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2023.01.20  2023.01.14オフィスデザイン

オフィスの防災マニュアル!内装デザインや防災用品も紹介

本記事で、オフィスの防災マニュアルをご紹介します。内装デザインによる防災対策やオフィスに必要な防災用品なども解説します。オフィスの開業や移転、リニューアルなどを検討している方は、ぜひご覧ください。

オフィス内装デザインによる防災対策

オフィス内装デザインによる防災対策

オフィスの内装をデザインする際には、防災対策にも目を向けることが大切です。防災対策はオフィスを出入りする人たちの命を守るために重要で、法令で定められている基準を遵守しなければ消防署より指導が入るからです。

内装制限を遵守する

まず内装制限を遵守する点が、オフィス内装デザインによる防災対策となります。一定の規模を越えるオフィスには、遵守しなければならない内装制限が定められているからです。

内装制限の内容は、オフィスの規模によって異なります

  1. 延べ面積500㎥を超える3階建てオフィス
  2. 延べ面積1,000㎥を超える2階建てオフィス
  3. 延べ面積3,000㎥を超える1階建てオフィス
  4. 延べ面積50㎥を超える排煙上の無窓居室があるオフィス

1~3に当てはまるオフィスでは、各居室の天井と壁に難燃材料を、廊下や階段の天井と壁に準不燃材料を施工しなければなりません。4に当てはまるオフィスでは、無窓居室・廊下・階段の天井と壁に準不燃材料を施工しなければなりません。

参考:e-Gov法令検索「建築基準法施工例」128条の5

他にも消防法や労働安全衛生法による内装の法規制がありますので、次の記事も併せてご覧ください。

避難経路を確保する

次に避難経路を確保する点も、オフィス内装デザインによる防災対策です。消防法には建築物に対する避難経路の確保が定められていて、確保されていない建築物には消防署より指導が入ります。

参考:e-Gov法令検索「消防法」第8条2の4

また建築基準法には、次のように廊下の幅が定められています。廊下に物を置いて実質的な道幅が狭くなっていれば法令違反となります。

参考:e-Gov法令検索「建築基準法施行令」第119条

上記の基準を満たすだけではなく、実際に避難可能な幅を検討しなければなりません。オフィスの廊下のデザインについて解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

防火設備を設置する

また防火設備を設置する点も、オフィス内装デザインによる防火対策です。消防法には、建築物に対して防火設備の設置(消火設備や警報設備、避難設備、消防活動法設備)が定められています。

参考:e-Gov法令検索「消防法施行令」第10‐29条

防火設備を工事する一般的な方法は、工事業者(内装業者や消防設備専門業者など)への依頼です。工事するオフィスに法的に義務付けられる防火設備を特定したうえで、工事はもちろん消防署への届出などもサポートしてもらえます。

なお各設備の設置基準は、業種や建築物の規模・階数などによって細かく定められています。消防法の定める防火設備について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

パーテーションの高さを検討する

さらにパーテーションの高さを検討する点も、オフィス内装デザインによる防災対策になります。部屋に天井まで届くパーテーションを施工すると、仕切られた空間が別の部屋だとみなされる点に注意してください。消防署への届け出と防火設備の工事が必要になります。

参考:東京消防庁「新たにテナントを使用する皆様へ」

ただしパーテーションによりオフィスフロアのレイアウトを変更と、造作壁とは異なり大がかりな工事がいらず、コストを抑えることができます。素材やサイズなどが幅広いので、適したパーテーションを選びましょう。次の記事も併せてご覧ください。

オフィスの防災マニュアル

オフィスの防災マニュアル

オフィス内装デザインだけではなく、オフィスの防災マニュアルを作成して防災対策しましょう。経営者としては防災対策と災害時の対応を検討したうえで、全従業員に周知する必要があります。

避難経路や防火設備を定期点検する

まず避難経路や防火設備を定期点検する点が、オフィスの防災マニュアルのポイントです。平常時から避難経路が物で塞がれていると、災害時にスムーズに避難できません。また防火設備が正常に作動しなければ、被害が大きくなってしまう恐れがあります。

そこで消防法に基づいて、消防用設備等の定期点検が義務付けられています。定期点検の頻度や方法が定められていますので、遵守しましょう。ルールを守らないと、法令違反を問われるのでご注意ください。

参考:消防庁「消防用設備には定期点検が必要です」

また建築基準法に基づいて、防災設備定期検査報告が義務付けられています。2013年に火災時に防火設備が作動しない事故が起きたため、消防用設備だけではなく、防火設備の点検も法的に義務化されたからです。

参考:公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター「防火設備定期検査報告 」

設備・機器・什器の転倒を防止する

次にオフィスの防災マニュアルに、設備・機器・什器の転倒を防止する点を盛り込みましょう。地震によりフロアの設備や機器・什器が転倒すると、怪我を負ったり、データを紛失したりする恐れがあります。一般的に高層階であるほど揺れが大きくなるので、設備・機器・什器が転倒しやすいです。

地震対策として、収納家具を壁に固定したり、ガラス扉に飛散防止フィルムを貼りましょう。また滑り止めでコピー機が移動しないようにしたり、パソコンを転倒防止ベルトや粘着マットで机に固定したりする対策も可能です。

防災用品を備蓄する

また防災用品を備蓄する点も、オフィスの防災マニュアルに盛り込みましょう。オフィスに必要な防災用品には、食料やヘルメット、救急セットなどがあります。災害時に従業員や来訪者に配布できるだけの量が必要です。

しかし感染対策が求められる昨今では、災害時の食料配布は至難の業です。そのため一人分ずつ梱包されている個人備蓄を活用できます。事前に配布して各従業員が管理すれば、災害時に防災担当者が配布する手間がかかりません。

災害時の役割分担を決める

また災害時の役割分担を決める点も、オフィスの防災マニュアルに盛り込みましょう。役割分担しておかなければ、災害対応時に混乱を招いてしまいます。冷静に対応できないと、避難するスピードが遅れます。

分担すべき役割には防災責任者や情報伝達係、火災発生時の初期消火係、避難誘導係などがあります。ただし防災責任者に任せきりにするのではなく、経営者と相談しながら計画や準備を進めましょう。またイレギュラー時に柔軟に対応できる組織作りが重要です。

安否確認と情報伝達の方法を決める

また情報伝達や安否確認の方法を決めて、オフィスの防災マニュアルに記載してください。災害時には全従業員の安否を確認して、正確に避難や待機などの情報を伝達しなくてはなりません。

また特定の通信手段が利用できなくなる状況を想定して、オンラインの情報伝達システムはもちろん、オフラインの情報伝達方法も決めておきましょう。電話やスマホ、パソコンからアクセスできる災害用伝言サービスがあります。

参考:首都直下地震帰宅困難者等対策協議会「事業所における帰宅困難者対策ガイドライン」(8ページ)

なお導入した災害用伝言サービスの利用方法を定期的に従業員に確認させましょう。災害時に急に利用しようとすると、各サービスにアクセスできなかったり、操作方法が分からなかったりするからです。オフィス通信環境について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

帰宅困難時の対応方法を決める

さらにオフィスの防災マニュアルとして、帰宅困難時の対応方法を決めてください。災害が発生して交通網が機能しなくなった際に、オフィスから自宅までの距離が10km以上の従業員は簡単に帰宅できなくなります。

参考:内閣府「帰宅困難者に係る用語の定義について」

そこで災害発生時の混乱を防ぐために、従業員や来訪者らを一時的にオフィス内に待機させることが推奨されています。オフィス内に待機できる場所を確保できないときには、行政の提供する避難場所へ誘導しなくてはなりません。

参考:首都直下地震帰宅困難者等対策協議会「事業所における帰宅困難者対策ガイドライン」(12ページ)

また各従業員に帰宅困難時の対策を促すことも大切です。長時間歩いて帰宅できるように、運動靴や携行食、帰宅経路の調査などを準備させましょう。緊急時に従業員を帰宅させる条件を定めておいて、平時から周知することが必要です。

多様な働き方に対応する

そして多様な働き方に対応するように、オフィスの防災マニュアルを検討してください。リモートワークを導入していると、従業員が働く場所はオフィスだけではありません。自宅やカフェ、シェアオフィスなどでのリモートワークが想定されます。

そこでリモートワークする従業員に対しても、メールやチャット、クラウドサービス、災害用伝言サービスなどで、安否確認と情報伝達をしなくてはなりません。緊急時や災害時に連絡を取り合えるように、リモートワークを許可する場所をルール化しておきましょう。

また災害時に防災担当者がリモートワークをしていて、オフィスに不在である状況も想定されます。災害時や緊急時にオフィス内の全従業員が同じように避難や待機の行動を取れるように、防災マニュアルを浸透させましょう。

なおコロナ禍によるオフィスデザインの課題は他にもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

避難訓練や防災教育を行う

オフィスの防災マニュアルを浸透させるためには、定期的に避難訓練や防災教育を行いましょう。防災担当者や管理職だけが防災マニュアルを把握していれば良いわけではありません。

そこで防災意識を高めるために、全従業員が参加する避難訓練や防災教育を定期的に行う必要があります。重要事項を繰り返し確認させることも重要ですし、災害の想定を変えて訓練させることも必要です。訓練中に発生した改善点について、防災マニュアルを更新しましょう。

またオフィス内での避難訓練だけではなく、オフィスビル内の他社や近隣住民らとの合同訓練も検討しましょう。災害から地域全体を守る姿勢を示すことで、企業として社会的な信頼を得ることを期待できます。

参考:内閣府「特集 オフィスの防災 : 防災情報のページ」

オフィスに必要な防災用品

オフィスに必要な防災用品

オフィス防災マニュアルとして防災用品の備蓄を紹介しましたが、具体的に必要な防災用品をご紹介します。災害時に帰宅困難でオフィス内に待機する状況において、防災用品が必要となります。常時備蓄する防災用品の種類と量を定期的に確認しましょう。

水・食料

オフィス防災用品として、まず水・食料が必要です。人が生きていくために必要不可欠な水・食料3日分を用意できると安心です。一人当たりに必要な3日分の量は、次のように計算されます。

防災備蓄用の水には、加熱処理により5年以上保存できるタイプが適しています。

参考:農林水産省「地震発生時等の防災備蓄用の水として、5年保存や7年保存、15年保存などの長期保存水が販売されていますが、これは通常販売されているペットボトル容器のミネラルウォーターとはどのように違うのですか。」

また防災備蓄用の食品にはアルファ化米やみそ、梅干しやカップ麺、缶詰などがあります。手軽に摂取でき、長期保存可能でエネルギーを確保できるタイプを選びましょう。

参考:埼玉県「(3)3日分以上の水・食料の備蓄 ~命を守る3つの自助の取組~」

救急セット

次に救急セットも、オフィスに必要な防災用品になります。包帯や三角巾、医薬品、担架などを入れてください。緊急時や災害時に誰でもすぐ取り出せるように、目につきやすい場所に置いて、平時から従業員に保管場所を周知することが大切です。

特に担架を使い慣れていないと、いざというときに使えずに戸惑ってしまいます。避難訓練や防災教育を行うときに、従業員に使用方法を確認させてください。定期的に使用しておくことで、破損を点検することが可能です。

衛生用品

また衛生用品も、オフィスに必要な防災用品になります。トイレットペーパーや生理用品だけではなく、災害時に水が止まる状況を想定して非常用トイレも入れてください。予算があれば洗面用具やタオル、除菌用アルコールやウェットティッシュなども用意できると良いです。

特に非常用トイレはコンパクトに包装されており、使用後にゴミとして廃棄できます。ポリ袋を便器にセットして使用できますが、防災教育の一環としていざというときのために使い方を確認しておきましょう。

防具

さらにオフィスに必要な防災用品として、防具も検討してください。災害時に役立つ防具としてヘルメットや軍手、長靴やマスク、作業服などがあります。

ヘルメットは、地震発生時にガラス片やがれきなどの落下物から頭を守るために役立ちます。検定基準をクリアしたモデルを選びましょう。

参考:東和ユニフォーム株式会社「防災用ヘルメット」

軍手も、災害時に発生したガラス片やがれきによるケガを防ぎます。カッターでも切れないほど丈夫な防刃手袋もあります。耐切創レベル(手袋の切れにくさ)が高い手袋なら、救助活動にも対応できます。

参考:防災新聞「防刃手袋は護身用にも利用できる!手を守るおすすめ防刃手袋5選を紹介」

防寒用品

そして防寒用品も、オフィスに必要な防災用品に含まれます。冬場の災害時にライフラインが断たれると、オフィス内で寒さに耐えなくてはなりません。

防災用品に入れたい防寒用品として毛布やアルミブランケット、レインコート、カイロなどがあります。厚手の素材だと災害時に持ち出しにくいので、薄くて暖かい素材を選びましょう。

参考:アットレスキュー「防寒用品」

電源機器

なおオフィスの防災用品として、電源機器も必要になります。災害が発生すると電気が一時的に止まってしまうことがあるため、電源機器に暖房設備を接続したり、通信機器を充電したりできます。

災害時に役立つ電源機器にはポータブル電源や壁掛け用非常用ライト、ランタンやヘッドライト、乾電池などがあります。ポータブル電源なら電気の消費が少ない電化製品(扇風機や電気ケトルなど)を使えるため、災害時に重宝します。

オフィス防災マニュアルを徹底しよう

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