィスらしくないオフィス」です。
まるでファミレスのようなソファー席があるオフィスや、グリーンが至る所に置かれたオフィス、カフェのようなデザインのオフィスなど、
働いている人がいなければ、オフィスとは思えないところも珍しくありません。
情報番組で「面白いオフィス」「個性的なオフィス」として紹介されることもあるので、見たことがある人もいるでしょう。
また、重要視されるのは「生産性」ではなく「ストレス軽減」や「リフレッシュ」です。働いているうちにストレスがたまっては仕事の効率は下がる一方です。
社員がストレスをためずに働きやすいオフィスを作ることで、結果的に生産性を上げようというコンセプトが好まれています。
リフレッシュスペースの充実
最近のオフィスの特徴をもう1つあげるとすれば、リフレッシュスペースの充実です。休憩室や食堂は1990年代からありましたが、それほど重要視されていませんでした。
しかし、現在はバリスタが常駐するおしゃれなカフェなどを作る会社も珍しくありません。カフェが来客と打ち合わせするスペースになっている会社もあります。
また、カフェスペースで仕事ができる設計になっている会社も多いようです。社員食堂を作るのは難しいけれど、軽食が取れるカフェスペースなら作れるという会社も多いことでしょう。
また、もっと冒険してバーズペースを設ける会社もあります。
「会社帰りに同僚や上司とお酒を飲む」という習慣は昔からありましたが、どこか別の場所に行くのではなく、会社内でやってしまおうというわけです。
なんだか落ちつかないように想われますが、本格的なバースペースを作ることで、かえって「オンとオフの切り替えができるようになった」という声が多いと言います。
また、居酒屋だとダラダラと飲んでしまいがちですが、バーだと、おしゃれなカクテルを1~2杯飲んで、
社員同士の親睦を深め、さっと解散となるので「飲み会のストレスが減った」という声もあるそうです。
また、取引先の接待に利用したり会社の宣伝になったりするというメリットもあります。
この他にも、ボルタリングやハンモックをつるしてお昼寝ができる部屋、グランピング設備を設置してある部屋など、個性的なリフレッシュスペースを設置しているオフィスもあります。
ワーキングスペースと同じようにリフレッシュスペースにも会社の個性や従業員の需要が反映されやすくなっていると言えるでしょう。
自分にあった働き方ができるようになった社員も多い
人は1人1人適した働き方が異なります。
賑やかな場所で仕事をした方がはかどるという人もいれば、静かな場所で1人集中して仕事をして働く方が適している人もいるでしょう。
最新のオフィスデザインはどんな働き方でも対応できるようになっています。
フリースペースでカフェで買ったコーヒーを片手に仕事をしてもいいですし、きちんと防音設備がある集中ワーキングスペースで仕事をすることも可能です。
また、同じ場所で仕事をすることに飽きたならば、別の場所に移動して気持ちを新しく仕事に取り組むこともできるでしょう。
また、オフィスにさまざまな場所を作ることで、無駄な時間が減ったという例もあります。
たとえば、会議は会議室などで行わなければならないオフィスなら、会議をするためにいちいち場所を移動しなければなりません。
普段使っていない部屋ならば、冷暖房の準備もいるでしょう。しかし、フリースペースがあるならば、そこで打ち合わせや会議を行い、そのまま仕事に戻ることができます。
会やミーティングをしようよという提案も気軽に行うことができるでしょう。
「オフィスらしくないオフィスにしたところ、生産性が下がるかと思ったが反対に上がった」という事例もあります。
さらに、リフレッシュ方法がいくつもあると、集中力が持続しやすい傾向もあります。
休憩方法がたばこを吸うかご飯を食べるかしかないと、集中力が切れた際、取り戻すまでに時間がかかるでしょう。
しかし、コーヒーを飲む、緑を見る、寝るなどの選択肢があると、その日の気分に合ったリフレッシュ方法が選べます。その結果、集中力も取り戻しやすくなるでしょう。
自分に合ったワークスタイルを見つけるのが大変という声もある
しかし、最新流行の「オフィスらしくないオフィス」にはデメリットもあります。
そのひとつが、「自分に合ったワークスタイルが見つからずに悩む」というものです。
特に、社会人経験が浅い人は、自分が賑やかなところで働いた方がいいのか、集中できる場所で働いた方がいいのか分からないこともあります。
その結果、腰を落ち着けて働けずにあっちこっちふらふらしてしまうこともあります。
また、フリーアドレスにしてしばらくしたら、自然と従業員の席が決まってしまい、フリーアドレスの意味がなくなったというケースもあるのです。
さらに、職種によっては昔ながらの机を整然と並べたオフィスで働くのが一番適しているというケースもあります。
ただ流行っているからというだけで、オフィスらしくないオフィスのデザインにしてしまうと帰って働きにくくなるかもしれません。
社員の意見を聞くことも大切ですが、さまざまな働き方ができ、カフェやバーがあるオフィスが本当に自社に適しているか考えることも大切です。
オフィスデザインは多様化している
現在はオフィスも多様化し、「オフィスはこうでなくては」という決まりがどんどん少なくなっています。
その一方で、「流行のデザインでオフィスを作ったけどかえって仕事がしにくくなった」というケースもあるでしょう。
だからこそ、会社の形態にあったデザインと社員の希望、どちらをどれだけ取り入れるのか、よく考えてデザインを決めることが大切です。
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