2020.11.30 2022.11.25オフィスデザイン
海外オフィスのデザイン事例!日本オフィスとの比較調査!
本記事で、海外オフィスのデザイン事例を調査しました。海外オフィスのデザイン事例を調査する理由や日本オフィスとの比較調査の結果をご紹介します。
「海外オフィスのデザインを知りたい!」「日本オフィスとの違いはある?」とお悩みではありませんか?オフィスの開業や移転、リニューアルなどを検討している方はぜひご覧ください。
目次
海外オフィスのデザイン事例を調査する理由
まず海外オフィスのデザイン調査をする理由を押さえておきましょう。目的を明確にして調査しなければ、自社オフィスのデザインに活用できないからです。
最新トレンドを把握できるから
まず海外オフィスのデザイン事例を調査する理由として、最新トレンドを把握できる点が挙げられます。オフィスデザインのトレンドは、社会の変化に左右されます。例えばコロナ禍によりテレワークや時差通勤などが必要となり、オフィスの規模や役割が問われました。
したがって海外オフィスのデザイン事例を調査することで、日本オフィスの課題を解決するヒントを得られる可能性があります。オフィスデザインのトレンドについて次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
おしゃれ度が高いから
またおしゃれ度が高い点も、海外オフィスのデザイン事例を調査する理由です。日本だけではなく海外のオフィスも、従業員の帰属意識や企業のブランド力を高めるためにおしゃれにデザインされています。
例えば企業コンセプトを表現するために、コーポレートカラーやブランドロゴが取り入れられてオフィスをデザインできます。オフィスの内装をおしゃれにデザインするポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
機能性や生産性が重視されているから
さらに機能性や生産性が重視されているから、海外オフィスのデザイン事例を調査すべきです。従業員が業務効率を上げたり、リラックスしやすかったりするオフィスがデザインされています。
またおしゃれ度も機能性も高いオフィスをデザインできれば、従業員のモチベーションアップにつながります。コロナ禍にオフィスに求められる機能性について紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
海外オフィスのデザイン事例
理由を明確にしたうえで、海外オフィスのデザイン事例を調査していきましょう。デザインテーマごとに事例を取り上げながら、各事例の特徴をご紹介します。
企業コンセプトを表現したオフィス
まずは企業コンセプトを表現したオフィスをご紹介します。
メタ(Meta)
引用:AXIS「フランク・ゲーリーが設計するFacebookの新オフィスビル」
メタ(Meta)は、かつてフェイスブック(Facebook)として世界に名を馳せたSNSサービスを展開する企業です。経営やイメージの刷新を図るために、2021年に社名を変更しました。メタ本社ビルは、アメリカ合衆国の広大な敷地(カリフォルニア州)にあります。
常に進化を続けるオフィスであるように、「未完成」をコンセプトにオフィスがデザインされました。あえて天井の配管がむき出しのままに仕上げられたり、自由にアイデアやコメントを書き込める素材で壁が施工されています。
また気軽に話しながら作業できるワークスペースや野外のリフレッシュスペースなども特徴的です。アメリカ本社だけでなく、世界中の支社のオフィスが同じコンセプトでデザインされています。
ウーバー(Uber Technologies Inc.)
引用:TECTURE MAG「SHoPアーキテクツが設計した Uber初となる自社オフィスビル〈Uber本社〉」
ウーバー(Uber Technologies Inc.)は、タクシー配車アプリをはじめさまざまな配車・輸送サービスを提供する世界的企業です。レストランやカフェのデリバリー手配アプリのウーバーイーツ(Uber Eats)も提供しています。
ウーバー本社ビルは、アメリカ合衆国のサンフランシスコにあります。企業コンセプトの一つ「サステナビリティ」(持続可能性)に基づいて、街との調和を目指してオフィスがデザインされました。
例えばオフィスビル全体が鏡張りになっており、窓がコンピュータシステムによって可動しています。街の気候を活かして、空調設備の稼働を最小限にしています。また空調のあるスペースとのバッファーゾーンとなるように、半野外空間スペース「コモンズ」がデザインされました。
大胆なカラーリングのオフィス
次に大胆なカラーリングの海外オフィスデザイン事例をご紹介します。
ビーツバイドクタードレー(Beats by Dr. Dre)
ビーツバイドクタードレー(Beats by Dr. Dre)は、最高級の音響製品(ヘッドフォンやスピーカーなど)を販売する企業です。元々ビーツ・エレクトロニクス(Beats Electronics LLC)のブランドでしたが、2014年にアップル(Apple)の傘下に入りました。
ビーツバイドクタードレー本社ビルは、アメリカ合衆国のカリフォルニアにあります。オフィスは3つのビルで構成されており、プロジェクトごとに6ゾーンがレイアウトされています。
各ゾーンは、プロジェクトのコンセプトに基づいてデザインされています。例えばカラーリングが特徴的なゾーンでは、ワークスペースとして利用されるアトリウムに明るい青色が、廊下に鮮やかな赤色が配色されています。
また従業員が快適に働けるように、オフィス全体に自然の素材や光が取り入れられています。オフィス全体の統一感を出せるように、同じデザイナーの北欧家具が各ゾーンに配置されています。
グーグル(Google Inc.)
引用:Metropolis「From the Metropolis Archives: Designing the First “Googleplex” Office 」
グーグル(Google Inc.)は世界的に検索エンジンを提供する企業として、世界40カ国以上にオフィスを構えています。「グーグルプレックス(Googleplex)」と呼ばれる本社オフィスビルは、アメリカ合衆国のカリフォルニアにあります。
オフィスビルの外観には地域文化が取り入れられて、周囲に馴染むようにデザインされています。しかしオフィス内は、コーポレートカラーが取り入れられた鮮やかな空間です。内壁や床に赤や黄色、青色が配色されています。
また各エリアが色でゾーニングされており、コワーキングスペースがレイアウトされています。開放感と透明性を演出するために、ミーティングスペースなどにはガラスパーテーションが施工されています。
エンターテイメント性を出したオフィス
次にエンターテイメント性を出した海外オフィスのデザイン事例をご紹介します。
エアビーアンドビー(Airbnb, Inc.)
引用: Airbnb Design「Worldly Workspaces」
エアビーアンドビー(Airbnb, Inc.)は、世界的に民泊事業を展開している企業です。「暮らすように旅をする」を提唱しており、本社オフィスビル(アメリカ合衆国のサンフランシスコ)には旅を体感できるデザインが採用されています。
例えば各エリアに、世界中の地名が付けられています。従業員や来訪者に旅行気分を感じてもらえるように、地名に由来するインテリアが飾られています。また開放的な雰囲気を演出できるように、大きなガラス張りの吹き抜けがデザインされており、オフィスビルの上下階を見渡せます。
なお落ち着いた印象が出るように内装空間が暖色系でまとめられており、作業に応じて場所を選べるようにコミュニケーションスペースも集中ブースもレイアウトされています。
参考:Airbnb Design「Worldly Workspaces」
マイクロソフト(Microsoft Corporation)
参考:DIAMOND online「米マイクロソフト本社で、「効率的な働き方」を取材してきた」
マイクロソフト(Microsoft Corporation)は、コンピュータソフトウェア企業です。「Windows」や「Microsoft Office」などを開発してきました。本社オフィスビルは、アメリカ合衆国のシアトルにあります。
本社の広大な敷地には、本格的にスポーツを楽しめる施設(テニスコートやバスケットコートなど)や散歩道、池などがデザインされています。オフィスビル内から、敷地内の緑豊かな自然を眺めることが可能です。
オフィスフロアには、個室で仕事をするスタイルもコミュニケーションしながら業務に取り組む形も可能にするために、フリーアドレス制が導入されています。おしゃれで落ち着いた雰囲気になるように、白やグレーを基調とした内装空間の一部に緑や木目が施工されています。
コミュニケーション活性化を促すオフィス
さらにコミュニケーション活性化を促す海外オフィスデザイン事例をご紹介します。オフィスにコミュニケーションが必要な理由について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
スポティファイ(Spotify Technology SA)
引用:Spotify For The Record「Office Tour: Behind the Scenes at Spotify’s Creative, Collaborative NYC HQ」
スポティファイ(Spotify)は、スウェーデンの音楽配信サービスを提供する企業です。アメリカ合衆国ニューヨークのオフィスビルには、コミュニケーション活性化を促す工夫が施されています。
例えば「ストリングウォール」。異なるエリアの従業員同士が気軽に話しかけられるように、空間が壁やパーテーションではなく糸で仕切られています。また従業員同士がリラックスして会話できるように、居心地の良いソファが配置されて、音楽を楽しめるスペースがレイアウトされています。
なお本社のあるストックホルムの雰囲気を演出するために、木目の階段に白や黒、深いビロード色のクッションを配置しています。
エバーノート(Evernote Corporation)
引用:MdN DESING INTERACTIVE「こんなオフィスで働きたい! 海外編 Evernote Corporation 第2話」
エバーノートは、さまざまな形式のテキストや画像を保存できるサービスを提供する企業です。エバーノートの本社オフィスビルは、アメリカ合衆国のカリフォルニアにあります。
コミュニケーション活性化のために、開放的な階段がレイアウトされています。木目で穏やかな印象で、広々としているので座って作業することも可能です。また吹き抜けになっているため、階段の踊り場でミーティングが開催されています。
なおフロアの一部にスタンディングデスクが配置されています。全自動で高さの調節が可能で、運動不足解消だけではなく、従業員同士が集まって気軽に話し合える場所になっています。
海外と日本のオフィスデザインの比較
海外オフィスのデザイン事例を調査したうえで、日本オフィスのデザインと比較してみましょう。相違点や共通点を分析して、オフィスの機能性や生産性、ブランド力などを向上させましょう。
国民性の違い
まず海外と日本のオフィスデザインには、国民性の相違点が見られます。例えば個人主義の強い国では、個人の能力や権利が重要視されます。よってオフィスデザインにおいても従業員一人一人のモチベーションや生産性が重視されて、フリーアドレスやABWが導入されやすいです。次の記事でフリーアドレスやABWを解説しています。
一方の日本でも個人主義が尊重されるようになりつつも、全体主義が重視されてきました。したがってオフィスフロアに従業員全員を収容できるサイズのミーティングルームやワークスペースがレイアウトされてきました。
ただし個人主義か全体主義のどちらかだけを重視するのではなく、オフィスの事業方針や従業員数、社会の変化などに応じたオフィスデザインが重要です。
レイアウトの違い
次にオフィスフロアのレイアウトにも、海外と日本のオフィスデザインの相違点が出やすいです。世界的に事業展開している大企業は広大な土地を確保できるため、敷地内にオフィスビルだけではなく庭園やグラウンドなどもデザインできます。
日本のオフィス街では、限られた土地を有効活用したオフィスデザインが求められます。例えば多目的ルームをレイアウトして施工型パーテーションを配置することで、用途に応じてミーティングルームや集中ブースとして利用可能です。次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
デスクの違い
さらに海外と日本のオフィスデザインの相違点は、デスクの形にも見られます。例えば海外オフィスでは、運動不足解消やコミュニケーション活性化のために、フロアの一部にスタンディングデスクが配置されています。昇降機能付きなら、立ったままでも座っても作業できます。
もちろん日本オフィスにも、スタンディングデスクを導入できます。ただし従業員の働き方や希望に応じて、一般的なデスクとスタンディングデスクのどちらも選択できるようにしましょう。導入する目的を明確にすることがポイントです。
デスク配置の共通点
なお海外と日本のオフィスデザインには共通点もあります。例えば「島型」のデスク配置は海外オフィスにも日本オフィスにも採用されています。部署内でのコミュニケーションが取りやすい点が特徴です。
また島型のデスク配置には、バリエーションがあります。デスク4台を一組にした「四つ葉のクローバー」タイプなら、業務に集中しやすく、適度な距離感を保てます。執務室のデスク配置について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
リフレッシュスペースの共通点
またリフレッシュスペースにも、海外と日本のオフィスデザインの共通点があります。日本でも海外でも、休憩時間に気分転換できるリフレッシュスペースがオフィス内に求められています。
例えばカフェのような休憩スペースや従業員同士で楽しめるゲームスペースなどがレイアウトされていると、オフィス全体の生産性向上を期待できます。リフレッシュスペースの施工事例を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
海外の事例を参考にしてオフィスをデザインしよう!
海外にはトレンドを取り入れながら、働きやすさやブランディングのためにデザインされているオフィスがあります。国民性や敷地面積などの違いに考慮しつつ、海外の事例を参考にしてオフィスをデザインしましょう。
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