2021.06.28 2022.05.03オフィスデザイン
小規模オフィスのメリット・デメリット!デザインポイントと施工事例
「小規模なオフィスのデザインに悩んでいる」「狭いオフィスの空間をうまく使いたい」以上のような悩みや課題を抱えていないでしょうか。そこで本記事で、小規模オフィスのメリットやデメリットを解説します。
また小規模オフィスをデザインするポイントや施工事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。なお本記事においては、小規模オフィスとして「従業員数5〜10名程度と床面積15〜20坪程度」を想定しております。
小規模オフィスのメリットとデメリット
小規模オフィスにはメリットもデメリットもありますので、事前に把握しておくとオフィスデザインしやすくなります。小規模オフィスを基準にしながら、開設や移転をするオフィスの規模を検討しましょう。
メリット①賃料が安い
小規模オフィスの大きなメリットは、大規模なオフィスに比べると賃料が安いことです。一般的に物件の賃料は築年数や面積、立地、間取りなどに左右され、規模が小さければ安くなります。
また敷金や礼金などの初期費用を抑えられるため、少ない資金でオフィスを確保できる点も魅力的です。賃料が安ければ月々のランニングコストの抑制につながるので、企業の収益確保にも効果を期待できます。
メリット②従業員同士がコミュニケーションしやすい
小規模オフィスでは従業員同士が声の届く範囲内で働いていますので、コミュニケーションしやすいです。自席にいたままで会話ができると手間暇を省けるだけではなく、業務の進捗を確認しやすいため作業効率アップも期待できます。
一方で30坪以上のフロアに30名以上の従業員が働いているオフィスでは、遠くで働いている従業員同士がコミュニケーションするために席を移動する必要が生まれます。関係する従業員だけが会議するためには、集合する手間と空間が必要になります。
メリット③一貫性のある内装をデザインしやすい
小規模オフィスは限られた空間内の素材や配色を決めればよいので、一貫性のある内装をデザインしやすいです。また用意するオフィス家具やオフィス機器が少ないため、レイアウトしやすくなります。
例えば壁面や家具をアースカラーにして、フリーアドレスを導入してシンプルな動線を設計すると、機能性とリラックス効果の統一されたオフィスをデザインできます。またオフィス家具の発注数が少なければ、「必要な個数だけ業者に在庫がなかった」というトラブルが起きにくいです。
デメリット①パーソナルスペースが狭くなる
小規模オフィスのデメリットとして、パーソナルスペースが狭くなりがちです。個人差がありますが、快適なパーソナルスペースは1-3m以内です。また業種や業態によって作業内容が異なりますが、一般的なオフィスワークに必要な作業スペースは従業員1人当たり6㎡以上です。
しかし小規模オフィスの空間は限られているため、必ずしも作業スペースやパーソナルスペースが十分確保できるわけではありません。ABWやテレワークなどによる働き方改革と、フリーアドレスや個人用ブースなどのオフィスデザインを検討する必要があります。
デメリット②間仕切りすると狭苦しく感じる
作業スペースや会議スペースを確保するために小規模オフィスに間仕切りを設けると、圧迫感や狭苦しさを感じる場合があります。中規模や大規模のオフィスに比べると、「開放感を保ちつつ作業スペースも確保したい」「休憩スペースとワークスペースを確保したい」などの要望を両立させるづらいです。
そこで最もオフィスデザインに優先度をつけて、妥協や削除できる部分を見つけましょう。また建具や壁、天井などの内装を工夫することで、開放感や安心感を演出できる場合もあります。
デメリット③収納スペースを確保しづらい
小規模オフィスは空間が限られることから、収納スペースを確保しづらいです。オフィス家具の新調を検討したくても、配置場所に限りがあります。上記の間仕切りを設置すると、なおさら収納スペースが足りなくなります。
収納スペースを確保するためには、デスクやコピー機などの什器・機器の大きさと数を考慮する必要があります。収納スペースを確保するポイントを後ほど紹介します。
小規模オフィスをデザインするときのポイント
小規模オフィスの空間は限られているため、中規模・大規模オフィスとは異なるデザインが求められます。小規模オフィスをデザインするときのポイントを押さえて、従業員が快適に作業できる空間を提供してください。
初めにデザインコンセプトを設計する
オフィスをデザインするときは、初めにコンセプトを設計します。オフィスデザインを通して発信したい情報(企業理念や商品・デザインの魅力など)や施工したい機能を明確にしてください。例えば「アットホームな社風を表現したオフィス」「環境関連事業を宣伝するためにアースカラーを取り入れたオフィス」などのデザインコンセプトを打ち出しましょう。
ただ漠然と「おしゃれなオフィスにしたい!」といっても、内装の配色やオフィス家具の配置などによってデザインは大きく変わります。またデザイン性の高いオフィス家具や機器だけを集めても統一感がないため、発信したい情報が伝わりにくいものです。
家具やパーテーションの大きさや配置を工夫する
オフィス家具やパーティションの大きさや配置を工夫することも必要です。特にオフィス家具はオフィス内のスペースを広く使うので、デザイン性や配置によって空間の印象が大きく変わります。
パーテーションを用途を考慮しないで価格だけで選んでしまうと、「視線が気になる」「防音性がない」などの不具合が発生する可能性があります。設置目的に応じて、素材や配色、可動性などを検討してください。
オフィス機器・備品の大きさや配置も工夫する
オフィス家具やパーテーションと同様に、オフィス機器・備品の大きさや配置も工夫して、業務効率化や動線確保を図りましょう。例えばコピー機の位置を検討するときには、利用頻度の高い部署や部署内の共有スペース付近に配置してください。
またオフィス機器・備品の大きさや配置について、事前に従業員にヒアリングすることも有効です。現場で実際に利用する従業員の要望を反映させることで、使いやすいオフィスをデザインできるからです。
必要な収納スペースを確保する
小規模オフィスであっても工夫次第で必要な収納スペースを確保できます。具体例として新たなオフィス家具を購入するのではなく、パーテーションや机、壁などに収納ポケットやラックを付ければ雑誌やパンフレットなどを収納できます。
また収納棚をパーテーションとして配置する方法があります。高さのある収納棚やキャビネットで空間を仕切れば、周りの視線を遮断できます。なお連結が可能な収納棚であれば幅や高さを自由に調節できるため、スペースの利用目的に応じて配置することが可能です。
内装や設備の色彩効果を利用する
内装や設備の色彩効果を利用すれば狭い空間から感じる圧迫感を軽減できますので、下記の色の種類を把握しておきましょう。
- 進出色(飛び出して見える色)ー暖色系の色(ピンクや黄色など)や明度の高い色(明るい赤や白など)
- 後退色(引っ込んで見える色)ー寒色系の色(青系や黒系など)や明度の低い色(濃い茶色、黒など)
色の種類を踏まえて、オフィス家具・機器を選ぶときには壁や床と調和する色やホワイト系カラーやパステルカラーを選んでください。また床や壁の色を白や明るめのグレー、パステルカラーにすることで空間を広く演出できます。さらに執務スペースの色を寒色系にすることで奥行きを出すことができますので、色彩効果を利用しましょう。
利用頻度の低い什器や設備を置かない
小規模オフィスの限られた空間やスペースを有効活用するために、利用頻度の低い什器や設備をできるだけ置かないでください。特にデッドスペース(利用されていない空間)を見直すと、快適なオフィスをデザインできます。
デッドスペースを活用すると、リフレッシュスペースや会議スペース、ワークスペースなどを確保できます。オフィスデザイン段階で利用頻度が低い什器・設備が含まれないように気をつけてください。
小規模オフィスのデザイン事例
小規模オフィスをデザインするポイントを押さえたら、実際の施工事例を調査しながら理想のオフィスをイメージしましょう。IDEALが施工を担当した小規模オフィスのデザイン事例をご紹介しますので、参考にしてください。
可動式の間仕切りを施工した小規模オフィス
株式会社パルディア様は、オフィスの増床に加えて風通しの良いオフィスをデザインされました。何かとコミュニケーションが希薄になりがちな現代だからこそ、社員同士が互いの表情を把握しやすくしたいという狙いがありました。
小規模オフィスながらカフェエリアや会議エリア、フリーエリアをレイアウトするために、利用人数に応じたスペースを確保できる可動式の間仕切りを施工しました。用途を固定しない空間デザインがポイントです。
コワーキングスペースとして利用される小規模オフィス
株式会社テス・デザイン様は、「お洒落なカフェラウンジ」をイメージしてオフィスをデザインされました。執務室や会議スペースは木の温もりを感じさせる配色が特徴的で、スタジオと対照的です。
スタジオは、同社に所属するインフルエンサーのライブ配信に使用されています。ライブ配信に使用されない時間帯にはコワーキングスペースとして利用ですることで、空間を有効活用しています。
顧客と従業員が落ち着いて対話できる小規模オフィス
法律事務所あかつき様は、顧客の相談しやすい空間をデザインされました。内装の仕上げと照明・家具の選定にこだわり、特に待合スペースを広くしてカフェのような家具を配置してあります。
また従業員の動線にも配慮して、空間を最大限利用できる間取りにしてあります。執務室を奥まったスペースに配置して、全体的に木目調や白の色合いを採用することで、従業員が落ち着いて作業できる空間を確保しています。
ABWを導入した小規模オフィス
株式会社影山鉄工所様は、作業所兼倉庫を前面リニューアルされました。同社の事業を表現した「SPARK(火花)」をコンセプトにした情熱と想いの交差するオフィスデザインです。1階に新設されたテーマパーク「アイアンプラネットベースオブ沼津」は、鉄鋼溶接の魅力を伝えています。
2階のオフィスゾーンにABWを導入することで、業務効率化や良好なコミュニケーションを促しました。また食堂やカフェ、ユニバーサルトイレを設置して、社員の執務環境の向上を図りました。
仕切りのない開放的な小規模オフィス
株式会社明治クッカー様は、「業界のイメージを変えたい」「若いひとたちの就職先として選ばれる企業にしたい」という想いからオフィスをリニューアルされました。大人数で利用できるように、仕切りのない開放的な空間をデザインです。
また配達後の従業員がリラックスして過ごせるように、木のあたたかさを感じるオフィスをデザイン。カウンター席を配置することで、景色を眺めながら気持ちを落ち着けることが可能です。
工夫次第で機能的で快適な小規模オフィスをデザインできる
小規模オフィスは限られた空間ですから、スペースを有効活用しながらデザインすることがポイントで。デザインコンセプトに基づいてオフィス家具と機器を選定・配置して、内装の配色や収納スペースを工夫することで、機能的で快適なオフィスをデザインできます。
IDEALは小規模オフィスを始めとするオフィス全般のコンセプト設計から内装デザインや工事、資金調達、Web集客までをワンストップソリューションとしてご提供しています。
オフィスの開設や移転、リニューアルなどにお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。