2024.09.06 2024.07.31オフィス新設・開設
タッチダウンオフィスとは?メリット・デザインのポイント・施工事例を紹介
本記事で「タッチダウンオフィスとは?」という疑問にお答えするために、メリット・デザインポイント・施工事例をご紹介します。オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
タッチダウンオフィスとは?基本情報を紹介
タッチダウンオフィスを導入する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、導入しやすくなるからです。それではタッチダウンオフィスの定義・目的と語源の英語、導入される場所、サテライトオフィスとの違いをご紹介します。
定義と目的
まずタッチダウンオフィスの定義は、出張やテレワークなどの間に一時的に利用できる事務所です。自社オフィス内に設置される一時的な事務スペースは、タッチダウンスペースと呼ばれます。
タッチダウンオフィスの目的は、自社オフィス外における作業場所の確保です。自社オフィス外にて出張やテレワークなどをしている従業員が、タッチダウンオフィスで仕事を遂行できます。
語源の英語
次にタッチダウンオフィスの語源は、英語の「touch down」です。英語の「touch down」には、着陸や到着などの意味があります。飛行している航空機が着陸するように、出張やリモートワークをしている従業員がタッチダウンオフィスに一時的に立ち寄れます。
なお英語の「touch down」は、アメリカンフットボールやラグビーで使用されるプレーの用語です。ボールを地面に着けるプレーを意味しますが、競技によってプレーの目的が異なります。
参照元:
導入される場所(社内と社外)
それからタッチダウンオフィスが導入される場所は、社内と社外です。社内に導入されるタッチダウンスペースにより、社内のコミュニケーション活性化や多用途の利用などを期待できます。
社外に設置されるタッチダウンオフィスにより、業務効率の向上やBCPへの活用などを期待できますが、勤怠管理の難しさやセキュリティのリスクがあります。タッチダウンオフィスのメリット・デメリットについては、後ほどご紹介します。
サテライトオフィスとの違い
そしてタッチダウンオフィスとサテライトオフィスとの違いは、導入の目的や本社との位置関係などです。タッチダウンオフィスは、出張やテレワークをしている間の一時的な利用を目的とし、本社と近い距離に位置します。
一方のサテライトオフィスは、従業員や情報の一極集中の防止や地域の雇用創出、働き方改革の推進などを目的とし、本社から遠い距離に位置します。サテライトオフィスのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
タッチダウンオフィスを導入するメリット・デメリット
基本情報だけではなく、タッチダウンオフィスを導入するメリット・デメリットも確認しましょう。メリット2点(業務効率の向上とBCPへの活用)とデメリット2点(勤怠管理の難しさとセキュリティのリスク)をご紹介します。
メリット①業務効率の向上
まず業務効率の向上が、タッチダウンオフィスを導入するメリットとして挙げられます。出張やテレワークをしている従業員がタッチダウンオフィスを利用することで、会議や移動までの待ち時間を有効活用できます。
クラウドサーバーや事務用品などが整備されていれば、自社オフィスで取り組むように仕事ができます。通常とは異なる場所に、普段とは異なるメンバーが集まることで、気分転換やコミュニケーションの活性化も可能です。
メリット②BCPへの活用
次にBCPへの活用も、タッチダウンオフィスを導入するメリットです。BCP(Business Continuity Plan)は、緊急時における事業継続計画です。BCPの手段として、タッチダウンオフィスを活用できます。
ただしサテライトオフィスに比べて、タッチダウンオフィスは自社オフィスに近い距離に位置します。災害や火災、テロなどの緊急事態に備えるために、タッチダウンオフィスの立地や規模、用途などを検討しましょう。
デメリット①勤怠管理の難しさ
しかし勤怠管理の難しさは、タッチダウンオフィスを導入するデメリットです。出張やテレワークをしている従業員がタッチダウンオフィスを利用する際には、管理者が各従業員の利用状況を把握しづらいです。
そこで自社オフィスからタッチダウンオフィスの利用状況を確認できるように、勤怠管理システムやコミュニケーションツールなどの導入を検討しましょう。自社オフィスと共通のシステムを導入することが重要です。
デメリット②セキュリティのリスク
そしてセキュリティのリスクも、タッチダウンオフィスを導入するデメリットです。自社オフィスからタッチダウンオフィスへ情報を持参したり、タッチダウンオフィスにパソコンを設置したりすると、セキュリティのリスクが高まります。
そこで自社オフィスと同様に、タッチダウンオフィス内の従業員や資産などの安全を守らなければなりません。タッチダウンオフィスのセキュリティ対策については、後ほどご紹介します。
タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイント
メリットを引き出してデメリットを対策するために、タッチダウンオフィスをデザイン・工事する際のポイント(予算と立地と物件、コミュニケーション、セキュリティ対策、感染症対策、設備・機器・什器、プライバシー、社内告知)をご紹介します。
予算の確保
まず予算の確保が、タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイントとして挙げられます。タッチダウンオフィスの導入には、初期費用(物件取得費やデザイン・工事費など)と運転資金(毎月の賃料や光熱水道費など)が必要です。
そこでタッチダウンオフィスの立地や規模、用途などに応じて、予算を確保しましょう。オフィス内装工事費用の相場と内訳をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
立地と物件の選定
次に立地と物件の選定も、タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイントです。タッチダウンオフィスの立地はアクセスのしやすさやBCP計画に影響し、物件の規模や間取りは従業員の業務効率や毎月の賃料を左右します。
そこで希望条件を整理したうえで、タッチダウンオフィスに適した立地と物件を選定しましょう。オフィス物件を選ぶときのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コミュニケーションの活性化
それからコミュニケーションの活性化も、タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイントです。業務内容の変化に対応したり、従業員同士が意思疎通したりできるように、コミュニケーションを活性化させましょう。
例えばタッチダウンオフィスにフリースペースやリフレッシュスペースなどをレイアウトすれば、コミュニケーションの活性化につながります。オフィスのコミュニケーションを活性化させる内装デザインをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
セキュリティ対策
続いてセキュリティ対策も、タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイントです。オフィスにおけるセキュリティ対策は、2種類(物理的な対策とインターネット上の対策)に分けられます。
タッチダウンオフィスで保有する資産を確認して、資産管理の課題を特定したうえで、セキュリティ対策のツールやシステムを導入しましょう。オフィスセキュリティ対策に役立つツールやシステムをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
感染症対策
また感染症対策も、タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイントです。そもそも自社オフィス外にタッチダウンオフィスを開設すること(オフィスの分散)が、感染症対策になります。タッチダウンオフィス内の感染症対策も検討しましょう。
オフィス内の感染症対策方法には、レイアウト変更やABWの導入、空調・換気設備、ITツール(ビデオチャットや勤怠管理システムなど)などがあります。アフターコロナにも活用できるオフィスのレイアウトをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の手配
さらに設備・機器・什器の手配も、タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイントです。タッチダウンオフィスには、電気や照明、空調・換気、通信、OAなどの設備・機器が必要です。
またデスクやカウンター、チェア、ソファ、収納棚などの什器も、タッチダウンオフィスに必要です。オフィスで利用される什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
プライバシーの確保
そしてプライバシー保護も、タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイントです。出張やテレワークをしている従業員が、短時間に集中して作業できるように、プライバシーを確保しましょう。
オフィス内で各従業員のプライバシーを確保する方法には、造作壁の完全個室やパーテーションの半個室、可動式ブースの半個室などがあります。オフィスに設置できる個室の種類と工事費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
社内告知
なお社内告知も、タッチダウンオフィスをデザイン・工事をする際のポイントです。タッチダウンオフィスのメリットを引き出し、デメリットを対策できるように、設置の目的や利用の方法などを社内告知しましょう。
ただし利用率を高めるためには、細かすぎるルールを定めないようにし、気軽に利用できる雰囲気を醸成しなくてはなりません。利用の実績や利用者の意見などを定期的に調査して、タッチダウンオフィスの利用状況を評価・改善してください。
タッチダウンオフィスの施工事例
ポイントを押さえてタッチダウンオフィスをデザインできるように、参考となる施工事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(コミュニケーションと他社との共有、個室、WELL認証、コンビニ)をご紹介します。
コミュニケーションを活性化させるタッチダウンスペース
まず「商船三井」には、コミュニケーションの活性化を目的として、タッチダウンスペースとしても利用できる食堂がデザインされています。朝昼夕の食事やカフェ、打ち合わせ、執務などに利用できる空間です。
勤務中のタッチダウンオフィスとしてだけではなく、終業後のイベントスペースとしても利用されています。和洋食の幅広いメニューやケーキなどを提供しているライブキッチンです。
参照元:商船三井「社員食堂『ライン虎ノ門』をリニューアルオープン ~朝から夜まで人が集まるコワーキングカフェテリアへ~」
他社と共有されるタッチダウンスペース
それから「Dタワー富山」は、商業施設とオフィス物件で構成される複合テナントビルです。企業間の交流を生み出す空間として、タッチダウンスペースやラウンジ、会議室などが、他社と共有されています。
共有スペースには、セキュリティ対策や利便性のために、血流認証の施錠システムが導入されています。非接触ボタンやプラズマクラスター発生装置の設置されたエレベーター、人感センサー照明などが導入された複合テナントビルです。
参照元:
Impress Watch「商業・オフィスの複合ビル『Dタワー富山』竣工 1階にフードホール」
PR TIMES「商業施設とオフィスによる複合テナントビル『Dタワー富山』竣工(ニュースリリース)|大和ハウス工業株式会社」
個室のレイアウトされたタッチダウンオフィス
続いて「ELK×ZXY梅田新道」は、個室のレイアウトされたシェアオフィスです。法人会員制のオフィスサービスで、都心に位置しているためタッチダウンオフィスとしての利用も可能です。
オフィス内には個室だけではなく、Wi-Fiやドリンクサーバー、複合機、ロッカーなども配置されています。エントランスにはセキュリティゲートや防犯カメラが設置されており、セキュリティ対策されたシェアオフィスです。
参照元:
ザイマックス「サテライトオフィスサービス『ZXY』 関電不動産開発株式会社と事業提携し『ELK×ZXY梅田新道』を開設」
WELL認証を取得したオフィスのタッチダウンスペース
そして「アイリスオーヤマ」の東京アンテナオフィスは、WELL認証(健康やウェルネスに関する国際的なビルの評価指標)の最高ランクを取得しており、タッチダウンスペースがレイアウトされています。
タッチダウンスペース以外にも、集中スペースやトレンドショーケース、ソファエリアなどもレイアウトされています。生産性と創造性を高められるように、フレキシブルなオフィス環境です。
参照元:アイリスオーヤマ「働く人のウェルネスを高めるWELL認証とは?」
コンビニのあるタッチダウンスペース
次に「WORK VILLA MITOSHIRO」は、地上9階・地下3階のオフィスビルです。地下には
入居者専用のタッチダウンスペースやコンビニ、食堂、会議室などがあり、屋上にはルーフトップラウンジがあります。
地上の各階には、100坪程度と200坪程度のオフィス物件が区画されています。例えばオンサイト株式会社は、採用強化やパートナーとのプロジェクト進行を目的として、WORK VILLA MITOSHIROに拡張移転しました。
参照元:
住商ビルマネージメント株式会社「WORK VILLA MITOSHIRO」
PR TIMES「オンサイト株式会社、東京本社オフィスを神田『WORK VILLA MITOSHIRO』に移転」
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