2023.03.06 2023.03.11オフィスデザイン
オフィスデザインにおける色の効果や種類!配色のポイントと事例も紹介
本記事で、オフィスデザインにおける色の効果や種類を解説します。配色のポイントや事例もご紹介します。オフィスの開業や移転、リニューアルなどを検討している方は、ぜひご覧ください。
目次
オフィスデザインにおける色の効果
オフィスデザインを検討するために、色の効果をご紹介します。色の効果を確認すると、オフィスの各フロア(応接室や執務室など)に適した色を選べます。良い効果をもたらす色を選び、従業員が働きやすい環境をデザインしましょう。
業務効率を高める
オフィスデザインにおける色の効果として、まず業務効率を高める点が挙げられます。適切な配色は、業務のクオリティやスピードの向上を期待できます。例えば寒色(青や紫など)には集中力や心の落ちつきを、暖色(赤やオレンジなど)にはモチベーションやコミュニケーションを高める効果を期待できます。
一方で白に統一されたオフィス空間は清潔感を感じさせますが、他の色が配置されないと味気なさを感じさせて業務効率を低下させる恐れがあります。各オフィスフロアの用途を踏まえて、適切な配色が必要です。
参照元:カラーセラピーライフ「色彩心理学(色の効果と心身への影響)」
スペースを広く見せる
次にスペースを広く見せる点も、オフィスデザインにおける配色の効果です。色は、進出色(膨張色)と後退色(収縮色)に分類されます。進出色(膨張食)である暖色や白をオフィスのベースカラーとして配置すると、オフィス空間を開放的に広く見せることが可能です。
一方で、後退色(収縮色)である寒色や黒をオフィスに部分的に取り入れると、オフィスの奥行きを感じさせ、引き締まった印象を与えます。配色のバランスが重要ですので、配色の目安となる割合を後ほどご紹介します。
参照元:カラーセラピーライフ「色彩心理学(色の効果と心身への影響)」
モチベーションを上げる
またモチベーションを上げる効果も、オフィスデザインの配色に期待できます。暖色(オレンジ色や黄色など)が配置されたオフィス空間には、モチベーションを上げる効果を期待できます。
したがって日々の業務を行う執務室や議論を生み出す会議室に暖色を配置すると、従業員のモチベーションを維持しやすいです。特に赤色には情熱やエネルギーを掻き立てる効果が期待されるため、オフィス内の什器や設備などにアクセントとして取り入れると、モチベーションの向上を期待できます。
参照元:カラーセラピーライフ「色彩心理学(色の効果と心身への影響)」
心理的な体感温度を変化させる
そして心理的な体感温度を変化させる点も、オフィスデザインにおける色の効果です。暖色・寒色に分類されるように、赤色やオレンジ色は暖かさを、青色や水色は冷たさを感じさせます。
そこで色の効果を取り入れて、冬場は暖色のカーテンやカーペットを、夏場は寒色のカーテンやカーペットをオフィスに配置すると、心理的な体感温度の変化を期待できます。
参照元:カラーセラピーライフ「色彩心理学(色の効果と心身への影響)」
フロアをゾーニングできる
なおオフィスデザインにおける色の効果として、フロアをゾーニングできます。ゾーニングとは、用途に応じてフロアをゾーン(部屋やスペース)に分ける作業です。オフィスフロアを配色でゾーニングすれば、各ゾーンを視覚的に認識できます。
また各部屋の用途に応じて、配置する色を選ぶことが必要です。例えばリラックススペースの床に緑色を、ワークスペースの壁に水色を、通路に灰色を配置します。オフィスフロアをゾーニングした事例を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
オフィスデザインにおける色の要素と割合
色の効果を踏まえて、オフィスデザインにおける色の要素と割合もご紹介します。オフィスデザインにおける色の要素(ベースカラーとメインカラー、アクセントカラー)について、適した割合を把握しておきましょう。
ベースカラー
まずベースカラーは、オフィス空間の基礎(ベース)となる色です。オフィスの内装空間でしたら、床や天井、壁などの大部分(70%程度)を占めます。
空間の大部分を占めるため、ベースカラーは従業員や顧客の視界に入りやすいです。視界に入りやすい分だけ、従業員や顧客に与える色の効果も大きくなります。
ただしベースカラーが目立ちすぎると、オフィス空間の配色のバランスが崩れる恐れがあります。次に紹介するメインカラーやアクセントカラーを引き立てるように、ベースカラーを選びましょう。
メインカラー
次にメインカラーは、オフィスの主役(メイン)になる色です。オフィス空間の25%程度になるように、建具(ドアやまど)や設備機器(コピー機や照明器具など)、什器(デスクやイス、キャビネットなど)などへ配色されます。
メインカラーはオフィス空間の主役になる色ですので、コーポレートカラーや商品・サービスのイメージカラーを選びます。またベースカラーとのバランスを考慮しなくてはなりません。例えばコーポレートカラーの青色をメインカラーに選んだら、ベースカラーには白やグレーなどの落ち着いた色を選びます。
アクセントカラー
アクセントカラーは、オフィス空間に変化や強さ(アクセント)を与える色です。オフィス空間の10%以下の割合で、置き換えやすいインテリアや小物などに配色されます。
空間全体に占める割合は少ないですが、アクセントカラーはオフィスデザインに変化を加えます。例えばエントランスや休憩室などに季節に合った観葉植物を飾れば、オフィスに季節感を出すことが可能です。
またアクセントカラーとして主張が強い色(赤色や黒色、金色など)を配置すると、オフィス空間が印象的になります。来訪者や求職者に興味を抱いてもらえるオフィスをデザインする際に、アクセントカラーの選び方がポイントです。
オフィスデザインに適した色の種類
オフィスデザインにおける色の要素と割合に加えて、オフィスデザインに適した色の種類もご紹介します。オフィスの業種や規模、業務内容などによって適した色は異なりますので、オフィスに配置しやすい色を取り上げました。
白色やベージュ
オフィスデザインに適した色の種類として、まず白色やベージュが挙げられます。膨張色であり、空間を広く見せる効果が期待され、オフィスのメインカラーとして天井や壁などに配色しやすいです。また純潔さや清潔感を与える白色に対して、ベージュは柔らかい印象があり、緊張感を緩めたり、安心感を与えたりする効果を期待できます。
ただしオフィスに白やベージュだけを配色して他の色を取り入れないと、集中力やモチベーションを維持しづらくなります。対策として、メインカラーとアクセントカラーに他の色を選んでください。白やベージュには、他の色を引き立てる効果を期待できるからです。
参照元:色彩心理の専門家 色とココロのコンシェルジュ「惹かれる色の心理 「ベージュ」は、穏やか?お疲れ?【色彩でココロをチェック】 」
紫色や青色
次に紫色や青色も、オフィスデザインに適した色の種類です。紫色や青色には、集中力を高めたり、気持ちを落ち着かせたりする効果を期待できます。青色は澄んだ色であるため、誠実さも感じさせます。紫色には、疲労回復や感性の刺激などの効果も期待できます。
ただしオフィスに紫色や青色を配置しすぎると冷たさや圧迫感を与え、落ち着かない空間になりやすいです。オフィス空間の部分を占めないように、メインカラーやアクセントカラーとしての配色が適します。
参照元:カラーセラピーライフ「色彩心理学(色の効果と心身への影響)」
緑色や茶色
また緑色や茶色も、オフィスデザインに適した色の種類です。緑色や茶色は自然を連想させるアースカラーで、心を落ち着かせる効果を期待できます。内装材や什器の色として選ぶだけではなく、植物を置いて緑色や茶色を配置することも可能です。健康や自然に関連する事業を展開するなら、コーポレートカラーに適しています。
ただし緑色や茶色は、オフィスのベースカラーに適しません。オフィス空間の大部分に緑色や茶色を配色すると落ちつかない雰囲気になるため、メインカラーやアクセントカラーとして配色してください。
参照元:色彩心理の専門家 色とココロのコンシェルジュ「惹かれる色の心理 「茶色」は、充実?不完全燃焼?【色彩でココロをチェック】 」
オレンジ色や黄色
そしてオフィスデザインに適した色の種類として、オレンジ色や黄色も当てはまります。オレンジ色や黄色はパワーを感じさせるため、モチベーションやコミュニケーションを活性化させやすいです。創造性や発想力が必要なオフィスに向いています。
ただしオレンジや黄を取り入れすぎると、奇抜な雰囲気になりやすいです。また広い範囲に配色すると目が疲れるため、ベースカラーには向きません。ベースカラーとのバランスを考慮して、メインカラーやアクセントカラーとして取り入れてください。
参照元:カラーセラピーライフ「色彩心理学(色の効果と心身への影響)」
オフィスの各エリアを配色するポイント
オフィスデザインに適した色の種類を把握したうえで、オフィスの各エリアを配色するポイントをご紹介します。各エリアの用途やコンセプトによって、適した色は異なります。またオフィス全体のバランスも考慮して、各エリアの配色を検討しましょう。
エントランス
まずエントランスを配色するポイントは、ベースカラーに白色やベージュなどの明るく清潔感のある色を選ぶ点です。またメインカラーとしてコーポレートカラーを取り入れると、オフィスの事業内容やコンセプトを表現しやすくなります。
またアクセントカラーとしてオレンジ色や茶色を配置する点も、エントランスを配色するポイントです。オレンジ色は明るい印象を、茶色は上品さを与えます。メインカラーとのバランスを考慮して、アクセントカラーを選びましょう。
なおオフィスのおしゃれなエントランスのデザインを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
執務室
次に執務室を配色するポイントは、従業員が作業に集中できるように青色や水色、青緑などの寒色を取り入れる点です。紫色も集中力を高めやすいため、バランスを考慮して配色してください。
ただし壁一面などの広範囲に寒色を配置すると、圧迫感を感じさせて作業に集中しづらくなる恐れがあります。ベースカラーではなく、メインカラーに寒色を選んでください。ベースカラーには、白色やベージュ、グレーなどの落ち着いた色味が適しています。
なおオフィスの執務室をデザインするポイントを解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
休憩室や食堂
また休憩室や食堂を配色するポイントは、緑色や黄色、オレンジ色などの暖色系を取り入れる点です。緑にはリラックス効果を期待できますので、休憩室に適しています。オフィスの休憩室をデザインするポイントを解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
また暖色には、コミュニケーション活性化を期待できますので、食堂に適しています。リラックスやコミュニケーション活性化が促されると、オフィスに明るく元気な雰囲気を広げやすくなります。オフィスの食堂のデザインを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
会議室
そして会議室を配色するポイントは、黄色・オレンジ色や緑色・茶色などを配置する点です。活発な意見交換を促したいなら、黄色・オレンジ色などの暖色系でコミュニケーションの活性化を図りましょう。
一方で緊張感を和らげて落ちついた雰囲気を演出したいなら、緑色・茶色などのアースカラーを取り入れてください。観葉植物の設置や芝生のような床材などでも対応できます。
ただし地味な雰囲気や派手な空間に偏らないように、会議室全体の配色のバランスを保つ必要があります。オフィスの会議室のデザインを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
オフィスを配色した事例
オフィスの配色を検討する際に、施工事例を調査しましょう。施工事例を参考にすることで、具体的な配色をイメージしやすくなるからです。本記事では、IDEALの施工事例を取り上げながら、配色のポイントをご紹介します。
白色で清潔感のある洗練されたエントランス
「株式会社イオシス」様は、電子機器のリユースや買取、販売を行う企業です。清潔感のある洗練されたオフィスのエントランスをデザインできるように、ベースカラーに白色が選ばれました。
また床材やデスクに温かみを感じさせる木目が取り入れられており、茶色がメインカラーとなっています。そしてアクセントカラーとして、観葉植物の緑色やロゴの青が配置されています。
ブルーで清潔感のある執務室
「株式会社エージェント」様は、総合人材サービス事業を展開する会社です。清潔感のある爽やかな執務室を目指して、ベースカラーにホワイトが、アクセントカラーにコーポレートカラーのブルーが取り入れられました。
しかし寒色だけの冷たい空間にならないように、テーブルや床には温かみを感じさせる木目調(メインカラーの茶色)が採用されています。ベースカラーとメインカラー、アクセントカラーのバランスが考慮されています。
茶色で温もりのある休憩室
「株式会社明治クッカー」様は、明治の牛乳・ヨーグルトの配達事業を行う会社です。仕事の合間に温もりを感じてもらえるように、休憩室のメインカラーに茶色(アースカラー)が採用されました。壁やドア、什器などに茶色が配色されています。
なお休憩室のベースカラーには白色が配色されており、ロゴの赤色がアクセントになっています。牛乳配達事業へのイメージを変えて、若い人材が集まる職場を目指して、オフィスがデザインされました。
カラフルで明るい会議室
「株式会社グリフィン」様は、インターネットメディアや広告代理事業を行う会社です。明るい気持ちで働けるように、執務室の壁や床がカラフルに配色されています。
また会議室が明るい雰囲気になるように、カラフルに配色されています。床に赤色、壁に緑色、椅子にオレンジ色が配置された会議室や床に黄色、壁に青色、椅子に黒色が配置された会議室などがデザインされています。
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