2022.07.25オフィスデザイン
オフィスの廊下のデザイン!役割や法規制、施工事例もご紹介!
「オフィスの廊下をデザインするポイントは?」「施工事例を知りたい!」とお悩みではないでしょうか。廊下に求められる役割は機能性や安全性だけでなく、法規制を遵守しなくてはなりません。
そこで本記事で、オフィスの廊下の役割とデザインのポイントを解説していきます。オフィスの廊下に対する法規制や施工事例もご紹介しますので、オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方はぜひご覧ください。
オフィスにおける廊下の役割
オフィスの廊下は、単なる通路ではありません。オフィスで働く従業員はもちろん来訪者や求職者にとって、重要な役割を果たします。デザインする前に、廊下の役割を把握しておきましょう。
移動用の通路となる
まずオフィスの廊下は各部屋をつなぐことで、移動用の通路となります。従業員だけではなく来訪者や求職者も通行しますので、トラブルなく利用できるデザインが求められます。
トラブルを未然に防ぐためには、通行者が余裕をもってすれ違える幅とドアが開いても当たらない幅が必要です。幅を意識して通行しやすい廊下をデザインしてください。
避難経路にもなる
次にオフィスの廊下は避難経路にもなりますので、緊急時や災害時に避難しやすいようにデザインしましょう。動線をシンプルで分かりやすくして混雑しないようにデザインできると、スムーズな避難を保証できます。
また避難経路上にある部屋のレイアウトにも注意しましょう。火を使う部屋(給湯室や簡易キッチンなど)が避難経路上にあると、二次災害を招く危険性があります。避難経路を設計するときには、フロア全体のレイアウトを考慮しましょう。
内装をおしゃれにできる
加えて廊下をおしゃれにデザインすると、オフィス空間全体のおしゃれさをアピールしやすくなります。なぜなら廊下はオフィス内でよく使用される場所ですので、利用者の印象に残りやすいからです。
オフィスをおしゃれにデザインできれば、従業員のモチベーションアップにつながります。また来訪者や求職者に対しても、良い印象を与えられます。廊下上にリラックススペースやコミュニケーションスペースをレイアウトすることで、廊下の雰囲気を演出できます。
おしゃれなオフィスをデザインする方法について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
情報発信の場となる
さらにオフィスの廊下デザインはシンプルになりがちですが、情報発信の場にもできます。オフィスの経営方針やコンセプトなどを伝えるために、壁面アートやブランドカラーなどを取り入れてみましょう。
またモニターやホワイトボードなどを壁に施工することで、直接的に情報発信をする方法もあります。施工する設備や備品によって、社内の情報共有や来訪者へのアピールなどの役割を果たす事を期待できます。
オフィスの廊下をデザインするポイント
オフィスにおける廊下の役割を把握したら、デザインするポイントを押さえましょう。ポイントを押さえることで、無駄やトラブルを未然に防止できるからです。5点に整理してご紹介します。
廊下に対する法規制を遵守する
まず廊下をデザインする際に、廊下に対する法規制を遵守する必要があります。利用者の安全や健康を保証するために定められていますので、必ず守らなくてはなりません。具体的な法規制は、建築基準法と労働安全衛生法、消防法に定められています。
建築基準法と労働安全衛生法には、廊下幅に対する規制が定められています。基準に則り適切な廊下幅を確保しましょう。ドアや窓などの位置によって適切な廊下幅が異なりますので、レイアウトの確認が必要です。また消防法から避難経路の確保が求められています。火災が発生したときでもスムーズな避難を行えるようにするためです。
なお廊下に対する法規制について、後ほど詳しくご紹介します。
特徴を理解して床材・壁材を選ぶ
次に、廊下に使用できる床材や壁材の特徴を理解してから選びましょう。内装材によってデザイン性や手入れのしやすさ、耐久性などが異なるからです。オフィスの安全性と機能性を重視して選ぶことをおすすめします。
オフィスの廊下に適した床材は、ビニルタイプやタイルカーペット、天然素材などです。ビニルタイプは防水性に優れていて、タイルカーペットは安価でデザイン性が高く、天然素材は高価だが高級感を出せるという特徴があります。
オフィスの廊下に施工できる壁材には、壁紙や塗装、木材、左官材、タイル、パネルなどがあります。物件の条件によって使用できない素材がありますので、内装業者と相談のうえ選ぶようにしてください。
色温度や照度に気を付ける
また廊下の雰囲気は床や壁だけでなく照明にも左右されますので、廊下の色温度や照度に気をつけるようにしてください。暗すぎず明るすぎない適度な照明を選びましょう。
色温度とは色と温度の関係を表す尺度で、ケルビンという単位で表されます。暖色になるほど色温度が低く、白色は中程度、寒色になるほど色温度が高くなります。オフィスに適している照明は、自然な光である5000ケルビンの昼白色蛍光灯です。
照度とは光に照らされた面の明るさを表す尺度で、ルクスという単位で表されます。オフィスに適した照度は500〜750ルクス程度で、暗すぎると作業効率が悪くなったり、明るすぎると目が疲れたりする危険性があります。
おしゃれなデザインを取り入れる
またオフィスの廊下には、おしゃれなデザインを取り入れましょう。床材や壁材、サイン、照明などによって、廊下の印象を変えることが可能です。オフィスのコンセプトに合わせて、内装材を組み合わせてください。
例えば壁や床の色と素材によって、個性的な廊下を演出できます。さらに観葉植物を取り入れる方法やドアの色を部屋によって変える方法などもあります。演出したい雰囲気に合わせて、おしゃれポイントをデザインしましょう。
おしゃれなデザインを思いつかない場合には、設計事務所や内装業者に相談するとコンセプトをデザインしてもらえます。相談する前にオフィス廊下の施工事例の画像を集めておくと、具体的なイメージを伝えやすくなります。
下の記事でおしゃれなオフィスの施工事例を紹介していますので、併せてご覧ください。
材料費と工賃を予算内に収める
さらにオフィス廊下のデザイン・工事費用は、内装材や規模によって異なります。業者に希望条件を伝えて、材料費と工賃を予算内に収めましょう。あとから費用が膨らまないように、「〇〇万円以内」と具体的に予算を決めることがポイントです。
オフィス全体の内装工事にかかる費用の相場は、坪単価10万〜20万円程度です。オフィスの廊下は重要ですが、オフィス全体をデザイン・工事する予算に限りがあります。廊下だけを改装する場合でも、費用をなるべく抑えたいですよね。
なお予算を超えてしまう場合には、内装材のグレードダウンや工事範囲の縮小などを検討する必要があります。オフィスの内装工事費用について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
オフィスの廊下に対する法規制
オフィスの廊下に対する法規制があると先ほどお伝えしました。オフィス内の安全を保障できるように、廊下の幅や設備などの規制を踏まえてデザインしなくてはなりません。具体的な規制内容を解説しますので、デザインする際の参考にしてください。
建築基準法の定める廊下の幅
建築基準法には、廊下の幅が規定されています。両側に居室がある廊下の幅を1.6m以上確保して、他の廊下の幅を1.2m以上確保する必要があります。隣接する部屋の位置によって、規制内容が変わるわけです。
廊下の幅を測るときには、一番狭い箇所を基準にしてください。例えば廊下の途中に柱が張り出している場合は、柱の張り出している部分から幅を計測する必要があります。また計測方法としては「内法」を用います。
なお内法とは、片側の内壁の内側から反対側の内壁の内側までを測る方法です。内壁の厚みを含めることはできません。壁や柱の幅が厚すぎると廊下の幅が足りなくなる点にご注意ください。
労働安全衛生法の定める廊下の幅
労働安全衛生法においても、廊下の幅が定められています。機械同士や機械と他設備の間に設ける通路の幅を80㎝以上にしなければなりません。
上記の通路には、従業員以外の通る廊下も当てはまります。作業場と執務室が併設されているオフィスにおいては、機械の設置されている通路の幅に気をつけなければなりません。
また通路の安全性を確保するように求められています。通路から高さ180cm以内に障害物を置かない点やつまずき・すべり・踏抜などの危険がないように保持する点にご注意ください。
消防法の定める避難経路
消防法は火災の予防や災害時の被害を軽減することを目的として定められており、建築物に対して避難経路の確保が求められています。避難経路の立入検査が行われる場合があります。
廊下や階段、避難口、防火戸などに避難の妨げとなる物が放置されないように管理することが求められています。廊下は避難経路に含まれますので、普段から従業員が物を置かないように呼びかけましょう。
立入検査の際は、執務室や会議室などを確認される場合もあります。廊下だけではなく、各部屋内の通路上に、日ごろから避難の妨げになる物を置かないようにしましょう。避難経路の確保について不安な場合には、管轄の消防署にご相談ください。
消防法の定める消防設備
消防法では、消防設備の設置も義務付けられています。設置義務がある設備は、4種類(消火設備と警報設備、避難設備、消防活動用設備)です。各設備の設置基準は、業種や建築物の規模・階数などによって細かく定められています。
消火設備とは、消火器やスプリンクラーなどの消火を行う設備・機器です。警報設備は、火災報知器や非常ベルなど火災の発生を報知する設備です。避難設備は、避難はしごや誘導灯などの避難するために用いる機器や設備です。
消火活動用設備は、高層階や地下などの消火活動が困難と予想される場合に設置する必要があります。排煙設備や連結送水管、非常用コンセントなどが含まれ、階数や延べ面積によって設置基準が異なります。
通路以外にも、オフィスの内装に対する法規制があります。下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
オフィス廊下の施工事例
オフィスの廊下をデザインするために、施工事例を集めて参考にしましょう。希望条件と具体的な事例を示すことで、内装業者へ依頼しやすくなります。IDEALの施工したオフィスの廊下をいくつかご紹介します。
おしゃれで高級感のある廊下
「ナレッジスイート株式会社」様は、求職者に会社の魅力や社風が伝わるようにオフィスを増床されました。「魅せるオフィス」をコンセプトにして、ホテルライクなエントランスがデザインされました。
通路はホワイトとグレーを基調としてフロア全体で統一されており、複数の従業員が通行できるだけの幅が確保されています。内装全体で誠実さと信頼感を表現できるように、おしゃれで高級感のある廊下を目指してデザインされました。
木材の温かみを感じさせる廊下
「株式会社エージェント」様は、総合人材サービス事業を展開されています。爽やかな空間を目指して、壁や什器の一部にコーポレートカラーのブルーが取り入れられました。爽やかなブルーと調和させるように、壁には清潔感のあるホワイトが配色されています。
廊下やデスクの素材には、温かみを感じさせる木材が選ばれています。廊下に隣接する会議室の壁には、プライバシーに配慮してすりガラスが施工されました。廊下やフロア内の通路は、従業員の動線を想定してレイアウトされています。
開放的で大自然を感じさせる廊下
「株式会社 Payke」様は、創業地である沖縄の大自然を感じさせるようにオフィスをデザインされました。エントランスから放射状に各ミーティングルームがレイアウトされており、分かりやすく廊下でつながれています。
エントランスから各部屋につながる廊下には、石垣や海を連想させるモチーフが施工されています。執務室や会議室の通路には、自然を感じさせる観葉植物やグリーンの壁がデザインされています。
ABW型オフィスの廊下
「株式会社影山鉄工所/アイアンプラネットベースオブ沼津」様は、情熱や想いが交錯する空間を目指して、AWBを導入してオフィスを全面的にリニューアルされました。AWBとは、仕事内容に合わせて働くフロアや時間帯、メンバーなどを選ぶ働き方です。
業務効率化やコミュニケーション活性化を促進できるように、廊下や通路が各フロアをつないでいます。分かりやすくゾーニングできるように、フロアごとに床の素材や色が分けられています。
グラフィックペイントされた通路
「いいオフィス豊見城 by iiO」様は、コワーキングスペースやシェアオフィスを全国展開する「いいオフィス」の沖縄旗艦店です。内装空間にリゾート感を出せるように、沖縄特有の花や落ち着いた色の木目が施工されています。
140坪ほどあるフロアを分かりやすくゾーニングできるように、通路の床にグラフィックペイントが施されています。ペイントに従って通行すれば、執務エリアと会議エリア、リラックスエリアへと移動できます。
役割を果たせるオフィスの廊下をデザインしよう!
オフィスの廊下には、通路や避難経路以外にもおしゃれさの表現や情報発信などの役割があります。法規制を遵守したうえで、コンセプトや目的に合ったオフィスの廊下をデザインしましょう。記事最下部のタグをクリックして、オフィスデザインの関連情報も併せてご覧ください
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