2021.04.29 2021.04.20コラム
オフィスのスペースが余ったら”シェアオフィス”として貸し出すという考え方

「オフィスのスペースが余ってます。何か良い使いみちはありますか」というお客様への記事です。
先に結論をお伝えしましょう。
スペースが余って使いみちにお困りでしたら『シェアオフィス』として提供してみるのはいかがでしょう。
お客様のように、テレワークの普及で出社率が下がり
「オフィスがガランとしている」
「スペースが余った」
とお悩みの企業が増えています。
一方で、シェアオフィスの需要は格段に上がっています。
フリーランスが増えたのもありますが、働き方が多様化してきたのも大きな要因です。
会社でもなく家でもない『より働きやすい第3の場所』を求める人が増えてきている、ということをここでは理解しましょう。
ですから、今のお客様の状況が
「移転や縮小するほどでもない」
「でもスペースを有効活用しきれていない」
という状況なのであれば、そのスペースを”シェアオフィス”として貸し出すのがいいのかもしれません。
当記事では、自社ビルで想定した場合の『余ったスペースをシェアオフィスとして貸し出すこと』への可能性について、分かりやすくお伝えしていきましょう。
目次
シェアオフィスとは

シェアオフィスは、個人や複数の企業が”働く時間”と”場所”を共有するオフィス。
同じフロアに、A社の社員が数人いたと思えばB社の社員も何人かいる。
会社員じゃなくても、起業家やフリーのクリエイターもちらほら見られる。
月に数回訪れる人もいれば「ここが一番働きやすいから」と、毎日通っている人もいるでしょう。
そんな空間が”シェアオフィス”です。
様々な業界から人が集まるので、新しい人脈につながったり、ビジネスチャンスを掴める環境でもあります。
シェアオフィスの機能性
シェアオフィスは、オフィスとしての機能性を保てるよう、以下の設備が置かれていることが多いです↓
・OA機器
・複合プリンター
・プロジェクター
・ネット環境(無料Wi-Fi)
・ホワイトボード、マーカー類
など。
また、さまざまな提供スタイルも見られます。
たとえば
・会議ができるエリアがある
・1人で集中したい時のためのエリアがある
・フロア全体で1つの空間、自由に行き来ができる
など、利用目的に合わせて提供しているシェアオフィスもあります。
コワーキングスペースとの違いは”目的”

シェアオフィスとコワーキングスペースは、微妙に意味合いが変わります。
シェアオフィス
→施設ありきのレンタルオフィス
コワーキングスペース
→人との交流をメインにしたシェアオフィス
コワーキングスペース、シェアオフィスともに、
・料金が比較的安め
・複数の人が同じスペースを共有して仕事する
という点は同じです。
違いとしては”コミュニケーションありきの、コミュニティのための施設か”という点。
分かりやすく言うならば『人とつながるキッカケを与えられる空間=コワーキングスペース』と、理解すると良いでしょう。
とは言っても、法律やルールなどで明確に決められているわけではありません。
「ここはコワーキングスペースですよ」とアピールしているシェアオフィスも存在します。
逆にシェアオフィスで「コミュニティができた」なんてこともあるので、
「シェアオフィスとは」と、決めつける必要はないのです。
昨今ではシェアオフィスの需要と供給が高まっている

なぜなら、今まで以上により自由な働き方をする人が増えてきたからです。
自由な働き方をする人が増えてきた理由は以下のとおり↓
・テレワークが増えてきたから
・ABWという働き方が増えてきたから
「そんなことは分かっているよ」と、すでに理解しているかもしれませんね。
ですが『理解を深める、知識の再確認をする』という意味で、あえて解説していきます。
シェアオフィスを求める人が増えた理由①テレワーク推奨の影響
1つ目の理由は、テレワークが広がったから。
広がったキッカケは、新型コロナウイルス感染対策によるものでしたね。
家で仕事してきた人たちが「家だとどうしても集中できない、作業できない」と、足を運ぶようになったのがシェアオフィス。
施設にもよりますが、入退室時間を把握できることで勤怠管理が可能なシェアオフィスもあります。
家で働いてもらうよりも「管理がしやすくなる」と、会社側にもメリットがあるのです。
よって今まで以上にシェアオフィスの需要が高まると予想できます。
なぜならテレワークはこれからも推奨され続ける可能性が高いからです。
シェアオフィスを求める人が増えた理由②ABWという働き方の導入

2つ目はABWの導入です。
ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)という働き方が広がっているのをご存知でしょうか。
ABWは、簡単に言うと「働く場所と時間を自由に選べる働き方」です。
・1人で集中したいときは○○
・チームで作業したいときは△△
・普段話さない人とコミュニケーションが取りたいときは□□
など。
好きな場所や状況に合わせて『自分が最適だと感じる場所に移動して働ける』という考え方がABWです。
シェアオフィスは、このABWに適した環境だと理解されるようになってきたため、
シェアオフィスの需要が伸びてきているのです。
選択肢の1つとしてのシェアオフィス

ウィズコロナ、アフターコロナを見据えて長い目でみていくと、シェアオフィスは働きやすい環境として残り続けていくと予想されます。
なぜなら、この先もテレワークやABWの働き方が続いていくと考えられるからです。
加えて、オフィスの分散化が、シェアオフィスの需要を伸ばしている理由のひとつだと理解しましょう。
大企業の中には「本社を縮小し、支社を減らしていく」という動きが見られます。
理由は「オフィスに出社しなくても機能する」と理解されるようになったからです。
オフィス縮小や支社を減らせれば、コスト削減になり、浮いた費用を商品や環境作りのために使えるようになりますよね。
オフィスの規模を小さくする代わりに、テレワークやABWを積極的に導入する動きが活発になるのです。
そうして「シェアオフィスでも働ける」という選択肢が増やせるようになります。
結果、シェアオフィスのニーズが伸びていくと予想できますね。
シェアオフィス事業の開業方法

オフィス内の余ったスペースをシェアオフィスとして提供するのであれば、押さえるべきポイントは以下の3点です↓
・シェアオフィスの開業手続きの方法
・面積は80坪以上が望ましい
・レイアウトは動線を重要視する
それぞれ解説していきますね。
シェアオフィス開業のポイント①シェアオフィスの開業に伴う手続きは?
すでにオフィスとして機能している建物を、シェアオフィスとして貸し出す場合は、特別な資格などは必要ありません。
ですが「消防法と建築基準法に沿った設備が適用されているか」が求められます。
具体的には、
・火災報知器
・スプリンクラー
・避難経路
など、消防設備や安全性が確認できる要素が満たされているか確認しましょう。
ちなみに、オフィスを賃貸物件として借りている場合には、物件のオーナーと確認しておくのが無難です。
たとえば
・なにか禁止事項はないか
・シェアオフィスとして貸し出していいのか
・運営体制に制限があるのか(夜間禁止など)
など。
オフィス内の余ったスペースを、シェアオフィスとして提供することは、もともとの目的(オフィスとして使うだけ)ではない契約だからです。
できるだけトラブルが起きないように、あらかじめ確認しておきましょう。
シェアオフィス開業のポイント②オフィス面積は80坪以上がおすすめ

できるだけ80坪以上の面積を確保しましょう。
テニスコートの面積と同じくらいです(テニスコート≒260.76㎡、約79坪)
80坪あれば、大人が9〜10人いても狭苦しく感じません。
また、作業用のデスクとイスを工夫して設置することが求められる広さでもあります。
圧迫感を感じないよう、余白を意識した空間作りがカギです。
シェアオフィス開業のポイント③レイアウトは動線を重視する
レイアウトを考える上で重要なのは”動線”です。
シェアオフィスに適したレイアウトは、固定席を設けない”フリーアドレス制”を取り入れましょう。
そのとき、動線(人が通る通路)を意識してください。
・複雑な動線にならないか
・通路そのものに余裕があるか
・動線の先が行き止まりにならないか
など。
レイアウトはできるだけシンプルに、広々とした動線になるよう意識とするといいですよ。
まとめ:シェアオフィスはこの先も需要が伸び続けると予想できる

オフィスのスペースが余って使いみちに困っているお客様へ、シェアオフィスのとして貸し出すメリットと需要の高さについてお伝えしてきました。
シェアオフィスは、今後多くのワーカーに求められる施設のひとつ。
働き方の自由度が高くなりつつありますが、シェアオフィスそのものはまだそれほど多くありません。
ニーズが高いのに、シェアオフィスそのものは少ない。
だからこそ、今がシェアオフィスとして貸し出すチャンスなのです。
オフィスそのものを提供すること自体、抵抗感を感じる人もいることでしょう。
ですが、誰もやらないことをあえてやることで、思わぬところでプラスになる可能性もあります。
今まで以上にシェアオフィスのニーズが高まっています。
ですが、まだまだシェアオフィスは少ないのです。
そして、今まさにオフィスの使いみちに困っているのであれば、やることは限られてきますよね。
今後企業は、社員が「どう働くべきなのか」「どう働きたいのか」という、個人の価値観を尊重することが求められます。
社員一人ひとりの作業効率を上げるためにも、企業としての環境作りがより一層求められるようになるでしょう。
そのような中でも、特に集中ワークブースは、コロナウィルスの感染防止対策の一環として誕生したものの、コロナが収束した後も需要が高まっていくと考えられます。
理由は、今成り立っているこの”新しい働き方”を、以前のような”元の働き方”に戻すとは考えにくいからです。
「集中ワークブースについてもっと知りたい」
「他にどんな見本があるか気になる」
という方は、下記より詳しい内容をご覧頂けます。
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