2024.08.13 2024.07.07オフィスデザイン
ユニバーサルレイアウトとは?メリット・デメリットや導入のポイント・事例
本記事で「ユニバーサルレイアウトとは?」という疑問にお答えするために、メリット・デメリットや導入のポイント・事例を解説します。オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
ユニバーサルレイアウトとは?基本情報を紹介
そもそもユニバーサルレイアウトとは、どういったレイアウトでしょうか?そこでユニバーサルレイアウトの基本情報(定義・仕組みや他のレイアウトとの違い、ユニバーサルデザインとの違い、適したオフィス)をご紹介します。
定義・仕組み
まずユニバーサルレイアウトとは、オフィスフロアに均一に並べられる座席の配置です。部署や役職によってフロアや階が分かれておらず、従業員に固定席が割り当てられる仕組みです。
従来的な座席の配置(対向型や同向型、背面型、ブース型、クロス型)では、部署や役職によってフロアや階が分けられます。執務室の座席レイアウトについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フリーアドレスとの違い
次にユニバーサルレイアウトとフリーアドレスとの違いは、固定席の有無です。一般的に、ユニバーサルレイアウトのオフィスでは従業員ごとに固定席が割り当てられます。したがって特定のエリアに、同じ部署や役職の従業員を配置できます。
フリーアドレスでは、各従業員に固定席が割り当てられません。オフィス内で働く場所を自由に選べるスタイルです。フリーアドレスのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ユニバーサルデザインとの違い
それからユニバーサルレイアウトとユニバーサルデザインとの違いは、目的と方法です。ユニバーサルレイアウトの目的は均一な座席の配置で、各従業員に固定席を割り当てる方法が採用されます。
ユニバーサルデザインの目的は多様な人が利用しやすい環境の整備で、座席配置以外の方法(自動ドアやセンサー式の照明など)もあります。オフィスのユニバーサルデザインの方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
適したオフィス
そしてユニバーサルレイアウトは、組織変更の多い企業や部署間の連携が強い企業などのオフィスに適しています。組織変更に伴い座席配置の変更が求められても、ユニバーサルレイアウトの座席配置により対応しやすいです。
ユニバーサルレイアウトのオフィスフロアには、異なる部署や役職の座席を配置できるため、部署間で連携しやすいです。ただしユニバーサルレイアウトにはデメリットもありますので、次にご紹介します。
ユニバーサルレイアウトのメリット・デメリット
基本情報だけではなく、ユニバーサルレイアウトのメリット・デメリットも確認しましょう。メリット3点(コストやデッドスペースの少なさと他部署との連携)とデメリット2点(部署の判別のしづらさと役職席の未配置)をご紹介します。
メリット①座席変更のコストが少ない
まずユニバーサルレイアウトのメリットとして、座席変更のコストが少ないです。従来的な座席の配置(対向型や同向型、背面型、ブース型、クロス型)を変更する際には、座席を移動させなければなりません。
ユニバーサルレイアウトには均一に座席が配置されているため、座席ではなく、従業員の異動(固定席の割り当ての変更)だけで済みます。組織変更の多い企業のオフィスに適している理由です。
メリット②デッドスペースが少ない
次にユニバーサルレイアウトのメリットとして、デッドスペースが少ないです。ユニバーサルレイアウトのオフィスには、部署や役職によってフロアを区切る必要がない(間仕切りや建具などが少ない)ため、限られたスペースを有効に活用できます。
特に均一に座席が配置されているユニバーサルレイアウトのオフィスに、同じタイプのデスクやチェア、キャスター付きの収納棚などを配置すれば、スペースの有効活用に加えて、備品や私物の管理も容易です。
メリット③他部署との連携を取りやすい
またユニバーサルレイアウトのメリットとして、他部署との連携を取りやすいです。ユニバーサルレイアウトのオフィスでは、同じフロアに異なる部署や役職の座席が配置されています。
例えば新規事業の立ち上げの際や特定のプロジェクト期間中だけ、関係部署の近くに固定席を配置できます。組織変更の多い企業や部署間の連携が強い企業などのオフィスに適している理由です。
デメリット①部署を判別しづらい
なおユニバーサルレイアウトのデメリットとして、部署を判別しづらいです。ユニバーサルレイアウトのオフィスには、部署や役職によってフロアや階が分かれておらず、均一に座席が配置されています。
そこで部署の判別をしやすいように、座席配置を知らせるデジタルサイネージを設置したり、勤怠管理システムを導入したりしましょう。異なる部署の従業員と打ち合わせができるように、ミーティングスペースのレイアウトも必要です。
デメリット②役職席を配置できない
それからユニバーサルレイアウトのデメリットとして、役職席が未設置になります。ユニバーサルレイアウトの座席配置の仕方によっては、従来的な座席配置よりも上司が部下の様子を管理しづらいです。
したがって役職席を配置できない代わりに、上司と部下で利用できるコミュニケーションツールや勤怠管理システムを導入したり、コミュニケーションを取りやすいカフェスペースをレイアウトしたりしましょう。
ユニバーサルレイアウトを導入する際のポイント
メリット・デメリットを踏まえたうえで、ユニバーサルレイアウトを導入する際のポイントを押さえましょう。5点(オフィスデザインと設備・機器・什器、コミュニケーションの活性化、DXの推進、従業員に対する周知)をご紹介します。
おしゃれで統一感のあるオフィスデザイン
まずおしゃれで統一感のあるオフィスデザインが、ユニバーサルレイアウトを導入する際のポイントです。従業員のモチベーションを高めたり、取引先に好印象を与えたり、求職者へアピールしたりできます。
おしゃれで統一感のあるオフィスをデザインできるように、コンセプトに基づいて内装材や配色などを検討しましょう。おしゃれなオフィスをデザインするコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
機能的な設備・機器・什器
次に機能的な設備・機器・什器の選定も、ユニバーサルレイアウトを導入する際のポイントです。業務効率や快適性を向上させられるように、フロア面積や座席数に合わせて、空調・換気設備や通信設備、照明器具などを選びましょう。
設備・機器と同様に、デスクやソファ、収納棚などの什器も必要です。業務内容や用途などに応じて、必要な什器を選定してください。オフィスで利用される什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コミュニケーションの活性化
それからコミュニケーションの活性化も、ユニバーサルレイアウトを導入する際のポイントです。通常業務や特別プロジェクトなどを円滑に進められるように、同じ部署内の上司と部下や他部署間のコミュニケーションを活性化させましょう。
ユニバーサルレイアウトのオフィスにおいてコミュニケーションを活性化させる方法には、ミーティングスペースやペーパーレス化などがあります。オフィスのコミュニケーションを活性化する施工事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
DXの推進
続いてミーティングスペースも、ユニバーサルレイアウトを導入する際のポイントです。オフィスのDX(デジタル技術によるオフィスの働き方や商品・サービスなどの変革)を推進しましょう。
ユニバーサルレイアウトのオフィスのDXを推進する方法には、デジタルサイネージや勤怠管理システム、書類電子化システムなどがあります。オフィスDXの事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
従業員に対する周知
そして従業員に対する周知が、ユニバーサルレイアウトを導入する際のポイントとして挙げられます。ユニバーサルレイアウトの目的や方法を理解してもらえるように、従業員に対する周知が必要です。
そこで研修会や掲示物などを利用して、座席の配置や利用方法などに関して、従業員に周知しましょう。ユニバーサルレイアウト導入後の課題や成果についても、定期的な共有が必要です。
ユニバーサルレイアウトの導入事例
ポイントを押さえてユニバーサルレイアウトを導入できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(市役所と可動式什器、ワーケーション、学生と社会人の利用、明るいオフィスデザイン)をご紹介します。
市役所のユニバーサルレイアウト
まず「千葉市役所」のオフィスには、スペースの有効活用やレイアウト変更コストの削減を目的として、ユニバーサルレイアウトが導入されました。座席配置には、一般職員だけではなく、課長も含まれています。
ユニバーサルレイアウトの導入により、車椅子が通行できる通路幅を確保し、空いたスペースにカフェスペースを配置できました。ただし職員ごとの固定席ではなく、グループアドレス制が採用されたユニバーサルレイアウトのオフィスです。
参照元:千葉市役所「オフィス紹介」
可動式什器の配置されたユニバーサルレイアウト
次に「アケボノ産業株式会社」のオフィスには、ユニバーサルレイアウトが導入された際に、可動式什器が配置されています。固定席の割り当て変更だけではなく、座席の移動を伴う組織変更にも対応しやすいです。
ベージュを基調とした内装空間に、ブラックの什器が採用されており、オフィスデザインのおしゃれさと統一感が保たれています。プライバシー保護のために、卓上型パーテーションが配置された座席です。
ワーケーションに適したコワーキングスペースのユニバーサルレイアウト
それから「いいオフィス豊見城 (とみぐすく) by iiO」のオフィスは、ワーケーションに適したコワーキングスペースです。執務エリアには、ユニバーサルレイアウトの座席が配置されています。
約140坪の広いオフィスフロアには、道案内の役割を果たすグラフィックペイントが取り入れられています。沖縄特有の花ブロックや観葉植物・フェイクグリーンなどによって、リゾート感が演出されているオフィスデザインです。
学生と社会人が利用するコワーキングスペースのユニバーサルレイアウト
続いて「Basis Point Schola 福岡天神西通り店」は、学生と社会人が利用するコワーキングスペースです。オープンスペースには、ユニバーサルレイアウトの座席が配置されています。
オフィスフロアには、オープンスペースだけではなく、会議室やブース席のエリアもレイアウトされています。エリアの緩やかな間仕切りとしてカーテンが使用されている内装デザインです。
明るいオフィスのユニバーサルレイアウト
そして「VENUS株式会社」のオフィスには、白のベースカラーとスケルトン天井が取り入れられており、明るいテイストでデザインされています。ユニバーサルレイアウトの座席配置です。
5階建てビル一棟がリノベーションされ、各階には動画撮影スタジオや配信スタジオ、オフィス、リラクゼーションスペースがレイアウトされています。各階の用途に適したテイストが採用されているオフィスビルのデザインです。
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