2024.12.14 2024.11.02オフィスデザイン
インフォーマルコミュニケーションとは?メリット・デメリット・方法・注意点・事例
本記事で「インフォーマルコミュニケーションとは?」という疑問にお答えするために、メリット・デメリット・方法・注意点・事例をご紹介します。オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
インフォーマルコミュニケーションとは?基本情報を紹介
そもそもインフォーマルコミュニケーションとは、どういったやり取りでしょうか?そこでインフォーマルコミュニケーションの基本情報(定義と必要性、メリット、デメリット、フォーマルコミュニケーションとの違い)をご紹介します。
定義と目的
まずインフォーマルコミュニケーションの定義は、非公式の場所におけるやり取りです。例えばオフィスのインフォーマルコミュニケーションは、食堂や休憩室、通路上などで発生します。
インフォーマルコミュニケーションの目的は、相互理解やストレス緩和などです。フォーマルコミュニケーション(会議や面談などによるやり取り)とは異なり、和やかな雰囲気のやり取りができます。
フォーマルコミュニケーションとの違い
次にインフォーマルコミュニケーションとフォーマルコミュニケーションとの違いは、やり取りの内容や方法などです。フォーマルコミュニケーションにおいては、業務内容や従業員のキャリアなどについて、会議や面談などの方法でやり取りされます。
一方でフォーマルコミュニケーションにおいては、幅広い内容(オフィスの働き方や従業員の興味・関心など)について、対面での雑談やオンラインでの通話などの方法でやり取りされます。
メリット
それからインフォーマルコミュニケーションのメリットは、業務効率化や離職率低下、イノベーション促進などです。何気ない会話や雑談によって従業員同士の相互理解が深まり、職場で感じるストレスが軽減されると、業務効率化や離職率低下につながります。
フォーマルコミュニケーション(会議や面談など)で正式に提案する前に、アイデア出しや意見交換をすることでイノベーションの促進が期待されます。ただしイノベーションを促進する方法には、消極的なインフォーマルコミュニケーションだけではなく、より積極的なオープンイノベーションもあります。
デメリット
しかし誤情報の拡散やモチベーションの低下などは、インフォーマルコミュニケーションのデメリットです。フォーマルな会議や面談とは異なり、インフォーマルな雑談や通話で得られる情報が正確でない場合には、誤情報として拡散してしまうリスクがあります。
インフォーマルコミュニケーションでハラスメントやトラブルが発生すると、従業員のモチベーションが低下するリスクもあります。インフォーマルコミュニケーションを促進する際の注意点については、後ほどご紹介します。
インフォーマルコミュニケーションを促進する方法
基本情報を踏まえたところで、インフォーマルコミュニケーションを促進する方法(デスク配置の変更とフリーアドレスの導入、マグネットスペースの利用、食堂・カフェの利用、雑談タイム・懇親会の開催、チャットグループ・バーチャル背景の活用)も確認しましょう。
デスク配置の変更
まずデスク配置の変更も、インフォーマルコミュニケーションを促進する方法として挙げられます。デスクの配置によって、雑談や通話のしやすさが変化するからです。インフォーマルコミュニケーションを促進させる範囲に応じて、デスクの配置を変更しましょう。
例えば執務室のデスク配置には対向型や同向型、背面型、ブース型、クロス型などがあり、配置によって従業員同士の位置関係が異なります。各配置の特徴をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フリーアドレスの導入
次にフリーアドレスの導入も、インフォーマルコミュニケーションを促進する方法です。固定席が配置されたオフィスフロアにおいては、周囲の従業員同士では会話がしやすいですが、離れた部署の同僚とのコミュニケーションが希薄になってしまいます。
そこでフリーアドレス(各従業員に専用デスクが割り当てられず、オフィス内で働く場所を自由に選べるスタイル)を導入すれば、業務内容や気分に応じて座席を移動しながら、いろいろな人と雑談や通話がしやすくなります。
マグネットスペースの利用
またマグネットスペースの利用も、インフォーマルコミュニケーションを促進する方法です。マグネットスペース(磁石に引きつけられるように人が集まる場所)には、自販機・OA機器・給湯室などの周辺などがあります。
マグネットスペースにソファやベンチ、スタンディングテーブルなどを配置すれば、小休憩を取りながら雑談や通話をできます。ただし情報漏洩のリスクや清掃の必要性がありますので、利用方法には気をつけましょう。
食堂・カフェの利用
続いて食堂・カフェの利用も、インフォーマルコミュニケーションを促進する方法です。オフィス内に食堂を設置すれば、コミュニケーション活性化はもちろん、従業員の健康管理やコスト削減もサポートできます。
食堂を設置していないオフィスにカフェスペースを施工すれば、休憩や小規模な打ち合わせなどでの利用が可能です。オフィスのカフェスペースには、ワゴンや小上がり、カウンターなどのタイプがあります。
雑談タイム・懇親会の開催
さらに雑談タイム・懇親会の開催も、インフォーマルコミュニケーションを促進する方法です。部署や従業員によって勤務時間や業務の進め方などに違いがある場合には、雑談タイム・懇親会を開催することでインフォーマルコミュニケーションの機会を確保できます。
ただし雑談タイム・懇親会への参加を強制してしまうと、インフォーマルコミュニケーションが抑制されてしまいます。目的やルール・マナーを説明したうえで、雑談タイム・懇親会を開催しましょう。
チャットグループ・バーチャル背景の活用
そしてチャットルームやバーチャル背景の活用も、インフォーマルコミュニケーションを促進する方法です。テレワークが導入されているオフィスにおいては、雑談用のチャットルームを開設することで、ざっくばらんな雑談に利用できます。
ビデオチャットによるオンライン通話では、明るく華やかなバーチャル背景を活用することで、なごやかな雰囲気を演出できます。デジタルツール・システムを活用したオフィスのDXについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
インフォーマルコミュニケーションを促進する際の注意点
インフォーマルコミュニケーションを促進する方法を導入する際には、以下の注意点(ルールの設定と場所・時間の提供、設備・機器・什器の選定、アンケートの実施、個人面談の実施、管理職の振る舞い)に気をつけましょう。
ルールの設定
まずルールの設定が、インフォーマルコミュニケーションを促進する際の注意点として挙げられます。非公式の雑談や通話といっても、勤務時間内でのやり取りは業務内容の一部であるからです。
例えばマグネットスペースやカフェスペースを特定の従業員が独占してしまうと、インフォーマルコミュニケーションが促進されません。各スペース・ツール・制度の導入目的を周知したうえで、適切にルールを設定しましょう。
場所・時間の提供
次に場所・時間の提供も、インフォーマルコミュニケーションを促進する際の注意点です。インフォーマルコミュニケーションの場所・時間を設定することで、異なる部署・働き方の従業員同士がやり取りできます。
そこでオフィス内の雑談タイム・懇親会やオンラインのチャットグループなどの導入を検討しましょう。ただし強制的な参加を求めて、インフォーマルコミュニケーションが抑制されないようにご注意ください。
設備・機器・什器の選定
それから設備・機器・什器の選定も、インフォーマルコミュニケーションを促進する際の注意点です。各スペースの利便性・快適性・プライバシー保護などを考慮して、空調・換気設備や照明・通信機器などを配置します。
設備・機器だけではなく、ソファやスタンディングテーブル、パーテーションなどの什器も必要です。オフィスで利用される什器の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
アンケートの実施
またアンケートの実施も、インフォーマルコミュニケーションを促進する際の注意点です。従業員の理解や協力を得られるように、アンケートを実施したうえでインフォーマルコミュニケーションを促進する方法を導入しましょう。
導入前だけではなく、導入中にも定期的にアンケートを実施して、従業員の要望や社会情勢の変化、オフィスの業務内容などに応じて、インフォーマルコミュニケーションを促進する方法を評価・改善しましょう。
個人面談の実施
続いて個人面談の実施も、インフォーマルコミュニケーションを促進する際の注意点です。以下の調査結果によると、フォーマルコミュニケーションにはオンラインで対応できますが、インフォーマルコミュニケーションには対面での対応が適しています。
参照元:HR総研「HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2022 結果報告2」
特にテレワークが導入されているオフィスにおいては、従業員同士のインフォーマルコミュニケーションが促進されにくいため、対面による個人面談を実施しましょう。上司と部下や同僚間で、テレワーク中の悩みや業務の進め方などに関する相談が可能です。
管理職の振る舞い
そして管理職の振る舞いも、インフォーマルコミュニケーションを促進する際の注意点です。管理職が自らインフォーマルコミュニケーションを取る姿を示すことで、従業員全体に和やかな雰囲気を広げましょう。
フォーマルコミュニケーション(会議や個人面談)とは異なり、インフォーマルコミュニケーションにおいては、自由にアイデアや悩みを出しあえるように、管理職の振る舞いに注意が必要です。
インフォーマルコミュニケーションを促進させた事例
注意点に気をつけてインフォーマルコミュニケーションを促進できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例を5点を取り上げて、各事例の特徴(什器とマグネットスペース、チャットツール、社員食堂、フリーアドレス)をご紹介します。
インフォーマルコミュニケーションに適した什器が配置されたオフィス
まず「アイリスグループ」の目黒オフィスには、インフォーマルコミュニケーションに適した什器が配置されました。角形の什器が配置された集中スペースに対して、コミュニケーションスペースには円形の什器が設置されています。
インフォーマルコミュニケーションだけではなく、ガラスパーテーションや緑化も取り入れられており、従業員の健康にも配慮されています。組織変更に柔軟に対応できる職場環境整備を心がけている企業のオフィスデザインです。
参照元:
アイリスオーヤマ株式会社「コミュニケーション×サステナブルで新たな価値を
社員が行きたくなるオフィスへ『アイリスグループ 目黒オフィス』を開設」
マグネットスペースがレイアウトされたオフィス
次に「NTTDaTa」のオフィスには、インフォーマルコミュニケーションを促進するために、マグネットスペースがレイアウトされました。仕事の合間のリフレッシュや対話によるアイデア創出などが目的です。
マグネットスペースだけではなく、コラボレーションエリアや1onn1ミーティングスペース、会議室などもレイアウトされています。目的や人数に応じて場所を選べるオフィスフロアのデザインです。
参照元:NTTDaTa「新たなワークスタイルを実現するオフィスの構築」
チャットツールが導入されたオフィス
それから「北海道テレビ」のオフィスには、インフォーマルコミュニケーションを促進するために、チャットツールが導入されました。情報共有や気軽な雑談などの目的に応じて、複数のチャットグループが設定されています。
電話とメールでやり取りしていたチャットツール導入前と比べて、情報共有がスピーディーになり、交流の機会が増えています。少数の従業員で利用を開始し、社内全体へ広げたインフォーマルコミュニケーション促進事例です。
参照元:チャットワーク「電話とメールが中心だった北海道テレビでChatworkが果たした役割とは」
社員食堂が導入されたオフィス
続いて「グーグル・ジャパン」の六本木オフィスには、インフォーマルコミュニケーションを促進するために、社員食堂が導入されています。テーブル席が配置されており、個食ができないようにカウンターは施工されていません。
部署の異なる従業員が相席することで、インフォーマルコミュニケーションを促進している社員食堂のデザインです。Gmailのアイデアも、アメリカにあるオフィスの食堂で生まれました。
参照元:
Roots Lab「【豪華ビュッフェ】Googleの社員食堂で食べ放題無料ランチしてきました!」
みんなのオフィス「東京・六本木のGoogleに潜入!斬新『和』オフィスまるごと拝見」
フォーブスジャパン「Gmailの発想を生んだグーグルの社食に『カウンター席がない』理由」
フリーアドレスが導入されたオフィス
そして「旭化成ホームズ株式会社」のオフィスには、インフォーマルコミュニケーションを促進するために、フリーアドレスが導入されました。6タイプ(集中作業・電話・共同作業・コラボレーション・プロジェクト・会議)のワークスペースがあります。
業務内容や人数などによって、従業員が自律的にワークスペースを選択できるオフィスのデザインです。インフォーマルコミュニケーションが促進されるように、6タイプのワークスペースが交差するように配置されています。
参照元:
PR TIMES「働く人が輝くHappiness Companyの実現に向け本社オフィスをリニューアル」
Housing Tribune Online「旭化成ホームズ、フリーアドレスのオフィスへ本社をリニューアル」
インフォーマルコミュニケーションを促進する方法を検討しよう!
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