2024.06.14 2024.05.12オフィスデザイン
オフィスランドスケープとは?メリット・デメリットやポイント・事例を紹介
本記事で「オフィスランドスケープとは?」という疑問にお応えするために、メリット・デメリットやポイント・事例などをご紹介します。オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
オフィスランドスケープとは?基本情報を紹介
そもそもオフィスランドスケープとは、どのようなオフィスのレイアウトなのでしょうか?まずはオフィスランドスケープの基本情報(定義と目的、歴史、他のレイアウトとの違い)を確認しましょう。
定義
まずオフィスランドスケープの定義は、設備・機器・什器や観葉植物・フェイクグリーンなどでゆるやかにオフィスフロアを仕切るレイアウトです。高さのある間仕切り(壁やパーテーションなど)がないため、開放感のあるオフィスをデザインできます。
また各部屋をつなぐ廊下がレイアウトされないため、設備・機器・什器やグリーンの配置で動線(通路)を設計します。移動させやすい設備・機器・什器やグリーンを配置したレイアウトが、オフィスランドスケープの特徴です。
目的
次にオフィスランドスケープの目的は、多様な働き方への対応やコミュニケーションの活性化などです。オフィスランドスケープを取り入れるとレイアウト変更が容易になるので、従業員のニーズや社会情勢の変化に応じて多様な働き方に対応できます。
またオフィスランドスケープには高さのある間仕切りがないので、他部署との連携が取りやすいです。コミュニケーションが活性化して作業や問題解決のスピードが上がると、生産性の向上につながります。
歴史
そしてオフィスランドスケープの歴史も、押さえておきましょう。19世紀末期から20世紀半ばまでに、コリドータイプ(複数の個室の配置)からクローズドタイプ(部門別の部屋の配置)、ブルペンタイプ(学校のような座席の配置)へと発展しました。
そして20世紀後半に、上記の欠点(多様な働き方への対応やコミュニケーション活性化)を補うタイプとして、ランドスケープタイプやオープンプランタイプ(ローパーテーションで集中作業とコミュニケーションを両立させる座席の配置)が生まれました。
参照元:オフィスの広場「教えて一色先生!知っておきたいオフィスの歴史」
他のレイアウトとの違い
なおオフィスランドスケープと他のレイアウトとの違いは、間仕切りの方法です。コリドールタイプ・クローズドタイプブルペンタイプのオフィスは、造作壁や施工型パーテーションなどで個室や部屋が仕切られています。
また設備・機器・什器や観葉植物・フェイクグリーンなどで仕切られるランドスケープタイプのレイアウトに対して、オープンプランタイプのオフィスはローパーテーションにより仕切られます。
オフィスランドスケープのメリット・デメリット
基本情報を踏まえたうえで、オフィスランドスケープのメリット・デメリットも押さえましょう。メリット4点(低コストとレイアウト変更、コミュニケーションの活性化、開放感・明るさ)とデメリット2点(プライバシー保護と集中作業)をご紹介します。
メリット①低コスト
まず低コストが、オフィスランドスケープのメリットとして挙げられます。オフィスランドスケープには施工が必要な間仕切り(壁やパーテーションなど)が設置されませんので、内装工事費用を減らせます。
またオフィスフロアを区切らないため、部屋ごとに空調・換気設備を施工するコストもかかりません。オフィスフロア全体の熱負荷や省エネ性を考慮して、空調・換気設備を施工しましょう。
メリット②レイアウト変更の容易さ
次にレイアウト変更の容易さも、オフィスランドスケープのメリットです。ランドスケープタイプのオフィスには、可動型の設備・機器・什器や観葉植物・フェイクグリーンが配置されるため、気軽にレイアウトを変更できます。
例えば新しい部署の発足やテレワークによる出社人数の減少などの変化が生じた場合には、オフィスフロア上のOA機器やデスク、収納棚、観葉植物・フェイクグリーンなどの配置を柔軟に変更できます。
メリット③コミュニケーションの活性化
またコミュニケーションの活性化も、オフィスランドスケープのメリットです。高さのある間仕切りが施工されないため、従業員同士が顔を合わせる機会が増えてコミュニケーションが活性化されます。
オフィス内のコミュニケーションは、業務を円滑に進めるために必要です。オフィスのコミュニケーションを活性化させる内装デザインをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
メリット④開放感・明るさ
それから開放感・明るさも、オフィスランドスケープのメリットです。ランドスケープタイプのオフィスには背の高い間仕切り(壁やパーテーションなど)がないため、圧迫感を与えません。見通しが良いため、オフィス内の明るい雰囲気を演出できます。
例えば大きな窓のあるオフィスフロアをランドスケープタイプにレイアウトすると、オフィスフロア全体に自然光を取り入れて、開放的で明るい雰囲気を演出できます。照明にかかるコスト削減も可能です。
デメリット①プライバシー保護の難しさ
しかしプライバシー保護の難しさは、オフィスランドスケープのデメリットです。間仕切りのないオフィスランドスケープでは、周囲からの視線や騒音を遮りづらいため、情報管理に注意しましょう。
特に個人情報を取り扱う業務は、設備・機器・什器や観葉植物・フェイクグリーンなどで緩やかに区切られるオフィスランドスケープに向いていません。そこでオフィスランドスケープにおけるプライバシー保護の方法について、後ほど紹介します。
デメリット②集中作業のしづらさ
そして集中作業のしづらさも、オフィスランドスケープのデメリットです。間仕切りのないオフィスランドスケープでは、周囲からの視線や騒音を遮りづらいため、集中作業に向いていません。
例えば打ち合わせ用スペースと集中作業用スペースが隣接していると、打ち合わせ中の会話が集中作業の効率を下げてしまいます。オフィスランドスケープにおける集中作業の注意点について、後ほど紹介します。
オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点
メリット・デメリットだけではなく、オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点も確認しましょう。本記事では6点(レイアウトとテイスト、設備・機器・什器、観葉植物・フェイクグリーン、パーテーション、集中スペース)を取り上げます。
レイアウト
まずレイアウトが、オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点として挙げられます。オフィスフロア全体の明るさや通気性を確保するために、窓の位置や天井の高さに合わせてレイアウトを決めましょう。
またオフィスの事業内容や従業員のニーズなどに合わせて、必要なエリア(集中ブースや休憩スペースなど)をレイアウトすることも大切です。なおオフィスをレイアウトするポイントについて詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
テイスト
次にテイストも、オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点です。オフィスのコンセプトに応じて、天井や壁、床、設備・機器・什器、装飾などのテイストを揃えましょう。テイストを揃えると、統一感のあるオフィスをデザインできます。
例えばモダンテイストの内装をデザインする場合には、モノトーンの配色(白・ベージュと黒・グレーなど)や硬質な素材(ガラスや金属)を取り入れましょう。オフィスデザインにおけるテイストの種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器
また設備・機器・什器も、オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点です。必要に応じてオフィスランドスケープのレイアウトを変更できるように、可動型の設備・機器・什器を選びましょう。
例えば什器(デスクや収納棚など)を選ぶ際には、高さの調節機能や収納のしやすさ、作業のしやすさなどを考慮しましょう。オフィスで利用される什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
観葉植物・フェイクグリーン
それから観葉植物・フェイクグリーンも、オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点です。観葉植物・フェイクグリーンを選ぶ際には、内装のテイストや管理のしやすさ、機能性などを考慮しましょう。
例えばアロエベラには空気を清浄化する効果があり、フェイクグリーンには水やりが不要なため世話をする手間が省けます。オフィスにグリーンをデザインする際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
置き型パーテーション
そしてパーテーションも、オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点です。パーテーションには、視線や騒音を遮る効果があります。個人情報を取り扱う業務を行う場合には、置き型パーテーションで作業スペースを囲みましょう。
ただしパーテーションの数を増やすと、オフィスランドスケープのメリットを損なう恐れがあるため、注意が必要です。オフィスにおしゃれなパーテーションをデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集中スペース
なお集中スペースも、オフィスランドスケープを取り入れる際の注意点です。個人作業に集中したい従業員のために、可動型パーテーションで区切られた半個室や可動式ブースの半個室をレイアウトしましょう。
壁や床に固定されない可動型パーテーションや可動式ブースであれば、移動がしやすく、オフィスランドスケープに適しています。オフィスに個室をレイアウトする際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
オフィスランドスケープを取り入れた事例
注意点に気をつけてオフィスランドスケープを取り入れられるように、参考となる事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(リゾートテイストと什器、観葉植物、可動式パーテーション、集中ブース)をご紹介します。
リゾートテイストのオフィス
「いいオフィス豊見城 (とみぐすく) by iiO 」様は、ワーケーションができるコワーキングスペースです。ランドスケープタイプでレイアウトされたオフィスフロアの内装は、リゾートテイストでデザインされています。
オフィスフロアには、沖縄特有の花ブロックや観葉植物などが取り入れられており、可動型のデスクが配置されています。ワーケーションに対応して、大型荷物用の収納スペースや人工芝のパター練習スペースなどもレイアウトされたオフィスです。
什器で仕切られたオフィス
次に「株式会社Widsley」様は、顧客とのコミュニケーションに特化したツールを開発する企業です。オフィスフロアは什器で仕切られており、ランドスケープタイプでレイアウトされています。スケルトン天井や照明・床材によるゾーニングで、開放感が演出されています。
またオフィスフロアの一角には、ガラスの施工型パーテーションで区切られた会議室もレイアウトされています。限られた床面積にデスクを配置できるように、壁にホワイトボードシートが貼られたデザインです。
観葉植物が活用されたオフィス
また「株式会社 H2」様は、ITソリューションやWEBマーケティングなどの事業を展開する企業です。パーテーションとして観葉植物が活用されて、ランドスケープタイプのオフィスがレイアウトされています。
観葉植物だけではなく、成長に合わせてレイアウトを変化させられるように、可動型の什器が配置されています。壁一面の窓とスケルトン天井によって、明るさと開放感が演出されたオフィスデザインです。
可動型パーテーションが活用されたオフィス
それから「株式会社トリニアス」様は、コールセンターやコンテンツサービスなどを運営する企業です。オフィスのセミナールーム兼会議室に可動型パーテーションが活用され、ランドスケープタイプでレイアウトされています。
セミナーや会議が開催されない時間帯に可動式パーテーションを開放すれば、オープンスペースや小会議スペースとして活用できます。可動式の什器が配置されているため、容易にレイアウト変更できるスペースです。
集中ブースも設置されたオフィス
なお「株式会社ローカル」様は、ECサイトや店舗を運営する企業です。オフィスフロアは背の低い収納棚で区切られており、ランドスケープタイプでレイアウトされています。コミュニケーション用のボックス席だけではなく、集中ブースも設置されています。
オフィス全体の統一感を保てるように、コーポレートカラーの「真空色」がアクセントとして配置されています。晴天の空のように広がる無限の可能性が社内外に伝わるようにデザインされたオフィスです。
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