2022.08.07 2022.11.19オフィス内装工事
オフィス内装工事費用を解説!相場・坪単価・内訳・見積もり・抑え方

「オフィスの内装工事にいくらかかる?」「工事費用をなるべく抑えたい」とお悩みではないでしょうか?内装工事費用の相場と内訳を把握したうえで、予算内に抑えることが重要です。
そこで本記事では、オフィス内装工事費用について解説していきます。費用の相場や坪単価、内訳、抑え方、見積もりをご紹介しますので、オフィスの開設や移転、リニューアルをご検討中の方はぜひご覧ください。
目次
オフィス内装工事の費用相場・坪単価

オフィス内装工事の費用相場は、坪単価10万〜30万円程度です。ただし物件の種類(スケルトンか居抜きか)によって、費用が大きく異なります。居抜き物件とスケルトン物件にかかる工事費用について確認していきましょう。
スケルトン物件の場合
スケルトン物件は、建物の躯体に内装や設備が施工されていない状態です。スケルトン物件の内装工事費用相場は、坪単価20万〜30万円程度です。50坪のオフィスであれば1,000万〜1,500万円程度の費用がかかります。
物件の一般的な賃貸借契約においては、借主には賃貸物件を退去する際に入居前の状態に戻す「原状回復義務」があります。そのためスケルトン状態の物件を賃貸すると、居抜き物件と比べて工事箇所が多くて費用と時間がかかります。
しかし内装空間を一からレイアウトできるので、デザインの自由度が高いのがスケルトン物件の特徴です。内装工事を機にオフィスをブランディングしたい場合や内装デザインにこだわりがある場合におすすめです。
居抜き物件の場合
居抜き物件は、前借主が施工した設備や内装などが残されている状態です。居抜き物件の内装工事費用の相場は、坪単価10万〜20万円程度です。50坪のオフィス物件を工事する場合、500万〜1000万円程度の費用がかかります。
スケルトン物件と比べて費用が安くなる理由は、残されている設備や内装などを再利用できるからです。例えば床や建具、照明器具の状態が良ければ、工事をしなくて済みます。
居抜き物件は、オフィスを早く開設したい場合やデザインの手間を省きたい場合などにおすすめです。ただしスケルトン物件よりデザイン自由度が低いので、部屋数や広さ、動線などに問題がないことを確認してから賃貸契約しましょう。
オフィス内装工事費用の内訳

オフィス内装工事にかかる費用相場と併せて、内訳も確認しましょう。工事の内容が分かると、見積もりを確認する際に役立ちます。工事費用を節約するために、主な工事内容をご確認ください。
仮設工事費
仮設工事費は工事を安全に進めるために必要で、内装工事を行うための足場組み費や仮設トイレ設置費、清掃費、安全管理要員の人件費などが含まれます。居抜き物件の内装工事では壁や天井、電気設備などの大がかりな工事がなければ、仮設工事費が安く済みます。
軽鉄工事費
軽鉄工事費は軽い鉄骨を使い天井や壁に骨組みを設置する費用で、「軽天工事費」や「LGS工事費」とも呼ばれます。軽鉄工事は天井や壁の土台を施工するので、内装空間の耐久性や安全性に関わります。次のボード工事までを含めて軽鉄工事が進められる場合もあります。
ボード工事費
ボード工事費は、軽鉄工事で施工された格子状の鉄骨に石膏ボードなどを貼り付けていくために必要です。ボードを貼り付ける前に遮音材や断熱材が施工される場合もあります。パテでボードとボードの間を埋めることで、表面を滑らかに仕上げられます。防音室などを施工する場合は、特殊素材を使用するため費用が高くなります。
仕上げ工事費
仕上げ工事費はボードの上にクロスなどを貼って壁や天井を仕上げるために必要で、「表装工事費」や「内装工事費」とも呼ばれます。クロス以外にも塗装や左官などの方法が可能で、内装空間のデザイン性に関わります。内装材のグレードや施工方法、什器の造作などによって、費用が前後します。
間仕切り工事費
間仕切りを設置する工事にかかる費用です。間仕切りは、部屋と部屋を区切る内壁です。パーテーションと呼ばれる物もあり、内装に固定される施工型とレイアウト変更できる置き型があります。内壁よりも、パーテーションの費用が安いです。
居抜き物件に残された間仕切りやパーテーションを使用するなら、追加工事の費用がかかりません。ただしレイアウトを変更することができない点にご注意ください。
建具工事費
建具は建物内の開口部に取り付けられる設備で、ドアや窓、シャッター、自動ドアなどが該当します。可動部分(ドアや窓)だけでなく、可動部分を支える設備(ドア枠やサッシなど)も建具に含まれます。
建具の中心的な素材は木材と金属ですが、部分的にガラスや障子紙、プラスチックなども使用されます。居抜き物件に残された建具を使用するなら、追加工事の費用がかかりません。
電気・通信・照明設備工事費
電気・通信・照明設備工事費には、コンセント・電話・LANケーブル、照明器具などを取り付けるために必要です。従業員数や部屋数などによって、施工する場所や設備の数などを検討しましょう。
照明器具の施工費は、1万〜2万円程度/照明1台かかります。照明スイッチを壁に取り付ける費用は、5千円程度/照明1台です。部屋の用途に合わせて、照明の種類や明るさを検討してください。一般的に施工される埋め込み型のほかにも、シーリングファン型やブラケット型などがあります。
空調設備工事費
空調設備工事費は、換気や冷暖房に必要な空調設備(換気扇やエアコンなど)を設置するために必要です。居抜き物件に残された空調設備を利用可能なら、工事費を省くことができます。
なお空調設備を設置する前に配管工事(室外機と本体設備の接続作業)や電気工事(動力源の確保)が必要になると、費用が高くなります。
水道設備工事費
水道設備工事費は、給排水設備を施工する費用です。オフィス内への給水やトイレやシンクからの排水のためには、配管工事が必要です。またトイレやシンクなどの設備工事も含まれます。
居抜き物件でトイレやシンクを改修しなければ、特に追加費用はかかりません。しかし高圧洗浄するなら、20万〜25万円程度かかります。
消防設備工事費
消防設備工事費は、建物の用途や構造などに応じて設置が義務付けられている消火設備を設置する費用です。消火設備には消火栓やスプリンクラーが含まれ、従業員や来訪者を守るために必ず必要です。
なお居抜き物件には基本的に消防設備が設置済みですが、10〜20年で交換が必要です。
看板・サイン設置工事費
看板・サイン設置工事費は、看板やサイン(案内表示)などを設置するために必要です。一般的なオフィスにはエントランスのロゴやトイレの人形マーク、部屋の用途を知らせるプレートなどが施工されます。居抜き物件に再利用できない看板やサインなどが残されていると、撤去費用がかかります。
なおオフィス内装工事の流れについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
オフィス内装工事費用の見積もり

上記の費用相場と内訳を踏まえて、オフィス内装工事費用の見積もりをご紹介します。50坪のスケルトン物件と居抜き物件の内装工事費用を試算して表にまとめましたので、ご覧ください。
内装工事費用の内訳 | スケルトン物件 | 居抜き物件 |
仮設工事費 | 20万〜30万円程度 | 10万〜20万円程度 |
軽鉄工事費 | 40万〜50万円程度 | 0〜30万円程度 |
ボード工事費 | 40万〜50万円程度 | 0〜30万円程度 |
仕上げ工事費 | 300万〜400万円程度 | 0〜300万円程度 |
間仕切り工事費 | 100万〜150万円程度 | 0~50万円程度 |
建具工事費 | 100万〜150万円程度 | 0〜50万円程度 |
電気・通信・照明設備工事費 | 50万〜150万円程度 | 0〜50万円程度 |
空調設備工事費 | 50万〜150万円程度 | 0〜50万円程度 |
水道設備工事費 | 50万〜100万円程度 | 0〜50万円程度 |
消防設備工事費 | 50万〜100万円程度 | 0〜50万円程度 |
看板・サイン設置工事費 | 50万〜100万円程度 | 30万〜80万円程度 |
他の工事費※造作家具の施工や解体、廃棄処理など | 0万から250万円程度 | 0〜250万円程度 |
合計 | 1,000万〜1,500万円程度 | 500万〜1,000万円程度 |
各工事を別々の業者へ依頼すると、各業者に相談する時間や手数料を費やさなくてはなりません。内装のデザインから施工までをワンストップで依頼できる業者なら、余分なコストを削減できます。
またオフィス内装専門業者に依頼することで、デザインや工事の細部までこだわることが可能になります。業者に見積もりを依頼して、提案される工事の内容や費用などを検討しましょう。
オフィス内装工事費用の抑え方

業者に内装工事を依頼するときには、不要な工事を減らして費用を抑えることが必要です。余分な費用を抑えるためには、いくつもコツがあります。オフィス内装工事費用の抑え方をいくつかご紹介します。
複数業者から相見積もりを取る
まず業者と契約するために、複数業者から相見積もりを取るようにしてください。各業者から提案される工事の内容や費用、工期、デザインなどについて比較検討することで、不適切な契約内容を回避できるからです。
相見積もりを取る際には3〜5社程度に絞ったうえで、各業者に同じ条件を提示しましょう。相見積もりであることを業者に伝えることで、見積もられる費用の割引を期待できます。ただし費用の安さよりも、希望する内容を工事できる点がより重要です。
なおオフィス内装工事業者の選び方について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
スケルトン物件の状態を活かす
次にスケルトン物件を契約する場合には、スケルトン物件の状態を活かすことで内装工事費用を抑えられます。例えば壁や天井を「打ちっぱなしコンクリート」の状態にすると、仕上げ工事費を抑えられます。コーティング塗装して仕上げておくことで、壁紙の貼り替え費用も抑えられます。
ただしコンクリートの性質から結露やカビが発生しやすいため、湿気対策が必要です。換気やこまめな拭き掃除などを行いましょう。また夏に暑く冬に寒くなりやすい性質もありますので、空調設備の台数や使い方の工夫も求められます。
なおオフィスをおしゃれにデザインするコツについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
居抜き物件を契約する
また居抜き物件を契約する場合にも、内装工事費用を抑えられます。設備や什器が残されている分だけ、工事費用を省けるからです。またスケルトン物件よりも工事内容を減らせる分だけ工期が少なくなるので、工事期間中にかかる賃料を節約することも可能です。
ただし居抜き物件の工事では、大きなレイアウト変更を避けましょう。施工されている設備や什器の撤去や交換をする場合には、スケルトン物件よりも工事費用が高くなる危険性があるからです。
設備・機器のグレードを検討する
さらにオフィス内に施工する全ての設備・機器にこだわると、内装工事費用が高くなります。用途によって優先順位を付けたうえで、各部屋に施工する設備・機器のグレードを検討しましょう。
例えば来訪者の利用するエントランスや応接室など以外には、グレードを下げた設備・機器を選ぶ場合があります。グレードを下げる分だけ、設備・機器の購入費用を抑えられます。また居抜き物件に設備・機器が残されている場合には、故障や破損がない状態であるかを見極めることが大切です。
なおオフィスの設備・機器の選び方について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
設備・機器の発注や調達を行う
さらに設備・機器の発注や調達を行うことも、内装工事費用の削減につながります。内装業者やデザイン会社に依頼すると、発注手数料や運搬費用がかかるからです。
ただし発注や調達を従業員に担当させる場合には、オフィス内の業務量が増える点にご注意ください。設備・機器のサイズを測ったり、適した型番を選んだりするために、時間がかかります。
適切な費用でオフィス内装工事を依頼しよう!

オフィス内装工事費用には、さまざまな工事が含まれます。費用の相場と内訳を把握したうえで、適切な費用でオフィス内装工事を依頼しましょう。予算内に内装工事を完了させるためには、無駄を省いて費用を抑えることが必要です。
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