2022.05.15オフィスデザイン
コロナ禍によるオフィスデザインの課題とは?具体的な解決策も提案!
「コロナ禍にオフィスの感染対策が必要だ」「テレワークするためにオフィスが使いにくい」などとお困りではないでしょうか?コロナ禍によりオフィスに新たな課題が生まれると、従来のレイアウトでは効率的に働けなくなります。
そこで本記事でコロナ禍によるオフィスデザインの課題と解決策を解説します。特にオフィスレイアウトのポイントを詳しく紹介しますので、オフィスの開設や移転、改装などをご検討中の方はぜひご覧ください。
目次
コロナ禍によるオフィスデザイン課題
従業員が意欲的に生産性を上げながら働ける環境を整備するために、コロナ禍によるオフィスデザイン課題を把握する必要があります。代表的な課題を紹介しますので、経営しているオフィスに当てはまるかどうかをご確認ください。
人間同士の不必要な接触回数を減らすこと
人間同士の接触回数を減らすことがコロナ禍では推奨されています。緊急事態宣言下においては接触回数を「最低7割、極力8割減する」ように、政府から提言が出されました。通常1日100人と出会う人なら、70~80人との接触を控えることになります。
また職場においては「まずは4割減らして、6割、8割と段階的に減らす」ように提言されたので、職場環境や働き方の見直しを迫られました。オフィスデザインについては規模やレイアウトを変更することが必要になります。
参考:NHK NEWS WEB特設サイト 新型コロナウイルス「人と人との接触機会「最低7割 極力8割削減」とは」
ソーシャルディスタンスを確保すること
新型コロナウイルスの飛沫感染を避けるために、オフィス内でソーシャルディスタンスを確保することも必要です。首相官邸の公開している「3つの密を避けるための手引き」では、周囲の人と2メートル以上の距離を取ることが推奨されています。
したがってオフィスにおいては従業員同士が対面して座らないようにデスクを配置したり、間仕切りで飛沫を防止したりすることが求められます。またワークスペースだけではなく休憩室や食堂などのソーシャルディスタンスを確保するためには、オフィスビル全体のデザイン変更が必要になる場合もあります。
常に室内を換気すること
密閉された空間では新型コロナウイルス感染リスクが高まるため、常に換気することも推奨されています。風の流れができるように2方向の窓を全開にして、1回当たり数分程度、1時間当たり2回以上の換気が目安とされています。
窓の換気だけではなく、換気設備の点検や空調設備の導入などを検討することも企業の課題といえるでしょう。空気清浄機や換気機能を備えた業務用エアコンなどがありますので、オフィスの換気方法について総合的に判断してください。
テレワークに対応すること
従業員同士の接触を防ぐためや通勤中の感染リスクを軽減するために、テレワークに対応することも必要です。テレワークを導入するためには、オフィスの規模やレイアウトなどの変更が求められる場合があります。
例えば出社する従業員数を減らすとワークスペースやデスクが余るので、賃料を節約するためにオフィスの縮小や移転が求められます。また本社オフィスとサテライトオフィスのデザインを調和させたり、リモートワーカーの帰属意識を向上させるためにオフィスをリニューアルしたりすることも必要になります。
オフィスデザイン課題の解決策
上記のコロナ禍によるオフィスデザイン課題が当てはまる場合には、ご紹介する解決策をご検討ください。実施しやすい解決策と移転を伴う解決策がありますので、優先順位を付けて計画的に進めることが必要です。
レイアウト変更
オフィスデザイン課題解決策として最初に挙げられるのが、レイアウト変更です。レイアウト変更は、オフィス内のデスクや事務機器、オフィス家具などの配置を変える作業です。レイアウト変更の手順は、コンセプトの設計とスペースの配分です。
レイアウト変更のコンセプト設計ではどのようなオフィスに変えたいのかを言語化して、デスク間の距離や従業員同士の接触を減らす動線などを決めていきます。スペースの配分で執務や会議、休憩などに必要な面積を具体的に計算して割り振ります。
なおオフィスレイアウトの変更については後ほどさらに詳しく解説していきます。
ABWの導入
「ABW」(Active Based Working)とは、仕事内容や人数などに基づいて働く場所と時間を自由に選択する働き方です。働く場所はオフィス内だけではなく自宅、カフェ、コワーキングスペース、サテライトオフィスと多岐に渡ります。「テレワーク」はメインオフィスから離れた場所で働く方法ですので、異なる概念になります。
ABWを導入することで従業員が同時に集まることを防げるだけではなく、1人ひとりが仕事に集中しやすくなります。結果として生産性の向上を期待でき、デスクの配置コスト削減や従業員のワークライフバランス実現につながります。
オフィス分散化
テレワークやABWの導入が進むと、オフィスの分散化につながります。オフィスを分散するためのワークスペース需要に応えるために、サードプレイスオフィス(オフィスや自宅とは異なる第3の働き場所)が普及してきています。
代表的なサードプレイスオフィスであるシェアオフィスやサテライトオフィスを活用すると、メインオフィスのコスト削減効果を期待できます。従業員が働く場所を自由に選べることから、多様な働き方の実現も可能です。
またオフィスの分散化が進むと、感染症だけではなく災害など社会情勢の変化に応じて柔軟な対応もできます。ただし従業員同士が対面できる機会は減りますので、コミュニケーション不足対策が必要です。
空調設備や空気清浄機の活用
オフィス内の換気対策として、空調設備の活用を検討しましょう。先ほど解説したとおりに自然換気には人手が必要ですが、設備や機器を導入すれば効率化できます。換気機能を備えた設備や機器として、給排気機能を備えたタイプがオフィスに適しています。例えば換気扇や業務用エアコンなどが当てはまります。
また機械換気に加えて、空気清浄機の活用も検討しましょう。空気清浄機を窓やドアから離れた場所に置くことで、空気の循環効率がアップします。
ITツールの導入
従業員がテレワークできる環境を整えるためには、ITツールを導入しましょう。例えばビデオ会議システムを導入すれば、場所を問わずに対面同様のやり取りが可能です。無料や低コストで活用できるシステムもあるため、導入を検討したいです。
またチャットツールはコミュニケーションを図る際に有効で、1対1やグループでテキストメッセージや音声通話、ビデオ通話によるやり取りができて、画像や文書のデータ送受信もできます。
さらにリモートワークをする従業員の働く場所や時間がバラバラになるため、勤怠管理ツールも活用しましょう。法律などで定められた労働時間を超えないように就業時間を管理できたり、1か月の労働時間を集計して給与計算に反映させたりできます。
コロナ禍におけるオフィスレイアウト
コロナ禍によるオフィスデザイン課題の解決策として、最初に挙げられるオフィスレイアウト変更。オフィス什器の配置や動線を変更することで、現在のオフィスを移転することなく感染症対策や働き方改革を展開できますよ。
感染対策できるデスクの配置
オフィスにおいて感染対策できるデスクの配置は、次の5パターンに整理できます。
- 対向島型 :チームごとに向かい合うようにデスクを配置
- 背面対向島型:チーム内でメンバーが背を向けるようにデスクを配置(※各メンバーの前にパーテーションや仕切りを置く)
- ブース型 :パーテーションやカーテンなどでデスクを丸ごと覆う配置
- クロス型 :テーブルを縦横に交差して配置
- ブーメラン型:120°の角度のデスクを3台隣接させる配置
上記2と3、5はデスクの間隔を十分に取れたり、飛沫を防止しやすかったりする配置です。作業への集中力を保ちやすいため、生産性向上を促します。ただし業務内容に応じて適さない配置がある点に、ご注意ください。
アクリルパネルの設置
従業員同士や顧客と会話する際の飛沫防止策として、アクリルパネルの設置が効果的です。アクリルパネルをデスク間の仕切りとして設置したり、対面に配置するデスクとの間に設置したりします。中長期的に配置する場合には、耐久性のある製品を選んでください。設置場所に応じて、形状や素材の検討が必要です。
またアクリルパネルの手入れには、いくつか注意点があります。除菌目的のためにアルコールを利用したいですが、アクリルをアルコールで拭いてはいけません。パネル表面にキズが付くからです。水拭きで十分ですが、汚れなどが気になる場合には台所用洗剤(中性洗剤)を使いましょう。
人間同士の接触を回避できる動線設計
人間同士の接触を回避するためには、動線設計も欠かせません。入り口と出口の分離や来社する顧客の通路などを検討します。またオフィス内の動線を一方通行にすることで、接触を避けてください。さらにオフィス機器のあるスペースを全部署で共有するのではなく、部門ごとに分けることを検討しましょう。
新たな動線を導入すると、慣れるまでに混乱を生じる可能性があります。床にマーキングテープなどで順路を明確にしておくと迷いにくいです。通路を分離するときは、オフィス家具や観葉植物などのインテリアの配置によって区別できます。
適切なデスク間の距離や室内の人口密度
適切なデスク間の距離や室内の人口密度にも気を配り、オフィス内のソーシャルディスタンスを確保してください。必要に応じて、デスクやイスの間引きも必要になります。デスクの配置や大きさにより必要な間隔が異なるため、実際にデスクに座って位置を測定することが必要です。
ソーシャルディスタンスを確保するとたくさんのデスクを配置できませんので、自然とオフィス内の人口密度を下げることにつながります。さらにオフィス内の人口密度を下げるためにはテレワークや時差出勤、シフト制などを導入して、働く時間と場所の調整を検討しましょう。
フリーアドレス運用への配慮
フリーアドレスは従業員ごとに固有のデスクを割り振らないで、状況に応じてデスクを選ぶデスク配置です。オフィスのコロナ対策を徹底するためには、フリーアドレス運用への配慮が必要です。
まずは各従業員の勤務状況を管理できる仕組みを導入してください。従業員が固有のデスクをもたないので、在室状況や業務内容、利用したデスクが分かりにくいからです。また社外の人間が簡単に入館できないようなセキュリティ対策も必要です。
なおフリーアドレス導入のためにレイアウト変更やオフィス家具の買い替えをする場合には、初期費用がかかる点に注意しましょう。。
適切な解決策でコロナ禍のオフィスをデザインしよう
コロナ禍によるオフィスデザイン課題を把握したうえで、適切な解決策を検討しましょう。オフィスのレイアウト変更や働き方改革、移転や改装の工事などがありますので、予算を立てて計画的に実行してください。
IDEALはコロナ禍によるオフィスデザイン課題の解決はもちろん、オフィスのコンセプト設計からデザイン、工事、資金調達、Web集客までをワンストップソリューションとしてご提供しております。
オフィスの開設や移転、リニューアルなどを検討する際には、ぜひIDEALにお問合せください。