2020.12.11 2021.01.06オフィスデザイン
有名企業のエントランスを参考に自社のエントランスも考えてみよう
企業にとって、エントランスは「顔」とも言える部分です。訪問者がオフィスに足を踏み入れるとき、エントランスの印象が強く残ることも珍しくないでしょう。 だからこそ、オフィスデザインではエントランスにも力を入れる必要があります。この記事では、有名企業のエントランスから参考にしたいポイントを解説していきます。
目次
- 企業のコンセプトを象徴するLiander Officesのエントランス
- 自然光でエコを徹底
- 訪問者の目線でエントランスをデザインする
- エントランスでコミュニケーションを活性化するPIXAR
- フリースペースの設置
- 忙しい毎日の癒しをエントランスで
- アットホームな雰囲気を押し出したグリー株式会社
- あえてレトロなビジュアルを取り入れる
- さりげないオリジナリティがポイント
- ユーモアと機能性を両立させたサイボウズ株式会社
- 入ったらキリンに出迎えられる
- 大切なのはおもてなしの精神
- 頑張る社員をエントランスでも応援する株式会社ジーニー
- ホワイトボードとソファーを設置
- 社員の要望に耳を傾ける
- 有名企業のエントランスのデザインには学ぶべき点がたくさん
企業のコンセプトを象徴するLiander Officesのエントランス
自然光でエコを徹底
オランダのLiander Officesはエネルギー会社として成長を遂げてきました。だからこそ、オフィスデザインでも隅々にエコへの意識が示されています。特にエントランスは広い天窓にすることで、自然光が差し込んでくる構造になっています。
電力削減にもつながる上、日光のやさしさが人々の心を癒してくれます。何より企業のコンセプトを訪問者に対してしっかり伝えていると言えるでしょう。
エントランスで省エネへの思いを表現することで、Liander Officesの経営戦略にも説得力が生まれます。企業倫理を対外的にPRできる場所として、エントランスがデザインされているのです。
訪問者の目線でエントランスをデザインする
Liander Officesの場合は、エコへの意識を問われる企業という前提に立ってエントランスをデザインしています。そして、他業種であっても同じ発想でエントランスを考えることは重要です。
ホームページやパンフレットで高い理想を掲げていても、オフィスデザインに矛盾があれば取引先の心は離れていくでしょう。エントランスをデザインする際には、訪問者が受ける印象を大切にする必要があります。
自社がどのようなパブリックイメージを担っていて、何を期待されているかを客観的に考えることが大事です。その上で、世間の期待を裏切らないデザインを追求して具体化することで、社会的信用を得ることも可能になります。
エントランスでコミュニケーションを活性化するPIXAR
フリースペースの設置
クリエイティブな職種の場合は、どうしても社員が単独で作業をする時間が増えてしまいます。その結果、社員同士のコミュニケーションが減り、団結力の低下につながるリスクが考えられます。
そこで、世界的なアニメーション・スタジオであるPIXARはエントランスに工夫を設けました。エントランスにフリースペースを設けて、社員同士がくつろげるようにしています。
また、フリースペースの近くにはカフェがあり、日替わりメニューが人気を博しています。これは強制的に社員同士をつなげるのではなく、自然に会話が生まれる状況を作り出すことを意識した事例と言えるでしょう。
忙しい毎日の癒しをエントランスで
PIXARはエントランスのデザインも非常に開放的です。天井が吹き抜けになっていて、個室での作業により生まれたストレスを解消できる仕組みです。
エントランスは社員なら毎日通る場所であるため、癒し効果があると企業全体の士気は高まっていくでしょう。例えば、クリエイティブ関係で忙しいスケジュールをこなしている企業なら、PIXARから学ぶべきポイントはたくさんあります。
オフィスの中は周囲の目線もあり、ゆっくり休憩しにくいことも多いはずです。そこで、エントランス周辺にフリースペースや憩いの空間を設ければ、社員の気分転換に役立ちます。
アットホームな雰囲気を押し出したグリー株式会社
あえてレトロなビジュアルを取り入れる
ゲームを中心にインターネットの世界で斬新なプロジェクトを次々に立ち上げてきたのが、グリー株式会社です。IT業界のトップランナーだけに、オフィスもスタイリッシュだと予想する人は多いでしょう。
ただ、実際のオフィスは非常にアットホームであたたかみのある空間にデザインされています。特にエントランスは木材を大胆に取り入れ、まるで工房のような空間が広がっています。
あえてレトロなビジュアルを取り入れることで、インターネットと日常生活が融合した世界観を表現している形です。一方で、スクリーンではプロモーション動画を流すなど、テクノロジーのPRも忘れていません。
さりげないオリジナリティがポイント
グリー株式会社のエントランスは白を基調としていて、莫大な情報と向き合い続ける社員の気持ちも癒してくれるでしょう。ただ、無駄のないデザインの椅子や目に入りやすい位置に置かれたスクリーンなどには最先端のセンスが反映されています。
もしもエントランスにオリジナリティを加えたいのであれば、グリー株式会社のようにさりげなくデザインするのがコツです。どれほどユニークなアイデアであっても、強調しすぎると拒絶反応を招きかねません。
目立たせ過ぎず当然のように配置するからこそ、魅力が際立つと言えます。
ユーモアと機能性を両立させたサイボウズ株式会社
入ったらキリンに出迎えられる
少しでも他社との差をつけるために、エントランスで遊んでみたくなる経営者も多いでしょう。例えば、グループウェア開発で知られているサイボウズ株式会社は、エントランスに等身大のキリンの模型を飾っています。
ドアを開けた瞬間、キリンに見下ろされる感覚はかなりのインパクトだと言えるでしょう。ただ、単にふざけているだけでなく、キリンと一緒に自然をテーマにした装飾がなされていて、訪れた人をリラックスさせてくれます。
ミーティング用のデスクと椅子も設けられており、和気あいあいと会話ができる空間になっています。
大切なのはおもてなしの精神
キリンがいるエントランス周辺のスペースは「サイボウ樹パーク」と名付けられていて、来客の待機場所に使われることも少なくありません。
個性的なインテリアに加え、サイボウズの会社案内をしてくれるタブレットもあり、待ち時間も退屈せずにいられます。サイボウズのエントランスが突飛なことをしているのに受け入れられてきたのには、根本に「おもてなし」の精神があるからです。
取引先や顧客を少しでも楽しませたいという心が、さまざまなアイデアへとつながっています。エントランスにユーモアを組み込むときは独りよがりにならず、サービス精神を大切にしましょう。
頑張る社員をエントランスでも応援する株式会社ジーニー
ホワイトボードとソファーを設置
インターネット広告を配信するテクノロジー開発で、多くのクライアントを抱えている企業が株式会社ジーニーです。こちらの会社では、全社員が自由に意見を出せる社風を目指しています。
そのため、社内のあちこちに議論をサポートする設備が取り入れられています。代表的なのは、エントランスにあるホワイトボードとソファーです。広い空間でリラックスしながら、生産的な意見をぶつけあえる構造になっています。
ソファーで雑談していたら偶然良いアイデアが生まれ、仕事につながるような事態も起こりえると言えるでしょう。
社員の要望に耳を傾ける
株式会社ジーニーのエントランスは、「快適な環境で議論をしたい」という社員の声をきっかけにデザインされました。そして、ホワイトボードやソファーが設置されてから、社員同士のコミュニケーションはますます活発化しています。
エントランスをデザインするときは目的をはっきりさせなくてはなりません。そして、その際に考慮したいのが社員の希望です。エントランスをもっとも利用することになるのはほかならぬ社員たちです。
彼らの要望を無視したエントランスを作っても、企業の成長に繋げるのは難しいでしょう。ささいな意見であっても、社員の声には耳を傾けることが大切です。
有名企業のエントランスのデザインには学ぶべき点がたくさん
ゼロからエントランスのデザインをするのは非常に難しいです。そのため、有名企業のデザインを参考にした上で自社に合った形へと修正していくのがおすすめです。特に似た業種、業界で活躍している有名企業からは学ぶべきポイントが多いでしょう。
その上で、訪問者の気持ちや社員にとっての使いやすさを考えることも大事です。
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