2021.02.04 2022.12.10オフィスデザイン
アフターコロナにおけるオフィスの会議室!座席配置・デザイン・施工事例
本記事で、アフターコロナにおけるオフィスの会議室について解説します。会議室の座席配置やデザインポイント、施工事例などもご紹介します。
「アフターコロナに会議室は必要か?」「デザインするポイントを知りたい!」とお悩みではありませんか?オフィスの開業や移転、リニューアルなどを検討している方はぜひご覧ください。
目次
アフターコロナにおけるオフィスの会議室
まずアフターコロナにおけるオフィスの会議室について、役割と課題を把握しましょう。社会情勢や事業内容に応じて、会議室の座席配置やデザインを検討する必要があるからです。
役割
アフターコロナにおける会議室の役割は、主に3点です。
- 社外秘の情報を取り扱う
- 効率的に情報を共有する
- ブランド力を高める
社外秘の情報を取り扱う会議として、例えば上司と部下の個別面談や特定部署だけによる打ち合わせなどがあります。秘匿性の高い情報を扱う会議室には、外部へ音が漏れない構造が求められます。
また効率的に情報を共有する会議では、参加人数や情報形態などに合わせて適切な広さや設備が異なります。話し声を聞き取りやすく、資料を共有しやすい会議室のデザインが必要です。
さらに社外からの来訪者との会議は、会議室を含めたオフィスデザインによりブランド力を高めるチャンスです。例えば会議室にコーポレートカラーやロゴが取り入れられたり、企業理念が発信されたりしていると、オフィスの魅力をアピールできます。
課題
アフターコロナにおける会議室の課題はいくつもありますが、次の3点に絞ってご紹介します。
- オフィス縮小への対応
- シェアオフィスやレンタルスペースとの併用
- Web会議やテレワークとの連携
まずオフィス縮小への対応が迫られています。テレワーク推進により、出社率が低くなっているからです。オフィスの稼働率や機能性、維持費などを考慮して、適切なオフィスのサイズを計算しなければなりません。
参考:ザイマックス総研の研究調査「<業種別>コロナ危機収束後の出社率の意向」
またコロナ感染対策としてオフィスを分散化させるために、シェアオフィスやレンタルスペースとの併用も必要です。会議のために同じ時間帯に会議室へ従業員を集める必要性を問い直さなければなりません。
そしてWeb会議やテレワークとの連携も課題です。例えばWeb会議中に会議室から特別な情報を発信したり、会議室にいる管理者がテレワーク中の従業員とやり取りしたりしなくてはなりません。
オフィス会議室の座席配置
アフターコロナにおけるオフィス会議室の役割と課題を踏まえて、会議室の座席配置をご紹介します。縮小傾向にあるオフィスエリアにおいて、限られたスペースを有効活用できるように、適切な配置を選びましょう。
対面型
対面型は、テーブルを挟んで横一列にイスが並べられる座席配置です。向かい合って座るので、会議中に互いの表情が見えやすいメリットがあります。他社との商談やチーム間の会議など、異なる立場で意見交換する会議に向いています。
一方で参加人数が多いと互いの声が聞き取りにくかったり、表情が読み取れなかったりするデメリットもあるため注意してください。
島型
島型は、複数の島(小人数用テーブルとイス)が置かれる座席配置です。島の中で近い距離で話し合える点が特徴です。例えばグループディスカッションをしたり、アイスブレークを行ったりできます。
ただし少人数で活動する座席配置であり、大人数での意見交換に向かない点にご注意ください。
コの字型
片仮名の「コ」の字にテーブルを並べて座席配置がコの字型で、中央を向くようにイスが置かれます。会議室中央にイスを置かないため、島型や対面型よりスペースが必要です。
ただし中央にプロジェクターやホワイトボードを置いて情報を共有できるため、企画会議やプレゼンテーションなどに活用できます。意見を出し合い確認しあう会議に向いている座席配置です。
ロの字型
片仮名の「ロ」の字にテーブルを並べて座席配置がロの字型で、中央を向くようにイスが置かれます。会議室の中央がデッドスペースになる点がデメリットですので、会議室に一定の広さが必要です。
ロの字型の座席配置は、重役会議や全体会合といった比較的大人数の会議に用いられます。参加者全員の顔を見渡すことができるため、程よい緊張感を出せます。
同一方向型
同一方向型は、学校の教室のようにテーブルとイスが正面に向けて並べられる座席配置です。参加者が他者からの視線を気にしないで、メモを取ったり資料を見たりできます。
また参加者全員が前を向いているため、正面から座席に座る参加者を見渡しやすくなる点が特徴です。そのため企業説明会や勉強会などに向いています。
しかし座席を簡単に移動できない場合には、参加者同士の意見交換や議論に適していません。
シアター型
シアター型は、映画館のようにイスだけが正面に向けて並べられる座席配置です。テーブルを置かない分だけ、同一方向型よりも参加者を増やせます。正面にスクリーンやホワイトボードなどを設置したうえで、入社式や上映会、説明会などを開催できます。
ただしテーブルがないため、参加者がメモなどの作業をしづらいです。必要に応じてバインダーや下敷きなどを配布してください。
オフィスの会議室をデザインするポイント
適した座席配置を選ぶだけではなく、オフィスの会議室をデザインするポイントをご確認ください。会議室の用途に応じて必要な内装や設備、機器などを選びましょう。
通信環境を整える
まず会議室からテレワークと連携したりオフィス外へ情報発信したりするなら、通信環境を整える必要があります。必要な通信の設備や機能を洗い出してください。通信環境を設計できたら、通信回線やインターネットプロバイダなどを契約します。
通信回線・設備工事を終えるまでに、運用マニュアルを整備しましょう。以上のオフィス通信環境の構築について次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
機能性を検討する
次に会議の参加人数や目的などに基づいて、会議室の機能性を検討しましょう。会議室に必要な機能として、防音や気密、換気、耐震などが挙げられます。
例えば重要な商談に用いる会議室なら、室外に話し声が漏れないように防音性のある内壁や床材を選びます。また地震による転倒を防止するためには、パーテーションやホワイトボードなどの什器を滑り止めや金具で固定するようにしてください。
おしゃれさを取り入れる
また内装におしゃれさを取り入れる点も、オフィスの会議室をデザインするポイントです。会議室が来訪者との商談やWeb会議などにも利用されるなら、オフィスのブランド力を高めるチャンスになります。
ブランド力を高めるためには、オフィスのコンセプトを表現できるように内装をデザインしましょう。例えば内壁にコーポレートカラーをアクセントとして配色したり、窓やドアに企業ロゴを取り入れる方法があります。
ただしオフィス全体の統一感が出るように、同じコンセプトに基づいて執務室やエントランスもデザインしましょう。オフィスの内装をおしゃれにするポイントについて次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
感染症対策をする
加えてオフィスの会議室においても、感染症対策が必要です。三密(密集・密接・密閉)を避けて会議できるようにデザインしましょう。例えば換気機能付の空調設備を導入して、室内を換気してください。
また参加者同士が適度な距離を保って座れるように、座席間のスペースも計算しましょう。会議室の感染症対策を意識したオフィス空間デザインについて次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
座席配置に必要な床面積を計算する
さらに座席配置に必要な床面積を計算することも、オフィス会議室のデザインポイントです。配置するテーブルやイスの大きさを踏まえて、1人あたりの座席スペース(幅60〜100㎝×奥行き45〜90㎝)や動線を計算して、座席間の距離を2m以上取りましょう。
参考:厚生労働省「オフィス業務における新型コロナウイルス 感染予防・対策マニュアル」28ページ
なお床面積の計算だけではなく、内装材によって会議室の印象が変わります。機能性やおしゃれさも考慮しながら、適切な床材を選択しましょう。オフィスの床をデザインするポイントについてまとめてありますので、次の記事を併せてご覧ください。
余分な設備・什器を配置しない
オフィスの会議室に余分な設備・什器を設置しない点も、デザインポイントです。余分な設備・什器を配置すると、会議室のスペースが狭くなるからです。会議の参加人数や目的に応じて、必要な設備・什器の種類と数を厳選してください。
テーブルやイス、プロジェクターだけではなく、気軽なミーティングスペースにはソファや観葉植物なども配置されます。休憩スペースを兼ねるなら、カフェカウンターや畳なども必要です。
多目的利用を想定する
そしてオフィスの会議だけではなく、多目的利用を想定してデザインしましょう。年に数回の大人数による会議だけの想定でデザインしてしまうと、会議室のスペースや賃料が無駄になりかねません。
多目的利用の例として、リフレッシュスペースやフリースペースとして開放したり、作業に集中できる個人スペースがあります。オフィスフロア全体のレイアウトや用途、業務内容などを総合的に検討したうえで、会議室の利用目的を検討しましょう。
なお可動型パーテーションを設置すれば、会議のために手軽に移動できます。パーテーションの種類と役割について次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
オフィス会議室の施工事例
オフィスの会議室をデザインするためには、施工事例が参考になります。IDEALの施工した事例を取り上げながら、上記のデザインポイントが活かされている点をご紹介します。
爽やかな配色の会議室
「株式会社真面目」様のオフィスには、爽やかな配色の会議室が施工されています。内装全体を白で統一しながらも、アクセントとして内壁の一面にブルーが配色されています。
また開放感を出せるように天井を高くして、ガラスパーテーションで区切られています。小さな会議室ですが、余分な設備・什器が排除されて動線も確保されています。
カジュアルな会議スペース
「株式会社hitocolor」様のオフィスには、気軽なミーティングを想定して、ルーバーで光・音・風を通しながらも床材でゾーニングされたカジュアルな会議スペースがレイアウトされました。
コンセプトの多様性を表現できるように、会議スペースには色の違うイスと形の違う机が置かれており、企業ロゴが装飾されています。
ストレッチルームに活用できる会議室
「株式会社フュービック」様のオフィスには、ストレッチルームとして活用できる会議室が施工されています。芝生をイメージさせるグリーンの床材が選ばれ、会議中にテーブルとイスを移動させれば、提供しているストレッチレッスンを体感できます。
多目的利用を想定して余分な什器や設備を置かず、シンプルな内装空間です。広いスペースを確保しつつも、会議室の機能を果たせるように壁面にホワイトボードが設置されています。
リフレッシュスペースとして利用できる会議室
「株式会社タキオン」様には、リフレッシュスペースとして利用できる会議室が施工されました。座席が階段状にデザインされているため、どの座席からでも正面のスクリーンが見えます。会議資料だけではなく、映画鑑賞にも適したデザインです。
多目的利用を想定して余分な設備・什器を置かず、木目と白色のシンプルな内装です。階段下は収納空間になっており、スペースが有効活用されています。
可動扉で用途変更しやすい会議室
「株式会社トリニアス」様のオフィスには、可動扉で用途変更しやすい会議室が施工されました。限られたスペースで、セミナーと会議を開催するためです。セミナーと会議がない時間帯にはオープンスペースや気軽な打ち合わせに活用されています。
加えてガラスパーテーションで区切られた小会議室も施工されています。少人数での打ち合わせや商談などを開催可能です。オフィス全体の統一感を出せるように、内装や什器が黒と白、ブラウンでまとめられています。
用途や人数に適した会議室をデザインしよう!
オフィスの会議室は、アフターコロナにおいても必要です。使用頻度が低くなっていますので、用途や人数に適した会議室をデザインしましょう。
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