2024.09.26 2024.09.08オフィス経営
従業員エンゲージメントを高める方法とは?調査や事例も紹介
本記事で、従業員エンゲージメントを高める方法を解説します。エンゲージメントの調査や事例もご紹介します。オフィスの新設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
従業員エンゲージメントとは?基本情報を紹介
そもそも従業員エンゲージメントとは、どういった状態でしょうか?そこで基本情報(定義と高める目的、要素、モチベーションとの違い)をご紹介します。従業員エンゲージメントを高められるように、基本情報を確認しましょう。
定義
まず従業員エンゲージメントの定義は、従業員が所属する組織に対する貢献の意欲です。組織の目指す方向性を理解し、従業員と組織の方向性が重なり合うほど、従業員エンゲージメントが高まります。個人と組織との関係性に着目した概念です。
一方で、個人と仕事との関係性に着目した概念は、ワークエンゲージメントです。個人が仕事にやりがいを感じて、熱心に取り組むことで活力を得ている状態を指します。個人が仕事にやりがいを感じられるほど、ワークエンゲージメントが高まります。
参照元:
働き方・休み方改善ポータルサイト「ワークエンゲージメントとは」
厚生労働省愛媛労働局「働きがいのある職場づくりのため、エンゲージメント向上に取り組みましょう!」
高める目的
次に従業員エンゲージメントを高める目的は、従業員から組織に対する信頼の向上や従業員の能力発揮・健康などです。組織に対する信頼が向上するほど、従業員の採用率や定着率が高まります。
従業員が能力を発揮しながら健康的に働けるほど、職場の生産性が向上します。したがって従業員エンゲージメントの向上は、従業員にとっても組織にとっても重要です。
参照元:
働き方・休み方改善ポータルサイト「ワークエンゲージメントとは」
厚生労働省愛媛労働局「働きがいのある職場づくりのため、エンゲージメント向上に取り組みましょう!」
要素
それから従業員エンゲージメントの要素には、理解度と共感度、行動意欲があります。組織に対する共感度や行動意欲を高めるためには、従業員の組織に対する理解度を高めなければなりません。
ただし組織に対する共感度が高まるほど、従業員の行動意欲も高まります。従業員と組織の方向性が重なり合い、従業員エンゲージメントが高まった状態です。ワークエンゲージメントを高める方法については、後ほどご紹介します。
モチベーションとの違い
そして従業員エンゲージメントとモチベーションとの違いは、目的です。従業員エンゲージメント(個人が仕事にやりがいを感じて、熱心に取り組むことで活力を得ている状態)を高める目的は、従業員から組織に対する信頼の向上や従業員の能力発揮・健康などです。
一方で、モチベーション(個人の学業や仕事などに対する内発的な動機)を高める目的は、個人によって異なります。例えば学業や仕事に対する動機は、成績や金銭、社会的な地位・評価などです。
従業員エンゲージメントを調査する流れ
基本情報だけではなく、従業員エンゲージメントを調査する流れも確認しましょう。そこで6点(目的と方法、周知、結果の分析、共有、活用)に整理して、従業員エンゲージメントを調査する流れ)をご紹介します。
目的を定める
まず従業員エンゲージメントを調査する前に、目的を定めましょう。従業員エンゲージメントを高める目的(従業員から組織に対する信頼や従業員の能力、健康、採用率・定着率、生産性などの向上)によって、調査する要素や方法が異なるからです。
例えば従業員の定着率が低い企業においては、従業員エンゲージメントの低い要素(理解度と共感度、行動意欲)を特定するために調査を実施します。低い要素を特定できれば、適切な対策を検討できるからです。
適した方法を選ぶ
次に従業員エンゲージメントを調査する目的に応じて、適した方法を選びましょう。調査方法には、アンケートや面接などがあります。組織の内部調査だけではなく、調査専門業者による外部調査も可能です。
例えば従業員の定着率が低い企業が、従業員エンゲージメントの低い要素(理解度と共感度、行動意欲)を特定するために調査を実施する場合には、アンケートや面接などによる内部調査を計画します。
事前に周知してから実施する
それから事前に周知してから、従業員エンゲージメント調査を実施しましょう。調査前に目的や方法を周知することで、信頼性の高いデータを収集しやすくなるからです。匿名性の確保や回答の期限などを示します。
従業員エンゲージメント調査前に周知しない場合には、人事評価やプライバシーなどを懸念する従業員が、本心から回答しづらくなります。組織と従業員にとって有益な調査となるように配慮しなければなりません。
結果を分析する
続いて従業員エンゲージメント調査の実施後には、結果を分析しましょう。収集したデータを分析することで、従業員エンゲージメントの低い要素(理解度と共感度、行動意欲)を特定して、高める方法を検討できます。
定期的に調査を実施して時系列の変化を追ったり、他データ(従業員の勤怠や業務実績など)を組み合わせたりすることで、従業員エンゲージメントを高める施策を継続的に評価・改善してください。
結果を共有する
また従業員エンゲージメント調査結果を分析できたら、結果を共有しましょう。調査結果を共有することで、回答者にも従業員エンゲージメントを高める方法を検討してもらえます。調査結果を共有することも、従業員エンゲージメントを高める方法になるわけです。
そこで調査結果の共有により従業員に調査の目的を理解してもらい、従業員エンゲージメントを高める施策に対する共感度と行動意欲を高めましょう。幅広い意見を得られるように、組織内から横断的に調査の担当者や回答者を構成してください。
結果を活用する
そして共有した結果を活用して、さらに従業員エンゲージメントを高めましょう。調査結果を活用できる場面には、従業員の採用や研修、人事評価、経営層の会議などがあります。客観的なデータに基づいて、施策の計画や評価、改善などを行えます。
以上の流れに沿って調査を実施しながら、従業員エンゲージメントを高める施策を展開しましょう。PDCAサイクルの展開が重要です。従業員エンゲージメントを高める方法については、次にご紹介します。
従業員エンゲージメントを高める方法
調査する流れと併せて、従業員エンゲージメントを高める方法も確認しましょう。6点(経営理念の共有と職場環境の改善、コミュニケーションの活性化、公平な人事評価制度、ワークライフバランスの実現、キャリア支援)をご紹介します。
経営理念の共有
まず理念の共有が、従業員エンゲージメントを高める方法として挙げられます。組織内の研修や会議などにおいて組織の経営理念を共有して、従業員と組織の方向性を一致させましょう。
組織の経営理念に基づいたコンセプトを設計して、オフィスをデザインすることも重要です。オフィスデザインのコンセプトを設計するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
職場環境の改善
次に職場環境の改善も、従業員エンゲージメントを高める方法です。従業員の定着率や職場の生産性を向上させるためには、職場環境の改善が必要です。職場環境を改善して、多様な働き方に対応したり、働き方改革を推進したりしましょう。
職場環境を改善する具体的な方法には、サテライトオフィスやテレワークなどの導入があります。サテライトオフィスやテレワークなどのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コミュニケーションの活性化
それからコミュニケーションの活性化も、従業員エンゲージメントを高める方法です。上司・部下や部署内のコミュニケーションが活性化されることで、仕事を円滑に進めやすくなったり、職場に対する愛着が深まったりします。
そこで上司と部下の面談や部署内の会議、コミュニケーションしやすいオフィスデザインなどを検討しましょう。コミュニケーションを活性化させるオフィスデザインをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
公平な人事評価制度
また公平な人事評価制度も、従業員エンゲージメントを高める方法です。公正な人事評価を受けられなければ、従業員が組織の経営理念を理解し、共感度や行動意欲を高められません。
そこで従業員からの納得や信頼を獲得できるように、人事評価の時期や方法などを示しましょう。業務の結果だけではなく、プロセスや長期的な変化、経営理念の実現度などに対する評価も重要です。
ワークライフバランスの実現
さらにワークライフバランスの実現も、従業員エンゲージメントを高める方法です。従業員の長時間労働を減らし、多様な働き方を受け入れながら、休暇・休息の取りやすい勤務制度を確立させましょう。
ワークライフバランスを保てない従業員が多いほど、職場の生産性が低下してしまうため、オフィスの健康経営も重要です。健康経営オフィスを実現させるためのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
キャリア支援
そしてキャリア支援も、従業員エンゲージメントを高める方法です。組織内で能力を発揮したり、キャリアを形成したりできるほど、従業員の定着率や職場の生産性が高まります。積極的に従業員のキャリアを支援しましょう。
従業員のキャリア支援方法には、キャリアコンサルティングやセルフキャリアドッグ、キャリア検診、キャリア研修などがあります。キャリア支援を充実させて、従業員エンゲージメントを高めましょう。
参照元:厚生労働省「企業・学校等においてキャリア形成支援に取り組みたい方へ」
従業員エンゲージメントを高める施策の事例
従業員エンゲージメントを高める方法を上手く活用できるように、参考となる施策の事例を調査しましょう。事例5点(Well-being経営とキャリアエージェント、オンラインイベント、カルチャーチーム、デジタルツール)を取り上げて、各事例の特徴をご紹介します。
全ステークホルダーの幸せを目指すWell-being経営
まず「丸井グループ」は、全ステークホルダーの幸せを目指すWell-being経営を展開している企業です。従業員だけではなく、顧客や取引先、地域社会、株主、次世代の幸せも目指しています。
Well-being経営の具体的な施策として、産業医が執行役員を務めたり、健康経営をデータ分析したり、女性専用相談窓口を設置したりしてきました。Well-being推進プロジェクトのメンバーは、社内からの公募で配置されています。
参照元:
丸井グループ「人と社会のしあわせを共に創る『Well-being経営』」
Japan Innovation Review「「働く人が『フロー状態』に入れる組織に」丸井グループが経営戦略として実践する「ウェルビーイング経営」とは」
働き方・休み方改善ポータルサイト「ワークエンゲージメント向上取組事例」
適材適所を実現させるキャリアエージェント
次に「サイバーエージェント」は、適材適所を実現させるキャリアエージェントを配置している企業です。従業員のコンディション把握ツールや社内異動公募制度を活用しながら、従業員が能力を発揮しやすい職場を目指しています。
優秀な人材を適したポジションに配置できるように、若手社員の才能発掘プロジェクトも展開しています。推薦された若手社員が、社長や役員に直接プレゼンできる仕組みです。
参照元:
サイバーエージェント「87%の社員が『働きがいがある』と答える環境を実現ーーCHO曽山が語るエンゲージメントを高める人事施策」
働き方・休み方改善ポータルサイト「ワークエンゲージメント向上取組事例」
世界各地の従業員をつなげるオンラインイベント
それから「旭化成」は、世界各地の従業員をつなげるオンラインイベントを開催している企業です。企業理念の共有や一体感の醸成を目的として、世界の29地域から4,000人以上の従業員が参加しました。
オンラインイベントだけではなく、定期的な従業員に対する調査も実施しています。上司・部下の関係や職場環境、従業員の活力や成長につながる行動などを調査し、部署ごとに調査結果に基づいた改善策を展開する仕組みです。
参照元:
旭化成「旭化成、従業員エンゲージメントを目的としたグローバルオンラインイベントを開催」
働き方・休み方改善ポータルサイト「ワークエンゲージメント向上取組事例」
組織の課題を解決するカルチャーチーム
続いて「ユーザベース」は、組織の課題を解決するカルチャーチームを配置する企業です。カルチャーチームが定期的に従業員に調査を実施しながら、職場の課題を経営層に伝えて、解決策をフィードバックします。
人事評価制度は、7つのバリュー(自由主義・創造性・ユーザーの理想・スピード・挑戦・友・異能)に基づいて設計されています。調査結果に基づいて、カルチャーチームが人事制度の思想や流れなどに関する勉強会を実施しました。
参照元:
ユーザベース「ミッションとバリューを軸に、1人ひとりが自走している組織をつくる──ユーザベースのカルチャーチームが目指す未来」
Forbes JAPAN「強い組織のカギ『従業員エンゲージメント』が高い企業トップ10」
デジタルツールによる意識調査
そして「LIXIL」は、デジタルツールによる意識調査を実施する企業です。デジタルツールの導入により、9割近い従業員から回答を得ています。従業員エンゲージメントだけではなく、インクルージョンやウェルビーイングがKPIです。
デジタルツールによる意識調査だけではなく、特定の従業員を対象にした深堀調査も実施しています。従業員エンゲージメントの低い事業所に対しては、経営層の訪問や教育訓練の実施、職場環境の整備などを進めています。
参照元:LIXIL「働きがいのある職場」
従業員のエンゲージメントを高める施策を計画しよう!
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