2021.06.18 2024.04.01オフィスデザイン
オフィスにアートを取り入れる方法と費用!効果や注意点、事例も紹介
本記事で、オフィスにアートを取り入れる方法と費用を解説します。また効果や注意点、事例もご紹介します。オフィスの開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
オフィスのアートに関する基本情報
オフィスにアートを取り入れる前に、基本情報を押さえましょう。基本情報を押さえることで、オフィスに適したアートを選びやすくなるからです。それではオフィスに取り入れられるアートの種類や効果、メリット、デメリットをご紹介します。
種類
まずオフィスに取り入れられるアートの種類には、絵画や彫刻、オブジェ、トリックアートなどがあります。完成されたアート作品の展示やオフィスの壁面や床面をキャンバスとしたウォールアートやオブジェの制作が可能です。
なおアートの作品ごとに、サイズや重量、素材(キャンバスや石材など)などが異なります。アートを取り入れる目的や場所などに応じて、オフィスに適したアートを選びましょう。
効果
次にオフィスにアートを取り入れる効果として、従業員のモチベーション向上や経営理念の可視化などが挙げられます。仕事の合間にアートを鑑賞することで気分をリフレッシュできれば、仕事に対するモチベーション向上に繋がります。
またオフィスのコンセプトや事業内容などに基づいてアートを制作すれば、経営理念の可視化が可能です。経営理念を従業員に浸透させることができれば、帰属意識や生産性の向上などに繋がります。
メリット
またオフィスにアートを取り入れるメリットとして、節税対策やブランディングなどが挙げられます。企業が美術品(絵画や彫刻)や工芸品などを購入した場合には、減価償却資産として会計処理が可能です。
参照元:国税庁「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」
そしてエントランスや会議室などにアートを取り入れることで、来訪者や消費者にオフィスのイメージを印象づけやすいです。オフィスに対するイメージアップは、商品・サービスの認知度や企業に対する信頼感などの向上につながります。
デメリット
ただしコストや盗難・紛失のリスクなどは、オフィスにアートを取り入れるデメリットです。オフィスにアートを取り入れるためには、アート作品を選定する時間や展示用の設備・機器・什器の購入費用などが発生します。
またアート作品の管理を徹底できないと、盗難・紛失のリスクが高まります。アート作品の盗難や紛失のリスクを下げるためには、アート作品の管理方法や鑑賞ルールなどを設定しましょう。
オフィスにアートを取り入れる方法と費用
基本情報を押さえたうえで、オフィスにアートを取り入れる方法と費用も確認しましょう。本記事では、4点(アート作品の購入やサブスクリプション、制作依頼、自主制作)を取り上げます。
アート作品の購入
まずオフィスにアートを取り入れる方法として、アート作品の購入が挙げられます。アート作品を取り扱っているギャラリーやバイヤー、百貨店、オンラインストアなどから、購入が可能です。
アート作品の購入費用は、1点当たり数万円〜数百万円程度です。アート作品の種類や作者、サイズごとに、購入費用は異なります。アート作品を減価償却する際は、1点あたり100万円未満でなければなりません。企業の減価償却資産として購入したい場合は、アート作品の金額に注意しましょう。
参照元:国税庁「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」
サブスクリプションの契約
次にサブスクリプションの契約も、オフィスにアートを取り入れる方法です。高額なアート作品を定額でレンタルしたり、アート作品を定期的に入れ替えたりできます。契約内容によっては、数点のアート作品のレンタルが可能です。
サブスクリプションの契約費用は、1点あたり月額数千円〜数万円程度です。アート作品の種類やサイズ、点数などによって、費用は異なります。月額料金にはアート作品のレンタル料だけでなく、送料やクリーニング代などが含まれている場合もあります。
オフィスデザイン会社への制作依頼
続いてオフィスデザイン会社への制作依頼も、オフィスにアートを取り入れる方法です。アート制作の目的や費用などをヒアリングしたうえで制作してもらえるため、オフィスのコンセプトや経営理念などを可視化できます。
オフィスデザイン会社に制作を依頼する費用は、1㎡あたり数万〜数十万円程度です。ただし制作するアート作品の種類やサイズ、素材などによって、費用は異なります。またデザイン料が別途かかる場合もあるため、依頼前に確認しましょう。
自主制作
そして自主制作も、オフィスにアートを取り入れる方法です。従業員が参加してアートを制作することで、オフィスに対する帰属意識の向上やコミュニケーションの活性化などに繋がります。
アート作品を自社制作する費用は、1㎡当たり数千円〜数万円程度です。ただし自主製作するアート作品の種類やサイズ、素材などによって、費用は異なります。特に有名アーティストに監修や企画を依頼する場合には、別途プロデュース料も必要です。
オフィスにアートを取り入れる際の注意点
オフィスにアートを取り入れる方法と費用を押さえたうえで、取り入れる際の注意点も確認しましょう。本記事では、8点(コンセプトとテイスト、レイアウト、空調・換気、紫外線、耐震、セキュリティ、契約条件)をご紹介します。
オフィスデザインのコンセプト
まずオフィスにアートを取り入れる際の注意点として、オフィスデザインのコンセプトが挙げられます。コンセプトが固まっていることで、オフィスデザインのテイストや方向性に沿ってアート作品をデザインできるからです。
そこでコーポレートアイデンティティーに基づいて、従業員や顧客からの意見を取り入れながら、オフィスデザインのコンセプトを設計しましょう。オフィスデザインのコンセプトを設計するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
アートのテイスト
次にアートのテイストも、オフィスにアートを取り入れる際の注意点です。オフィスデザインのテイストにアートのテイストを合わせることで、統一感のあるオフィスをデザインできます。
例えばモダンテイストのオフィスであれば、現代的な雰囲気を感じさせるモノトーンの配色や硬質な素材などを取り入れたアート作品が合います。オフィスデザインにおけるテイストの種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フロアのレイアウト
またフロアのレイアウトも、オフィスにアートを取り入れる際の注意点です。サイズが大きくて重量のあるアート作品を取り入れると、簡単に移動や撤去ができません。アート作品を取り入れる前に、フロアのレイアウトを検討しましょう。
アート作品を取り入れるためにフロアのレイアウトを変更する際には、ゾーニングや動線設計が必要です。オフィスのレイアウトを変更する流れやポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
空調・換気効率
そして空調・換気効率も、オフィスにアートを取り入れる際の注意点です。以下の利用によると、劣化やカビなどによる美術品の破損を防ぐためには、湿度を50%〜60%程度に保ち、換気による屋内外の温度差に注意しなければなりません。
参照元:文化庁「文化財(美術工芸品)保存施設、保存活用施設設置・管理ハンドブック」(15ページ)
そこでアート作品を取り入れるフロアの温湿度を一定に保つために、空調・換気設備を設置しましょう。オフィスに空調・換気設備をデザインする際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
紫外線対策
それから紫外線対策も、オフィスにアートを取り入れる際の注意点です。紫外線が当たり続けると、アート作品が変色や変形する恐れがあります。紫外線対策として、窓に遮光フィルムやブラインドを施工しましょう。
ただし法令に基づいて、換気や採光のために、建築物の床面積に対して必要な窓の大きさが定められています。オフィスの窓をデザインする際のポイントについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
耐震対策
続いて耐震対策も、オフィスにアートを取り入れる際の注意点です。地震による破損や損傷を防ぐために、アート作品を展示する場所の耐震性を考慮しましょう。以下の資料によると、アートの展示場所には、鉄筋コンクリート(RC)造の耐火・耐震構造の平屋が適しています。
参照元:文化庁「文化財(美術工芸品)保存施設、保存活用施設設置・管理ハンドブック」(10ページ)
アート作品だけではなく、従業員や来訪者の安全を守るためにも、耐震対策が必要です。オフィスの耐震診断と耐震改修工事についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
セキュリティ対策
さらにセキュリティ対策も、オフィスにアートを取り入れる際の注意点です。アート作品の盗難・紛失を防ぐために、セキュリティ対策に役立つツールやシステムをオフィスに導入しましょう。
例えば防犯カメラや入退館(室)管理システムを導入すれば、オフィスに出入りする人を管理できます。オフィスセキュリティ対策に役立つツールやシステムについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
契約条件
なお契約条件も、オフィスにアートを取り入れる際の注意点です。オフィス物件の売買・賃貸借契約の条件によっては、壁や床にアートを制作できません。大型アート作品の搬入には、オフィスビル管理業者の許可が必要な場合もあります。
またアート作品をサブスクリプションする場合にも、契約条件(返却方法や破損・盗難の補償内容など)の確認が必要です。想定外のトラブルを避けるために、契約条件を確認しましょう。
オフィスにアートを取り入れた事例
注意点に気をつけながらオフィスにアートを取り入れられるように、参考となる事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(従業員に向けたメッセージとコンセプト、現代アート作品、共同制作、ネオンサイン)をご紹介します。
従業員に向けたメッセージが表現されたウォールアート
まず「株式会社レバレッジ」様は、通販・メディア事業を手がけている企業です。オフィスのエントランスに、従業員に向けたメッセージが表現されたウォールアートが制作されています。
ウォールアートのエントランス側には、躍動感のあるトーンで社名が描かれています。もう一方のオフィス側には、従業員を鼓舞する情熱的なメッセージがデザイン。コーポレートカラーの赤が用いられた明るいトーンのアート作品です。
オフィスデザインのコンセプトが表現されたウォールアート
次に「株式会社C-mind」様は、定額制プリンターサービスや就活生に向けたリクルートスーツの無料貸出サービスを展開している企業です。来客用スペースのアイキャッチとして、オフィスデザインのコンセプトが表現されたウォールアートが制作されています。
ウォールアートに表現されたコンセプトは、「自分なりの色やアイディア 」と「Creative Mind」です。アーティスト「Gravityfree」によるアート作品です。
常時展示されている現代アート作品
続いて「GMOインターネット株式会社」様は、インターネットインフラ事業を主軸に、インターネット広告やメディア事業などを展開している企業です。オフィスには、現代アート作品が常時展示されています。
現代アート作品は、会議室のフロアに展示されています。グループ代表が収集した現代アート作品です。従業員やビジネスパートナーのクリエイティビティを刺激する狙いから常時展示されています。
参照元:
公益社団法人 企業メセナ協議会「アートも経営もシンプルが一番 熊谷コレクション~オフィスとアートの新しい関係~ジュリアン・オピーの世界」
アーティストと共同制作されたアート作品
そして「コクヨ株式会社」様は、文房具・オフィス家具・事務機器の製造や販売をしている企業です。東京品川オフィスでは、アート作品がアーティストと共同制作されました。ダイニングテーブルの天板やウォールアートとして活用・展示されています。
他にもアート作品が収集・展示されており、ショールームとして一般公開されています。従業員だけでなく、一般の方も鑑賞が可能です。
参照元:
コクヨ「「THE CAMPUS」オープンから1年 アート21点の設置を完了」
ARTnews JAPAN「アートで創造性を高める、コクヨ自社オフィスでの実験的実践~THE CAMPUS(ザ・キャンパス)」
社名が表現されたネオンサイン
それから「BIZcomfort川崎東口」様は、シェアオフィスも併設するコワーキングスペースです。オフィスのエントランスには、社名が表現されたネオンサインが施工されています。ネオンサインが映えるようにフェンスが施工されたアート作品です。
なおコワーキングスペースのカフェブースやワークブースには、ウォールアートや絵画などのアートも取り入れられています。
参照元:BIZcomfort川崎東口「川崎のコワーキングスペース・レンタルオフィス」
オフィスに取り入れるアートを検討しよう!
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