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2024.03.30  2024.04.06オフィスデザイン

ハドルスペースとは?役割・メリット・デザインのポイント・施工事例を紹介

本記事で、「ハドルスペースとは?」という疑問にお答えして、役割・メリット・デザインのポイント・施工事例をご紹介します。オフィスの開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ハドルスペースとは?基本情報を紹介

ハドルスペースとは?基本情報を紹介

そもそも「ハドルスペース」とは、どういった空間でしょうか?そこでハドルスペースの基本情報(定義と役割、メリット・デメリット、フリースペースや会議室との違い)をご紹介します。基本情報を把握してから、ハドルスペースをデザインしましょう。

定義

まずハドルスペースの定義は、ハドルミーティング(短時間の会議)を行う空間です。ハドル(Huddle)とは、アメリカンフットボールの試合中に行われる25秒間の作戦会議で、ビジネスに取り入れられました。

ハドルスペースの種類には、壁や間仕切りのないオープンタイプや個室タイプ、スタンディングタイプ、ファミレスのようなボックスタイプなどがあります。手軽さとスピード感が、ハドルスペースで行われるミーティングの特徴です。

役割

次にハドルスペースの役割は、会議室不足の解消とプロジェクトの円滑な進行です。少人数での打ち合わせや機密性のない会議であれば、ハドルスペースを活用して会議室不足を解消できます。

また基本的にハドルスペースには予約が不要なため、必要なときにすぐ利用できます。至急会議が必要になった場合にハドルスペースを利用すれば、会議室の予約待ちをするよりもプロジェクトの円滑な進行が可能です。

メリット・デメリット

それからハドルスペースのメリットは、導入コストの低さです。オフィス内に会議室を増やすためには、オフィスの移転や壁の増設工事、什器の購入などが必要です。しかしハドルスペースなら、執務室やフリースペースのレイアウトを変更して、デスクやソファを設置すれば完成します。

しかし防音性の低さや情報漏洩の恐れは、ハドルスペースのデメリットです。周囲の雑音や情報漏洩を防止するためには、ハドルスペースの設置場所や間仕切りの方法などを検討しましょう。

フリースペースや会議室との違い

そしてハドルスペースとフリースペースや会議室との違いは、主な用途や利用方法です。フリースペースの用途は多目的で、会議だけでなく休憩や研修、イベントなどにも活用されます。

また会議室の用途は、大人数による機密性の高い情報の共有です。ハドルスペースとは異なり、予約が必要です。オフィスの会議室をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ハドルスペースに設置したい設備・機器・什器

ハドルスペースに設置したい設備・機器・什器

基本情報を押さえたうえで、ハドルスペースに設置したい設備・機器・什器も確認しましょう。7点(デスクやテーブル、チェアやソファ、照明、可動型パーテーション、ホワイトボードや電子黒板、ディスプレイモニターやプロジェクタ、カメラ・マイク・スピーカー)を取り上げます。

デスクやテーブル

まずハドルスペースに設置したい什器として、デスクやテーブルが挙げられます。デスクやテーブルを配置すれば、ノートやPCを置いて会議ができます。座席の種類によって、デスクやテーブルの適した高さが異なるため、ご注意ください。

例えばチェアやソファを配置しない場合には、立ったままの状態で会議をできるように、背の高いデスクやテーブルを設置しましょう。高さを調節できるデスクやテーブルを選ぶと、高さの異なるチェアやソファに対応できます。

チェアやソファ

次にチェアやソファも、ハドルスペースに設置したい什器です。チェアやソファに座れると、リラックスした状態で会議ができます。デスクやテーブルの高さによって、チェアやソファの適した高さやサイズが異なります。

例えば背の高いデスクやテーブルには、腰を掛けられる程度のハイチェアが必要です。ボックスタイプのハドルスペースには、4~6人掛けのソファが適しています。ただしチェアやソファのサイズや台数が増えるほど、スペースが必要ですので、ご注意ください。。

可動型パーテーション

また可動型パーテーションも、ハドルスペースに設置したい什器です。可動型パーテーションを導入すれば、簡単に空間を区切れます。空間を区切ることで、騒音や情報漏洩を防止しやすくなります。

例えば通路近くにレイアウトされたハドルスペースには、歩行者の足音や会話、視線などが入りやすいため、可動型パーテーションで区切りましょう。オフィスのパーテーションの役割や種類などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

照明

それから照明は、ハドルスペースに設置したい設備です。ハドルスペースが暗いと、業務効率を下げるリスクがあります。またWeb会議の際に自分の顔に照明が当たらないと、相手からの印象が悪くなりやすいです。

そこでハドルスペースの用途に適した照明の種類や位置、明るさなどを検討しましょう。オフィスに適した照明器具の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ホワイトボードや電子黒板

そしてホワイトボードや電子黒板は、ハドルスペースに設置したい機器です。ホワイトボードや電子黒板を導入すれば、必要な情報を共有したり、コミュニケーションを活性化させたりできます。

特に板面がデジタル化された電子黒板なら、手書きに加えて、パソコンで情報を追加・保存できます。壁に固定されるタイプやキャスターで移動できるタイプがありますので、ハドルスペースに適したタイプを選びましょう。

ディスプレイモニターやプロジェクター

さらにディスプレイモニターやプロジェクターも、ハドルスペースに設置したい機器です。パソコンの画面や資料などを投影して、必要な情報を共有したり、会議を迅速に進行したりできます。

特にタッチパネル機能のあるディスプレイモニターを導入すれば、電子黒板としても活用できます。ただし設置する際には、ハドルスペースの広さに合うサイズや適切な設置場所などを検討しましょう。

カメラ・マイク・スピーカー

なおカメラ・マイク・スピーカーも、ハドルスペースに導入したい機器です。カメラ・マイク・スピーカーを導入すれば、Web会議中の映像や音声が鮮明になるため、情報のやり取りがスムーズになります。

ただしカメラ・マイク・スピーカーを導入する際には、ハドルスペースに適した設置場所や台数を検討しましょう。大会議室とは異なり、コンパクトタイプや可動型のカメラ・マイク・スピーカーが適しています。

ハドルスペースをデザインする際のポイント

ハドルスペースをデザインする際のポイント

設備・機器・什器だけではなく、ハドルスペースをデザインする際のポイントもご確認ください。6点(設置する場所や用途に応じた広さ、利用ルール、テイスト、コミュニケーションの活性化、配色)をご紹介します。

設置する場所

まずハドルスペースをデザインする際のポイントとして、設置する場所が挙げられます。ハドルスペースには、集まりやすい場所が適しています。具体的には、従業員が頻繁に出入りする場所や執務室に近い場所などです。

例えば執務室内にハドルスペースを設置すれば、すぐに集まって会議をスタートできます。共有スペース(休憩室やトイレなど)につながる通路上にハドルスペースを設置すると、他部署の従業員同士でも集合しやすいです。

用途に応じた広さ

次に用途に応じた広さも、ハドルスペースをデザインする際のポイントです。基本的にハドルミーティングは少人数で行われるため、ハドルスペースの広さは大会議室よりも狭くて済みます

特にスタンディングタイプのハドルスペースには、チェアやソファが配置されないため、省スペースです。書類や図面などを広げたり、パソコンを使用したりするハドルスペースなら、デスクやテーブルを配置できるだけの広さを確保しましょう。

利用ルールの設定

また利用ルールの設定も、ハドルスペースをデザインする際のポイントです。ハドルスペースが期待される役割(会議室不足の解消とプロジェクトの円滑な進行)を果たせるように、利用ルールを設定しましょう。

例えば「予約不要」「1回15分まで」「最大6人まで」「利用中を知らせるランプを点灯」などのルールを設定して、会議室の不足を解消したり、プロジェクトの円滑な進行を推進したりしましょう。

オフィス全体と調和するテイスト

それからオフィス全体と調和するテイストも、ハドルスペースをデザインする際のポイントです。オフィス全体と調和するテイストのハドルスペースをデザインすることで、業務効率の向上やコミュニケーションの活性化などにつながります。

例えば基本的な配色や内装材を揃えることで、オフィス全体と調和したテイストのハドルスペースをデザインしやすいです。オフィスデザインにおけるテイストの種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

コミュニケーションの活性化

そしてコミュニケーションの活性化も、ハドルスペースをデザインする際のポイントです。従業員同士で相談しやすいハドルスペースをデザインして、日々の業務報告や意見交換などのコミュニケーションを活性化させましょう。

例えばカフェやファミレスのようなハドルスペースなら、従業員がリラックスしたムードでコミュニケーションできます。オフィスのコミュニケーションを活性化させる内装デザインについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

モチベーションを高める配色

なおモチベーションを高める配色も、ハドルスペースをデザインする際のポイントです。オフィスデザインの配色によって、従業員のモチベーションが高まれば、集中力や業務効率などの向上につながります。

基本的に寒色系(青や紫など)よりも、暖色系(赤やオレンジなど)をハドルスペースに取り入れたほうが、モチベーションを高めやすいです。オフィスデザインにおける色の効果や適した色の種類などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ハドルスペースの施工事例

ポイントを押さえたハドルスペースをデザインできるように、参考となる施工事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(働き方改革と集まりやすい場所、複数のハドルスペース、ファミレス風、可動式パーテーション)をご紹介します。

働き方改革のために導入されたハドルスペース

働き方改革のために導入されたハドルスペース

まず「ソニーコーポレート株式会社」のオフィスには、働き方改革のためにハドルスペースが導入されました。導入前の課題(「会議室が不足している」「部下の仕事の様子が見えない」)を解決するために、オープンなコミュニケーションスペースが必要でした。

ハドルスペース導入後のアンケートでは、7割の従業員が「ミーティングがしやすくなった」と回答したため、コストのかかる会議室の新設を中止。低コストで導入できるハドルスペースを増設して、働き方改革の経費削減にもつながりました。

参照元:ソムリエ「ハドルスペースは働き方改革促進の切り札!ソニーのワークスタイル変革事例」

社員が集まりやすい場所に設置されたハドルスペース

社員が集まりやすい場所に設置されたハドルスペース

次に「楽天グループ株式会社」のオフィスでは、社員が集まりやすい場所にハドルスペースが設置されています。執務室の動線上に設置されているため、利用したいときにスムーズに移動しやすいです。

ハドルスペースには、リビングのように、ディスプレイモニターとL字ソファが配置されています。従業員たちが意見交換をしながら、自由な発想が生まれる空間としてデザインされたハドルスペースです。

参照元:楽天株式会社「楽天の”働き方改革”」(24ページ)

複数のパドルスペースがレイアウトされたオフィス

複数のパドルスペースがレイアウトされたオフィス

それから「株式会社アイスタイル」のオフィスには、複数のハドルスペースがレイアウトさ。オープンタイプのハドルスペースは2箇所(執務室とライブラリールーム)に、ファミレスタイプのハドルスペースが1箇所(通路)にレイアウトされています。

ハドルスペースには、座ったまま書ける高さに、ホワイトボードが設置されています。壁に直接設置されたホワイトボードやキャスターで可動式のホワイトボードなどです。各エリアにすぐに集まれる場所がレイアウトされたオフィスです。

参照元:みんなの仕事場「会議室を作るときに参考にしたい、株式会社アイスタイルの打ち合わせスペースづくりのアイデア [オフィス訪問(2)]」

ファミレス風のハドルスペース

ファミレス風のハドルスペース

そして「株式会社内田洋行」のオフィスには、ファミレス風のハドルスペースがデザインされています。向かい合って設置されたソファの間に、図面や書類が広げられる大きさのテーブルが設置されたハドルスペースです。

テーブルの上には、ディスプレイモニターを設置されており、パソコンとつないで使用できます。また温かい色味の照明器具と観葉植物、スケルトン天井によって、明るく開放的な雰囲気のハドルスペースです。

参照元:みんなの仕事場「内田洋行のおしゃれオフィスは、働き方変革の工夫のカタマリ!営業部のグループ/フリーアドレスの使い分けに秘訣アリ (オフィス訪問)」

可動式パーテーションで区切られたハドルスペース

可動式パーテーションで区切られたハドルスペース

なお「鈴与株式会社」のオフィスでは、ハドルスペースが可動式パーテーションで区切られています。自由にパーテーションを組み合わせて、空間を有効活用できるハドルスペースのデザインです。

ハドルスペースには、グレーの枠組みに半透明のパネルが付いたパーテーションが採用されており、グレーを基調としたオフィス全体と調和しています。スケルトン天井やグリーン、大きな窓なども取り入れられて、明るく開放的なテイストです。

参照元:株式会社ロフトワーク「空間から働く人の⾏動や思考を変える 鈴与本社リニューアル」 

オフィスにハドルスペースをレイアウトしよう!

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