2021.04.30 2024.01.11オフィス経営
コワーキングスペースとは?シェアオフィスとの違い・サービス・利用のポイント・開業事例
本記事で、「コワーキングスペースとは?」という疑問にお答えするために、シェアオフィスとの違いやサービス、利用のポイント、開業事例についてご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
コワーキングスペースとは?基本情報を紹介
そもそもコワーキングスペースとは、どういった場所でしょうか?そこでコワーキングスペースの利用を検討する前に、基本情報(定義と料金プラン、利用するメリット・デメリット、シェアオフィスとの違い)をご紹介します。
定義と料金プラン
まずコワーキングスペースの定義は、異なる組織に所属する人たちが仕事のために共同で利用できる空間です。英語では「co-working space(共に働く空間)」と表記され、会社や職種などの垣根を超えて協働できます。
そしてコワーキングスペースの料金プランには、ドロップインと入居があります。「ドロップイン」は時間単位の料金プランで、「入居」は長期間(月や年などの単位)の料金プランです。
利用するメリット
次にコワーキングスペースを利用するメリットは、コストの削減や異業種との交流などです。会社の住所としてコワーキングスペースを利用すれば、初期費用(物件取得費や設備・機器・什器工事費など)を節約できます。
またコワーキングスペースで異業種との交流を深めることで、人脈を広げたり、商品やサービスをコラボレーションしたりできます。初めから他者とコワーキングスペースを借りて、商品の共同開発やプロジェクトの打ち合わせなども可能です。
利用するデメリット
ただし情報セキュリティのリスクや業務効率の低下などは、コワーキングスペースを利用するデメリットです。コワーキングスペースでは、自社の仕事に関係のない会話や作業の音などが発生する場合があります。
また自社に属さない人も利用しているコワーキングスペースでは、情報漏洩やハッキングなどのリスクがあります。コワーキングスペースを利用する際の情報セキュリティの確保については、後ほどご紹介します。
シェアオフィスとの違い
そしてコワーキングスペースとシェアオフィスとの違いは、目的や作業環境などです。コワーキングスペースの目的は、同一空間での協働であるため、交流が生まれやすい作業環境(フリーアドレスやABWなど)が整備されます。
一方で、シェアオフィスの目的は、自社に属さない個人や他社とのオフィス機能の共有です。各自の仕事に専念できるように、作業環境(個室や会議室、休憩室など)が整備されます。
なおABWのメリット・デメリットなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コワーキングスペースの主なサービス
基本情報を踏まえたうえで、コワーキングスペースの主なサービスも押さえましょう。本記事では、7点(ワークスペースと会議室、キッチン・フリードリンク・食堂、イベント、法人登記、郵便物、電話・FAX)を取り上げます。
ワークスペースの貸し出し
まずコワーキングスペースの主なサービスには、ワークスペースの貸し出しがあります。一般的なコワーキングスペースでは、固定席のないフリーアドレスのワークスペースが提供されています。カフェのようにテーブルと椅子が並んだ広い空間です。
また個室や間仕切りで仕切られた個人ブースなどを提供するコワーキングスペースもあります。ただし個室や個人ブースの利用料は、一般的にフリーアドレス制のワークスペースよりも高いです。
なおフリーアドレスのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
会議室の貸し出し
次に会議室の貸し出しも、コワーキングスペースの主なサービスです。会議室を利用すれば、他社との打ち合わせや社外向けのセミナーなどを開催できます。自社オフィスに会議室を所有しない場合にも、コワーキングスペースの会議室が役立ちます。
一般的な会議室には、デスクやチェア、ホワイトボード、司会台などの什器が配備されています。さらにプロジェクターや大型モニター、映像再生機器などの設備・機器が揃っている会議室なら、自社で購入するコストの節約が可能です。
キッチンやフリードリンク・食堂
またキッチンやフリードリンク・食堂も、コワーキングスペースの主なサービスです。キッチンを利用すれば、利用者が食事を準備したり、食品関連の商品を試作したりできます。フリードリンクコーナーが提供されているコワーキングスペースでは、自由にドリンクを飲めます。
なお食堂が併設されているコワーキングスペースなら、食事代はかかりますが、自分で調理する時間を節約できます。そして仕事の合間に、栄養のバランスの取れた食事の注文が可能です。
参照元:PR TIMES「働く人の健康づくりをサポートするコワーキングスペース『いいオフィス丸の内 by タニタ食堂』オープン」
交流会・セミナー・販売会などのイベント開催
それから交流会・セミナー・販売会などのイベント開催も、コワーキングスペースの主なサービスです。交流会・セミナー・販売会などのイベントを活用することで、利用者同士のコミュニケーションが活性化されます。
利用者向けだけではなく、地域の住民や商品・サービスの消費者へ向けて、イベントを開催できるコワーキングスペースもあります。各コワーキングスペースの利用条件を確認しましょう。
参照元: こくちーずプロ「コワーキングスペースイベント特集」
法人登記用の住所
そして法人登記用の住所も、コワーキングスペースの主なサービスです。オフィス物件を賃借して、設備・機器・什器を準備するよりも、コストを節約できます。また自宅の住所などを利用するよりも、プライバシーを保護できます。
ただし法人登記をできないコワーキングスペースやコワーキングスペースの住所では営業許可を申請できない業種があります。事業内容やコワーキングスペースのサービス内容等を踏まえて、法人登記用の住所を検討しましょう。
参照元:コワーキングスペース協会「コワーキングスペースでは法人登記・住所利用が可能。メリット・デメリットと向いている人を解説」
郵便物の受取・転送
さらに郵便物の受取・転送も、コワーキングスペースの主なサービスです。受取サービスを利用すると、不在中に代わりに郵便物を受け取って保管してもらえます。転送サービスを利用すれば、指定した住所への転送が可能です。
ただしコワーキングスペースによって、郵便物の受取・転送サービスの利用料が、別途で請求される場合があります。費用対効果を計算したうえで、必要なサービスの利用を申し込みましょう。
固定電話・FAXの番号や転送
なお固定電話・FAXの番号や転送も、コワーキングスペースの主なサービスです。取引先との連絡などに、固有の固定電話やFAXの番号を使用できます。名刺やWebサイトに固定電話やFAXの番号を記載することで、社会的な信用の高まりを期待できます。
また固定電話やFAXに着信が入った際に、指定したスマートフォンの電話番号やメールアドレスに転送してくれるサービスもあります。ただし固定電話・FAXの番号の番号や転送を利用するためには、別途サービス利用料が必要です。
コワーキングスペースを利用する際のポイント
主なサービスと併せて、コワーキングスペースを利用する際のポイントも押さえましょう。本記事では、5点(希望条件の整理と必要なサービス、ワークスペース、騒音・視線の対策、情報セキュリティ)を取り上げます。
希望条件の整理
まず希望条件の整理が、コワーキングスペースを利用する際のポイントです。コワーキングスペースの立地や広さ、利用する時間帯、料金、座席数などについて、希望条件を整理しましょう。
なお希望条件を整理する際には、事業の内容や働き方を基準にしましょう。例えばコワーキングスペースの立地を絞り込む基準は、関係する場所(従業員の自宅や自社オフィス、取引先など)からの距離や交通の便です。
必要なサービスを提供している場所
次に必要なサービスを提供する場所も、コワーキングスペースを利用する際のポイントです。利用の目的や事業内容、利用する従業員数などによって、必要なサービスは異なります。コワーキングスペースを利用する前に、必要なサービスを洗い出しましょう。
例えば資料の印刷が必要なら、OA機器を利用できるコワーキングスペースを選びます。またイベントや商談などを開催したい場合は、会議室やセミナールームなどを利用できるコワーキングスペースを探してください。
ワークスペースの確保
そしてワークスペースの確保も、コワーキングスペースを利用する際のポイントです。フリーアドレス制のワークスペースを提供するコワーキングスペースでは、固定席が約束されません。
そこでスマホアプリやWebサイトなどで、固定席や個室を事前に予約できたり、混雑状況を確認できたりするコワーキングスペースを選びましょう。サービス利用の料金プラン(時間単位や月・年単位など)も重要です。
騒音や視線の対策
また騒音や視線の対策も、コワーキングスペースを利用する際のポイントです。仕事の協働や異業種との交流などを目的とするコワーキングスペースでは、利用者同士の会話や通行などが気になりやすいため、集中力を欠いてしまう恐れがあります。
そこで騒音や視線の対策として、私語や通話ができるエリアが限定されているコワーキングスペースや個室・集中ブースを利用できるコワーキングスペース、会議室・イベントルームを利用できるコワーキングスペースなどを選びましょう。防音対策されたオフィスの事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
情報セキュリティの確保
それから情報セキュリティの確保も、コワーキングスペースを利用する際のポイントです。コワーキングスペースには、不特定多数の人が出入りするため、情報漏洩やハッキングなどのリスクがあります。
まず利用を開始する前に、コワーキングスペースの情報セキュリティ対策を確認しましょう。利用を開始してからも、持ち込んだパソコンのロックやウィルス対策などが重要です。オフィスのセキュリティ対策についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コワーキングスペースの開業事例
利用する際のポイントに加えて、コワーキングスペースの開業事例を調査しましょう。本記事では、事例5点を取り上げて、各コワーキングスペースの特徴(私語・通話のOKエリアと交通の便の良さ、無料ロッカー、宿泊施設の併設、24時間利用)を紹介します。
私語・通話のOKエリアが限定されたコワーキングスペース
まず「横浜アントレサロン」様は、神奈川県横浜市にあるコワーキングスペースです。私語・通話のOKエリアが限定されていますので、利用者同士が気兼ねなく集中作業や会議などに取り組めます。
また全ての席に、間仕切りが設置されているため、周囲の視線が気になりません。そしてスタッフが常駐しているので、利用中に相談や質問ができます。30分単位で、1名から利用が可能です。
交通の便が良いコワーキングスペース
次に「H¹O芝公園」様は、東京都港区にあるコワーキングスペースです。交通の便が良い立地で、徒歩10分圏内に4駅が存在しており、6路線を利用できます。30分程度で空港まで移動できるため、出張にも便利な立地です。
また独自の専用アプリが導入されており、ワークスペースやラウンジの利用状況を確認できます。ルーフガーデンやバルコニーの付いた個室は開放感があり、仕事の合間にリフレッシュしやすいです。
参照元:野村不動産のレンタルオフィスH¹O「【芝公園エリア】御成門駅から徒歩3分のレンタルオフィス」
無料ロッカーが提供されるコワーキングスペース
また「ドロップイン 原宿」様は、東京都渋谷区にあるコワーキングスペースです。外出時でも無料ロッカーを利用できるため、休憩や買い物などに出られます。食品の持ち込みが自由で、電子レンジと電気ケトルが設置されているため、調理や食事が可能です。
カウンター席やテーブル席の間隔が広いので、作業がしやすい内装デザインです。各席にコンセントが設置され、Wi-Fiや充電器、複合機も利用できます。料金プランは、時間や1日の単位です。
宿泊施設が併設されたコワーキングスペース
それから「.and work sibuya」様は、東京都渋谷区にあるコワーキングスペースです。宿泊施設が併設されており、ホテルラウンジのような空間で作業しながら、ベッドやシャワーを利用できます。
またフリードリンクが充実しており、夕方限定でお酒も提供されています。シェアキッチンもレイアウトされており、食事や利用者同士の交流に活用できるスペースです。利用料金には、ドロップインとマンスリーのプランがあります。
24時間利用できるコワーキングスペース
そして「リブポート浜松町」様は、東京都港区にあるコワーキングスペースです。月額プランの会員であれば、24時間利用できます。会議室も24時間利用可能ですが、予約が必要です。30分単位でレンタルできるので、柔軟にスケジュールを立てられます。
ただしプランによって利用できるサービスが異なるため、必要なサービスが含まれているプランを選びましょう。事前予約や会員登録をしなくでもワークスペースを利用できるので、気軽にドロップインできます。
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