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2025.05.27  2025.05.26コラム

グリーンオフィスのメリットとは?企業が取り入れるべき理由と導入方法

オフィスの生産性や快適性を高める手段として注目を集める「グリーンオフィス」。自然を感じられる空間づくりは、業務効率や働く人の満足度にも影響を与えます。この記事では、グリーンオフィスを取り入れるべき具体的な理由と導入方法について、実例や効果を交えながらわかりやすく解説します。

グリーンオフィスとは何か?その基本概念を整理する

自然を取り込んだ空間設計

グリーンオフィスとは、オフィス空間に植物や自然の要素を取り入れ、働く人々の心身の快適性を高める設計手法です。単なる装飾とは異なり、空間の構成や人の動線、視線の抜けなどを意識しながら自然を組み込む点に特徴があります。こうした設計は「バイオフィリックデザイン」とも呼ばれ、自然とのつながりを意識的に取り入れることで、働く人のストレスを軽減し、集中力や創造性を引き出す効果が期待されています。

従来のオフィスレイアウトは、機能性や省スペース化を優先する傾向が強く、無機質で単調になりがちでした。しかし、最近では、社員の働きやすさや心地よさを重視する企業が増えています。その中で、植物を用いたデザインは、視覚的な癒しや空気環境の改善だけでなく、職場における心理的な安心感にもつながる手段として注目されています。

自然光や素材感、音や香りなども含めた多角的なアプローチを採るケースも見られますが、最も導入しやすいのが植物を使った空間演出です。空間の隅に配置するだけでなく、動線上に置いたり、視界に入る範囲に意識的に設置したりすることで、意識せずとも自然を感じられる環境が形成されます。

フェイクグリーンも含めた選択肢

グリーンオフィスを実現するうえで、必ずしも本物の植物を使用する必要はありません。水やりや日照の管理が難しい場所や、人の出入りが少ないスペースには、フェイクグリーンの導入が現実的な選択肢となります。近年のフェイクグリーンは質感や色合いが進化しており、本物と見分けがつかないほど自然な仕上がりのものが多く登場しています。

特に、空調の影響で乾燥しやすい室内や、日照の少ない廊下・エレベーターホールなどでは、フェイクグリーンの方が空間演出の自由度が高くなります。また、衛生管理やアレルギーへの配慮が必要な場所でも有効です。実際に、グリーンのメンテナンスにかける手間やコストを最小限に抑えたいという企業ニーズは多く、導入しやすさという観点からも、フェイクグリーンが重宝されています。

一方で、フェイクグリーンだけでは得られない効果もあります。本物の植物は光合成による空気清浄や湿度調整といった生理的な働きを持つため、それぞれの特性を理解したうえで空間ごとに適切なものを選ぶことが重要です。

グリーンオフィスの設計では、装飾のための配置ではなく、働く人の視点に立った「体感としての自然」が鍵となります。植物を通じて、視覚的・心理的に快適な空間を提供することで、働き方そのものに良い影響を与える土台が整えられます。

なぜ今、グリーンオフィスが注目されているのか

働き方の変化とウェルビーイングへの関心

近年、働く環境に対する意識が大きく変化しています。以前は、効率や生産性の向上を最優先とするオフィス設計が主流でした。しかし、働き方改革の推進やテレワークの拡大に伴い、オフィスの役割そのものが見直されるようになりました。その結果、単なる作業空間としての価値だけではなく、心身の健康や快適性を重視した設計が求められるようになっています。

こうした背景から注目されているのが、グリーンオフィスです。植物を取り入れた空間は、視覚的な癒しを提供し、働く人の気持ちに余裕をもたらします。無機質なオフィスに自然を取り込むことで、ストレス軽減や心理的安全性の向上が期待されているのです。特に、出社と在宅を併用する働き方が一般化した現在、オフィスで過ごす時間の質を高めるための取り組みとして、グリーン要素の導入が選ばれやすくなっています。

加えて、健康経営への注目が高まっていることも見逃せません。企業が従業員の心身の健康を重視し、長期的な活躍を支える環境整備を進める中で、自然を取り込んだオフィスづくりはその一環として受け入れられています。単にデザイン性を追求するのではなく、働く人の体験価値を重視する流れの中で、グリーンオフィスの意義がより明確になりつつあります。

企業価値やブランドイメージとの関係

グリーンオフィスは、従業員だけでなく社外へのアピールにも有効です。環境配慮型のオフィスは、来訪者に対して好印象を与えるだけでなく、企業の姿勢を視覚的に伝える手段としても機能します。サステナビリティへの意識が高まる中、空間の設計や運用にも「環境に配慮しているか」という視点が求められるようになっています。

企業が環境負荷の軽減に取り組む姿勢は、採用や広報、取引先との信頼関係構築においても重要な要素です。オフィスにグリーンを取り入れるという行為自体が、外部に対して価値観や理念を発信する一つの手段となります。たとえば、受付や会議室、共有スペースに設置された植物は、自然との共生を象徴する存在として機能し、企業の文化や方針を体現する役割を果たします。

また、持続可能な経営を目指す企業にとって、グリーンオフィスは理念と実行を結びつける実践的な施策でもあります。紙の使用削減や再生素材の活用などと同様に、植物を用いた空間設計は、企業としての取り組みを具体的なかたちで示す場となり得ます。こうした取り組みは、社内外の評価に直結する要素として、今後ますます重視されていくでしょう。

実際に得られる効果とは?グリーンオフィスのメリット

従業員の心理的効果

オフィス内に植物を取り入れることで、視覚や感覚に与える刺激が変化し、働く人の心理に良い影響を与えるといわれています。自然に近い色味や有機的な形状は、脳にとって心地よく感じられる要素であり、緊張や不安を和らげる効果が期待されます。特に、目に触れる頻度が高い場所にグリーンを配置することで、無意識のうちにリラックスした状態が生まれ、集中力を持続しやすい環境が整います。

また、自然を感じられる空間では、気持ちの切り替えがしやすくなり、業務のメリハリがつけやすくなる傾向があります。例えば、会議室や休憩スペースに植物を配置することで、緊張を緩和し、アイデアを出しやすくするような効果が期待できます。こうした工夫は、業務のパフォーマンスを高めるだけでなく、従業員満足度の向上にもつながる重要な要素です。

職場のコミュニケーション活性化

オフィスにおけるコミュニケーションは、業務の円滑な進行だけでなく、組織の一体感や協調性の醸成においても重要な役割を担っています。グリーンのある空間では、社員同士の会話や交流が自然と生まれやすくなり、形式ばらないやり取りが促進されます。植物の配置が、空間にやわらかさや開放感をもたらすことが、心理的な距離を縮める効果をもたらすためです。

例えば、執務スペースの間仕切りに植物を使うことで、圧迫感を軽減しながら視線を遮り、落ち着いた雰囲気を演出できます。その一方で、視界が完全に遮られないことから、声をかけやすい距離感を保つことができ、業務上の連携もしやすくなります。空間設計とグリーンの活用を組み合わせることで、職場内の自然な会話が生まれる場づくりが可能になります。

コミュニケーションの質は職場の雰囲気に直結するため、無意識のうちにストレスを軽減し、ポジティブな関係性を育む土壌をつくる点で、グリーンオフィスは有効な選択肢です。

対外的な印象と来客対応への効果

企業にとって、オフィス空間は外部との接点でもあります。来客時の第一印象を左右する受付やロビーにおいて、グリーンを活用した空間演出は、訪問者に対して洗練されたイメージや清潔感、親しみやすさを与える効果があります。装飾ではなく、戦略的にデザインされた自然要素は、企業の価値観や姿勢をさりげなく伝えるメッセージとなり得ます。

また、面接や打ち合わせの場で自然を感じる空間に身を置くことで、緊張を和らげる効果が生まれやすく、スムーズな対話が行える環境が整います。企業としての配慮やホスピタリティが空間に現れることで、信頼感のある対応を印象づけることにもつながります。

グリーンオフィスは、社内環境の充実にとどまらず、社外に向けたブランディングの一環としても有効に機能します。来訪者に与える印象を意識することで、空間の持つ価値がさらに高まります。

フェイクグリーン vs. 本物の植物:導入の選び方

維持管理の観点から見る違い

グリーンオフィスを検討する際に、最初に直面するのが「本物の植物」と「フェイクグリーン」のどちらを導入すべきかという選択です。それぞれに利点があり、導入環境や目的に応じた判断が求められます。

本物の植物は、成長や変化を楽しめることが大きな特徴です。葉の色づきや季節ごとの変化は、空間に生命感を与え、自然とのつながりを日々感じさせてくれます。また、空気中の湿度を調整したり、心理的な安心感をもたらす要素としても重宝されます。ただし、これらのメリットを活かすには、適切なメンテナンスが不可欠です。水やりや剪定、肥料の管理などに一定の手間がかかるため、導入後も継続的な管理体制が整っていることが前提となります。

一方、フェイクグリーンは、維持にかかる手間がほとんどありません。土や水を使わず、虫の発生や病気のリスクもないため、清潔な状態を長期間保つことができます。また、設置場所を選ばず、照明や空調の影響を受けにくい点も特徴です。衛生面での配慮が求められる場所や、人の出入りが少ない空間でも安定した美観を保てるため、実用性を重視する企業から支持を集めています。

空間・設置環境による向き不向き

本物の植物とフェイクグリーンは、それぞれに適した設置環境があります。たとえば、自然光が十分に入る場所であれば、本物の植物が持つ成長の魅力を最大限に活かせます。明るく風通しの良い空間では、植物が健康に育ちやすく、空気の流れとともに空間全体が自然な印象になります。こうしたエリアには、観葉植物や中型サイズの鉢植えを配置することで、存在感をもたせることができます。

一方で、日光が届かない場所や温度・湿度の変化が激しい場所では、フェイクグリーンの導入が適しています。たとえば、地下フロアの会議室や日射しの入りにくい通路、または空調の影響を受けやすいエントランスなどでは、本物の植物の管理が難しくなります。こうした条件下でも安定した見た目を保てるフェイクグリーンは、環境に左右されずに導入できるメリットがあります。

また、空間のデザインやブランドイメージとの整合性を重視する場合には、素材や造形にこだわったフェイクグリーンを選ぶことで、統一感のある空間演出が可能になります。日本国内でも高品質なフェイクグリーンを取り扱う専門メーカーが増えており、オフィスの用途や雰囲気に合わせた提案を受けることができる点も導入を後押ししています。

本物とフェイク、それぞれの特性を理解し、空間ごとに最適なグリーンを選定することが、グリーンオフィスを成功させる鍵となります。

導入時の具体的なステップと注意点

社内ニーズのヒアリングと課題整理

グリーンオフィスの導入を進める際には、まず現場の声を丁寧に拾い上げることが欠かせません。見た目の美しさやトレンドだけで設計を進めてしまうと、使い勝手や維持面で後悔が残る可能性があります。部署ごとの業務内容やフロアごとの利用目的を把握したうえで、どこにどのような植物が必要とされているのかを整理することが第一歩です。

たとえば、集中作業が求められるエリアでは、静かな環境を妨げない配置が重要になります。一方、コミュニケーションを促進したいエリアでは、開放感や視線の抜け感を意識したグリーンの配置が効果的です。社内の声を反映するプロセスを丁寧に行うことで、導入後の満足度や定着率が大きく変わります。

ゾーニングと設置場所の計画

ニーズが明確になった後は、ゾーニングと導線設計を踏まえた配置計画が必要です。植物をただ置くだけでは効果は限定的です。空間の機能性や動線を妨げず、かつ視線や空間のリズムに変化を与えるように意識することで、グリーンの存在が自然と空間に馴染みます。

ゾーニングとは、目的に応じて空間を使い分ける考え方です。たとえば、来客対応を行うエリアには視覚的なインパクトを意識した大型の植物を選び、執務エリアでは個人の集中を妨げないコンパクトなグリーンを選ぶといった設計が有効です。また、避難経路や消防設備に干渉しないよう、法的な制約や安全面も事前に確認しておく必要があります。

設置時には、天井の高さ、床材の質感、空調の向きなども踏まえた検討が求められます。細かな要素の積み重ねが、結果として全体の完成度を左右します。

導入後の運用ルールの整備

植物を導入したあとに重要なのが、維持と運用に関するルール作りです。最初はきれいに整えられていた空間も、日々の管理が行き届かなくなると印象が悪化してしまいます。特に本物の植物を導入した場合は、水やりや清掃のルールを明確にし、担当者を定めておく必要があります。

また、季節の変化や社内の移動に応じて、配置を見直す柔軟性も求められます。フェイクグリーンであっても、ホコリの蓄積や色あせに気づかずに放置されると、逆効果となる可能性があります。グリーンは「置いたら終わり」ではなく、「空間と共に育てる」意識が必要です。

このような運用に関しては、総務や環境整備を担うチームが中心となり、定期的なチェック体制を組むことが有効です。また、植物の種類や配置によっては、専門業者による定期メンテナンスを取り入れることも選択肢となります。日本国内では、オフィスグリーンの設計から保守まで一貫して対応できる企業も複数存在しており、そうした外部リソースの活用も検討に値します。

国内企業の活用事例と傾向

大手から中小まで広がる導入実績

グリーンオフィスの導入は、従来は一部の大手企業に限られている印象がありました。しかし、現在では中小規模の企業でも積極的に取り入れられるようになっています。その背景には、グリーンの設置が単なる空間演出にとどまらず、働く環境を根本から見直すための手段として位置づけられるようになった変化があります。

たとえば、執務スペースの一角にグリーンを集中的に配置するケースや、エントランスに自然素材を取り入れるなど、限られたスペースでも効果的な活用が可能になってきています。導入にあたっては、最初から全社的に取り入れるのではなく、まずは一部の部署や共用スペースからスタートし、段階的に広げていくスタイルを採用する企業も増えています。このような柔軟な取り組み方が、グリーンオフィスの普及を後押ししています。

また、予算面や管理体制に不安を感じる企業でも、フェイクグリーンやリースサービスを活用することで、初期負担を抑えつつ導入のハードルを下げることが可能です。日本国内では、設計から保守まで一括対応できる業者が複数存在しており、そうしたパートナーと連携することで、継続的な運用が実現しやすくなっています。

社員満足度と離職率への好影響

企業がグリーンオフィスの導入を進める目的のひとつに、従業員の働きやすさ向上があります。実際に植物を取り入れた空間で業務を行うことで、社員のストレス軽減や集中力の維持につながるという感覚を持つ人が多くいます。空間に自然の要素があることで心理的な圧迫感が軽減され、職場で過ごす時間そのものに対する印象が変わるという声も見られます。

こうした環境の変化は、社員の満足度やエンゲージメントの向上にもつながります。心地よく働ける環境が整えば、自発的な行動やコミュニケーションの質も変化し、結果としてチーム全体のパフォーマンスにも影響を及ぼします。さらに、職場環境が理由での離職を防ぐ効果も期待されており、採用・定着という観点からも、グリーンオフィスの価値が見直されています。

採用活動においても、職場の雰囲気や働きやすさが重視される傾向が強まっています。会社訪問や面接の場で、自然が感じられる空間があることは、応募者にとって好印象につながりやすくなります。企業文化を可視化する手段として、グリーンの活用は極めて有効です。

こうした背景から、今後も企業規模を問わず、グリーンオフィスへの関心はさらに高まっていくと考えられます。業種や職種にかかわらず、快適で魅力ある職場づくりを目指す企業にとって、有力な選択肢の一つとなりつつあります。

まとめ:導入の成否を分けるのは“目的意識”

空間づくりの目的を明確に

グリーンオフィスの導入は、単に植物を配置することでは完結しません。重要なのは、その空間を通じて何を実現したいのかを明確にすることです。リラックスできる環境を整えたいのか、社員同士の交流を促進したいのか、あるいは企業の姿勢を外部に伝えたいのか。その目的によって、選ぶ植物の種類や設置場所、演出方法は大きく異なります。

本来、空間は業務の性質や組織の文化と深く結びついているものです。そのため、形式的に取り入れるだけでは期待する効果は得られません。誰のために、どんな環境をつくるのかという視点を持つことで、導入の方向性が具体化されます。

継続可能な仕組みに落とし込む

もう一つの鍵は、導入後も継続して活用される仕組みを整えることです。最初の見た目にこだわるだけでなく、時間の経過とともに変化する組織や働き方に対応できる柔軟性が求められます。維持管理が属人化しない体制や、環境変化に応じた配置の見直しを行うなど、仕組みとしての運用設計が不可欠です。

グリーンオフィスを単なる「流行」や「装飾」で終わらせず、働く環境の質を向上させる手段として位置づけることで、導入の意味はより深まります。持続性と目的意識を軸に据えた取り組みが、グリーンオフィスを成功へと導きます。