2021.07.02 2021.06.24コラム
オフィスの緑視率が向上すると業務効率が上がるって本当?
「オフィスの内装って、緑視率を意識するべきでしょうか?」
「緑視率を上げることで、業務効率が良くなるのは本当でしょうか?」
というお客様への記事です。
この記事で伝えていること↓
・オフィスと緑視率の関係性
・効果的に緑視率を高める方法
これまで数多くのオフィス作りに携わった、TRUSTオフィス(の中の人)が、どこよりも分かりやすくお伝えしていきますね。
先に冒頭の質問にお答えしましょう。
緑視率を意識したオフィスであればあるほど、業務効率がUPする、というのは本当です。
緑を計画的に取り入れることで「業績が上がった」という企業も少なくありませんよ。
かと言って、ただ闇雲に緑を取り入れるだけでは、効果を実感できません。
より効果を実感するには、視界に入る”緑の割合”が重要なのです。
ここから先は『緑視率の重要性と、効果の高め方』について解説していきますよ。
お客様には「オフィスに緑を取り入れるべきことの重要性とその方法について、きちんと理解している人」と、なっていただきますね。
目次
緑視率とは
『緑視率』(りょくしりつ)とは、視界に占める緑の割合を指します。
オフィスで望ましい緑視率は、10%〜15%と、されています。
具体的に言いますと「視界の中の左右120度と、奥行き5メートルの範囲に占める緑の割合を、10%〜15%にしましょう」という考え方になります。
緑視率が10%〜15%となる環境で作業すると、ストレスが軽減され、パフォーマンスがUPする、と数多くの調査で明らかになっています。
逆に緑視率が15%以上あると、プラスの効果が実感しにくくなります。
そのため「緑が多ければ多いほど、業務効率が上がる」という訳ではないのです。
緑被率との違い
似たような言葉で『緑被率(りょくひりつ)』という言葉があります。
緑被率とは、屋外において、どのくらい緑に覆われているか、を示す数値になります。
たとえば
・樹林
・草地
・農地
・園地
など。
要するに「土地が、どのくらい緑に覆われているか」を、示しているのが『緑被率』になります。
おもに空中写真などから測定されることが多いです。
緑被率=外の土地面積における緑の割合
緑視率=屋外、屋内関係なく視界に入る緑の割合
と覚えておきましょう。
オフィスの緑視率が高いと、なぜ作業効率が上がるのか
緑視率を意識することで、作業効率が上がるとされる理由は「緑が人に与える効果を、効率よく実感できる」とされるからです。
具体的には、以下の効果が得られます↓
・ストレス軽減
・空気清浄効果
・疲労回復効果
それぞれ分かりやすく解説していきましょう。
緑視率が高いとこんなメリットがある①ストレス軽減
作業効率が上がる1つ目の理由は、緑がストレスを軽減する効果を持つため、という点。
緑がストレス軽減につながる理由は『コルチゾール』というホルモンの分泌を、抑える効果が期待できるからです。
『コルチゾール』とはストレスホルモンと言われているホルモンのこと。
また、視界の中に緑があると
・心拍数を抑えられる
・精神的ストレスを抑えられる
といった効果があることが分かっています。
これらの効果を『グリーンアメニティ効果』と呼びます。
緑=癒やしの効果が期待できるとされているのです。
緑視率が高いとこんなメリットがある②空気清浄効果
2つ目は、緑には空気清浄効果がある、という点です。
緑に空気清浄効果があることは、NASAの研究結果で分かっています。
空気清浄効果があると、なぜ作業効率が上がるのか。
その答えは、空気中の有害物質を分解することが関係しています。
空気中の有害物質を分解することで、
・頭痛
・めまい
・倦怠感
・ダルさ
などの症状を抑えることにつながります。
緑があることで「ベストなコンディションを維持しやすくなる」ということですね。
身体は資本です。
身体の調子が良くないと、ベストなパフォーマンスは実現しにくくなります。
緑視率が高いとこんなメリットがある③疲労回復効果
3つ目は、疲労回復効果によって、作業効率が上がる、という点です。
オフィスに緑を置くことで、ストレスだけでなく、疲労回復効果も期待できると、されています。
この効果については、2021年の職業能力開発総合大学校の研究結果で発表されています。
とくに疲労回復効果が大きいのは、目、とされています。
パソコン作業が多い業務でしたら、なおのこと緑視率を意識した内装にするべきでしょう。
オフィスにおける緑視率を高める方法
緑視率は、高ければ高いほど良いというわけではありません。
視界に入る緑の割合が、10%〜15%保てるよう意識しましょう。
その上で、オフィス内の緑視率を高める方法は、次のとおりです↓
・観葉植物を取り入れる
・壁や天井に緑を取り入れる
・緑に触れやすい環境にする
それぞれ解説していきますね。
オフィスでの緑視率UPの方法①観葉植物を取り入れる
1つ目に挙げる方法は、観葉植物です。
オフィスに観葉植物を置く際は、手軽にメンテナンスできるタイプを選ぶといいでしょう。
たとえば
・サボテン
・多肉植物
・サンセベリア
・ベンジャミン
・アグラオネマ
など。
”管理のしやすさ”は、観葉植物を選ぶ上で重要な点です。
デリケートな植物ですと、お世話が大変になります。
最悪、お世話に手間がかかり、業務に支障をきたすこともありますからね。
手間がかからない、管理しやすい観葉植物を取り入れましょう。
オフィスでの緑視率UPの方法②壁や天井に緑を取り入れる
2つ目は、壁や天井に緑を取り入れる、というやり方です。
具体的に言いますと、壁を植物で覆うように”壁面緑化”する、ということです。
壁面緑化は、GAFAを含め、多くの企業やカフェなどで取り入れられています。
「大型の観葉植物なんか置けない」
「スペースが限られるので、デスクの上に植物は置けない」
というオフィスに最適なやり方でもあります。
もし難しければ、壁全面を緑で覆う必要はありません。
一部分だけでも良いので、取り入れてみましょう。
オフィスでの緑視率UPの方法③緑に触れやすい環境にする
3つ目は、緑に触れやすい環境にする、というやり方です。
具体的に言いますと「バイオフィリックデザインにしてみる」ということです。
はじめから、内装デザインに「自然そのものを取り入れる」という考え方になります。
バイオフィリックデザインにすることで、緑と自然の光にあふれたオフィスになるでしょう。
自然があふれたオフィスになると、緑に触れやすい空間になります。
ですが、冒頭でもお伝えしたように「緑の割合が多ければ良い」というわけではありません。
緑視率のバランスを考慮しつつ、たとえば
・リフレッシュルームを緑いっぱいにする
・フリースペースを緑いっぱいにする
といった工夫が必要でしょう。
まとめ:オフィスに緑視率を上手に取り入れて業務効率UPを図ろう
「オフィスに緑視率を取り入れると、本当に効率が上がるのでしょうか」というお客様へ、緑視率の効果と、正しい取り入れ方についてお伝えしました。
繰り返しますが、オフィス環境や雰囲気を良くしたいのであれば、緑視率UPを意識しましょう。
ただし、10%〜15%に抑えるように、ですよ。
今後企業は、従業員が「どう働くべきなのか」「どう働きたいのか」という、個人の価値観を尊重することが求められます。
従業員一人ひとりの作業効率を上げるためにも、企業としての環境作りがより一層求められるようになるでしょう。
そのような中でも、緑を効率よく取り入れることで、日頃の改善点がクリアになるかもしれませんね。
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