2020.11.30 2020.12.01オフィスデザイン
居抜き物件を利用する前に!注意したい3つのポイント
オフィスの移転を検討している企業にとって、以前の借主が使用していたオフィス家具やオフィス機器などをそのまま使える居抜き物件は、移転のコストを節約できるため非常に魅力的な存在です。もっとも、居抜き物件にはメリットだけでなく、注意しておかなければならない注意点もいくつかあります。以下ではそれらについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
事前に貸主としっかり相談しておくこと
居抜き物件を借りる際には、貸主との間でオフィスの利用条件をしっかりと話し合って、必要に応じて賃貸借契約書に明記しておく必要があります。
条件があいまいなまま契約してしまうと、後になって思わぬトラブルになりかねませんので、通常のオフィスを借りるとき以上に契約内容は入念に詰めるようにしましょう。
では、具体的に、貸主とどういった点について相談しておけば良いのでしょうか。順を追って見ていくことにしましょう。
原状回復の義務
オフィスの借主は、退去時に自らが持ち込んだオフィス家具やオフィス機器を撤去したり、変更したレイアウトを元に戻すのが原則です。
これは原状回復義務と呼ばれる借主の義務なのですが、居抜き物件の場合には、
前の借主の残置物をそのまま引き継ぐため、自分が出ていく際にそれらの扱いをどうするかについて貸主との間でしっかりと協議して決めておく必要があります。
もし、前の借主が残して行ったものなども含めて原状回復しなければならないというのであれば、そのために余計なコストがかかってくる可能性があるため、それを前提に契約する必要があるでしょう。
オフィスのレイアウト
次に、居抜き物件を借りる際には、あらかじめ貸主に対して、以前の借主が使っていたレイアウトのままにしておくように伝えるようにしましょう。
この点についての借主とのコミュニケーションがしっかりとできていない場合には、
以前の状態のまま借りられると思っていたら、貸主が手を加えてレイアウトがすっかり変わってしまっていたという事態になりかねません。
また、貸主としては、クリーニングの要否なども気になるところですので、もしそれも不要であるというのであれば、明確にその旨を意思表示するようにしましょう。
クリーニング業者が入るとレイアウトが変わってしまったり、残置物が破棄されてしまったりするためです。
責任範囲
加えて、前の借主の残置物の所有権を引き継げるのかや、万が一、それらが壊れていた場合に貸主と借主がそれぞれどういった責任を負うのかについても、しっかりと相談しておくようにしましょう。
基本的には、残置物については貸主の責任を問えないのが原則ですが、自分のものになったと思って使っていたら、後で返却を求められてビックリするといったことのないように、所有権の扱いだけでも明確にしておくと良いでしょう。
自分の理想のオフィスを実現できるのか
続いて、居抜きオフィスを利用する際には、自分が考えている理想のオフィスを実現できるかどうかをしっかりと確認しておく必要があります。
元のオフィスレイアウトが完全に自分の理想と一致するというのであれば、特に問題はありませんが、少しでも手を加える必要があると考えているのであれば、本当に手を加えて自分が希望するオフィスが出来上がるのかをよく検討しなければなりません。
オフィスデザイナーを活用すること
オフィスのレイアウト変更を考える際には、なるべくであればオフィスデザイナーに相談するのがおすすめです。
素人が漠然としたイメージだけで考えていると、どうしても無理な設計になりがちですし、場合によっては現実的ではないプランになってしまうおそれもあります。
特に居抜き物件の場合には、もとのレイアウトをベースにしなければならないため、一からオフィスのレイアウトを構築するケースと比べて自由度が低い分、専門的な知識がないと思うようなオフィスを作り上げるのは難しいのです。
デザイナーを雇うためにはもちろんコストがかかりますが、それによって理想のオフィスが手に入るのであれば、必要経費であるとみなしてよいでしょう。
他のオフィス事例も参考にしよう
一目ぼれして居抜き物件を借りるのは非常にリスキーです。一見すると素晴らしいように見えるレイアウトであっても、実際にそこに入居してみると、意外と使い勝手が悪くて後悔するというケースは少なくありません。
そのような事態に陥らないようにするためには、事前に様々なオフィス事例を見比べて、自分にとっての理想のオフィスがどういったものであるのかというイメージをきちんと固めておくことが大切です。
自分の中で具体的なイメージが出来上がっていて、居抜き物件の仕様がそれにマッチするのであれば、そこを借りても大きな問題は生じないはずですが、そうでないならすぐに契約するのは思いとどまった方がよいかもしれません。
オフィス家具やオフィス機器の注意点
居抜き物件を借りる際に、前の借主が使っていたオフィス家具やオフィス機器も引き継ぐことになっている場合には、その仕様についてもしっかりと確認しておく必要があります。
例えば、年式が古いコピー機やプリンターを引き継ぐと、性能が悪くて業務に支障を来してしまうおそれがありますし、室内のライトが蛍光灯のままだとLED電球と比べて電気代が高くなりかねません。
もし引き継ぎたくないものがあるのであれば、契約前に貸主に言って撤去してもらったり、自分が望むものと交換してもらうようにしましょう。
退去時のことも考えておこう
では、最後に居抜き物件の退去時の注意点について触れておきます。
退去時には原状回復するのが原則
前述の通り、居抜き物件を借りた場合であっても、退去時には原状回復を求められるのが原則です。ここで注意しなければならないのが、原状回復は退去する前に完了しておかなければならないという点です。
居住用の住宅の場合には、退去してから原状回復を行うのが一般的であるのに対し、オフィス用の賃貸物件の場合には先に原状回復を行わなければなりませんので、この点をしっかりと頭に入れておくようにしましょう。
原状回復のための期間
退去を決めた場合には、いきなり貸主に契約解除を申し出るのではなく、まずは原状回復にどの程度の期間を要するのかを確認しなければなりません。
居抜き物件で手の込んだレイアウトになっているような場合には、原状回復に2、3か月かかる可能性があるのですが、その期間を無視して先に解約を申し出てしまうと、退去日までに原状回復を完了できなくなるおそれがあるためです。
そのような事態を回避するためには、はじめにオフィスの原状回復を請け負っている業者に相談するのがポイントです。
だいたいどれくらいの期間が必要であるかを確認した上で、その期間を十分に確保できるように、貸主と退去日について調整するとよいでしょう。
再度居抜き物件として貸し出せるのか
居抜き物件として借りた物件を、さらに居抜き物件として貸し出すのであれば、原状回復はしなくてもよいということになります。
もっとも、どのように貸し出すかどうかは、あくまでも貸主の意向次第ですので、過度に期待すべきではありません。いくら借主が希望しても、貸主が応じてくれなければ原状回復は避けられないのです。
居抜き物件は注意点を理解した上で借りるようにしよう
以上で見てきたように、居抜き物件を借りる際には、注意しなければならない様々なポイントが存在します。
もっとも、それらの注意点はいずれも工夫次第でクリアできるものがほとんどですので、それによって居抜き物件の賃貸を断念する必要はありません。
ポイントをしっかりと理解した上で、居抜き物件をうまく活用すれば、理想のオフィスを手に入れられるでしょう。
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