2024.05.20 2024.06.11オフィスデザイン
クリエイティブオフィスのデザインポイント!目的やシェアオフィスとの違い・知識創造行動・事例
本記事で、クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントを解説します。またクリエイティブオフィスの目的やシェアオフィスとの違い、知識創造行動、施工事例もご紹介します。オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
クリエイティブオフィスの基本情報
クリエイティブオフィスをデザインする前に、基本情報を押さえましょう。基本情報を押さえることで、デザインしやすくなるからです。それではクリエイティブオフィスの目的やSECIモデル、メリット、シェアオフィスとの違いをご紹介します。
目的(知識創造行動の促進)
まずクリエイティブオフィスの目的は、従業員に対する知識創造行動の促進です。クリエイティブオフィスをデザインすることで、従業員から独創的なアイデアが生まれると、事業の発展や創出につながります。
そして従業員の独創的なアイデアを引き出すためには、従業員の思考を刺激するレイアウトや独創的なアイデアを実践できるスペース等が必要です。クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントについては、後ほど解説します。
SECIモデルの4プロセス
次にクリエイティブオフィスが促進する知識創造行動は、SECIモデルの4プロセスに区分されます。SECIモデルは、組織内の知的創造行動を4プロセス(共同化から表出化、連結化、内面化まで)に区分する理論です。
参照元:CREATIVE OFFICE WEB「SECIモデル」
したがってSECIモデルの4プロセス(知識創造行動)を促進するクリエイティブオフィスをデザインすることで、従業員の独創的なアイデアの創出につながります。知識創造行動を促進するクリエイティブオフィスのデザインについては、後ほどご紹介します。
メリット
続いてクリエイティブオフィスのメリットとして、従業員の生産性やモチベーションなどの向上が期待されます。従業員同士のコミュニケーションが活発化されることで、有益な情報を共有しやすくなるため、生産性の向上が可能です。
またクリエイティブオフィスをデザインして作業環境が改善されると、従業員の業務に対するモチベーション向上につながります。クリエイティブオフィスのデザインは、企業だけではなく従業員に対しても有益な取り組みです。
シェアオフィスとの違い
そしてクリエイティブオフィスとシェアオフィスとの違いは、目的や作業環境などです。クリエイティブオフィスの目的は従業員の知識創造行動の促進であるため、従業員の独創的なアイデアを引き出す作業環境がデザインされます。
一方で、シェアオフィスの目的は、複数の企業や個人による共同利用であるため、利用者のニーズに応じた作業環境(執務室や会議室、休憩室など)がデザインされます。シェアオフィスの内装・外観をデザインする際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
知識創造行動を促進するクリエイティブオフィスのデザイン
基本情報を押さえたうえで、知識創造行動を促進するクリエイティブオフィスのデザインも把握しましょう。SECIモデルの4プロセス(共同化から表出化、連結化、内面化まで)に分けてご紹介します。
共同化
まず知識創造行動を促すクリエイティブオフィスのデザインとして、共同化が挙げられます。共同化には「ふらふら歩く」「接する」「見る・見られる・感じ合う」という行動があり、刺激し合うプロセスです。
例えばオフィスにフリーアドレスやABWを取り入れることで、従業員が自由に働く場所を決めたり、部署を超えてコミュニケーションしたりできます。またオフィスフロアから仕切りをなくすことで、従業員同士がお互いの仕事の様子を確認しやすいです。
表出化
次に表出化も、知識創造行動を促すクリエイティブオフィスのデザインです。表出化はアイデアを表に出すプロセスであり、「軽く話してみる」「ワイワイガヤガヤ・ブレストする」「絵にする・たとえる」という行動があります。
例えば執務室にスタンディングデスクやソファ席などをレイアウトすると、簡易的なミーティングがしやすいです。またホワイトボードやプロジェクタなどを導入すれば、図や表を用いながら視覚的にアイデアを表現できます。
連結化
また連結化も、知識創造行動を促すクリエイティブオフィスのデザインです。連結化はまとめるプロセスであり、「調べる・分析する・編集する・蓄積する」「真剣勝負の討議をする」「聴いてもらう」という行動があります。
例えば社内図書室や資料室、個室などをレイアウトすると、集中して調査や分析などの作業ができます。また外部からの刺激が入らない会議室やプレゼンテーションスペースなどをデザインすることで、従業員同士でアイデアを検討しやすいです。
内面化
そして内面化も、知識創造行動を促すクリエイティブオフィスのデザインです。内面化は自分のものにするプロセスであり、「試す」「実践する」「理解を深める」という行動があります。
例えばオフィス内にキッチンや実験室などをデザインすると、試作品の開発が可能です。またイベントスペースや展示室などをレイアウトすることで、商品・サービスの試験販売や宣伝広告などが可能です。
クリエイティブオフィスをデザインする際のポイント
知的創造行動を促進するクリエイティブオフィスのデザインだけではなく、デザインする際のポイントも確認しましょう。8点(コンセプトと物件探し、テイスト、レイアウト、ABWやフリーアドレス、グリーン、DX、セキュリティ対策)をご紹介します。
コンセプトの設計
まずクリエイティブオフィスをデザインする際のポイントとして、コンセプトの設計が挙げられます。コンセプト(オフィスデザインのテイストや方向性などを表現した言葉)を設計することで、統一感のあるオフィスをデザインしやすいです。
そこでコーポレートアイデンティティーに基づいて、従業員・顧客からの意見などを取り入れながら、オフィスのコンセプトを設計しましょう。クリエイティブオフィスにも活用できるコンセプトを設計するコツについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
物件探し
次に物件探しも、クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントです。オフィスに適した物件を探すことで、商談や販売をしやすくなったり、モチベーションや生産性が上がったりします。
オフィス物件の探し方には、不動産ポータルサイトの検索やエリア内の不動産会社からの紹介などがあります。クリエイティブオフィスにも活用できる物件の探し方や選ぶときのポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
テイスト
またテイストも、クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントです。テイストは、オフィスデザインの味わいや方向性を指す言葉であり、外装・内装・設備・機器・什器の配色や素材、サイズ、照明の明るさや色合い、照射範囲などによって決まります。
そこで設計したコンセプトに基づいて、オフィスに適したテイストを選びましょう。クリエイティブオフィスにも活用できるテイストの種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
レイアウト
そしてレイアウトも、クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントです。以下の点に気をつけて、オフィスをレイアウトしましょう。
- レイアウトの基準となる寸法を把握する
- 収納家具を活用する
- 座席配置のパターンを把握する
- リフレッシュスペースをレイアウトする
- プライバシーに配慮する
- 適した業者を選ぶ
なおクリエイティブオフィスにも活用できるレイアウトの基準となる寸法についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ABWやフリーアドレスの導入
それからABWやフリーアドレスの導入も、クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントです。ABWとは、業務内容やメンバー構成などに応じて、働く場所や時間を選ぶ働き方です。オフィス内だけではなく、自宅やカフェなどの場所も作業場所に含まれます。
一方で、フリーアドレスは各従業員に専用デスクが割り当てられず、オフィス内で働く場所を自由に選べるスタイルです。フリーアドレスのメリット・デメリットなどについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
グリーンの配置
続いてグリーンの配置も、クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントです。オフィスにグリーンを配置することで、以下のような効果が得られます。
- 空気の清浄化
- ストレスの軽減
- 眼精疲労の軽減
- 作業効率の向上
- 企業イメージの向上
上記の効果を得るためには、適切にグリーンを配置しなければなりません。クリエイティブオフィスにも活用できるグリーンをデザインする際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
DXの推進
さらにDXの推進も、クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントです。オフィスDXを推進するメリットをリストにまとめました。
- 生産性の向上
- コストの削減
- 情報の一元管理
- 多様な働き方への対応
上記のメリットを活かして、従業員の知識創造行動が促進されると、独創的なアイデアの創出につながります。クリエイティブオフィスにも活用できるDXを進める流れと方法についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
セキュリティ対策
なおセキュリティ対策も、クリエイティブオフィスをデザインする際のポイントに含まれます。セキュリティ対策が必要な理由は、オフィス内の従業員や資産(情報や設備、お金など)の安全を守るためです。
例えばオフィス内で利用するシステムやクラウドサービスを管理するためには、統合認証管理システムやパスワード管理ツールなどが必要です。クリエイティブオフィスにも活用できるセキュリティ対策に役立つツールやシステムをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
クリエイティブオフィスの施工事例
ポイントを押さえてクリエイティブオフィスをデザインできるように、参考となる施工事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各オフィスの特徴(ABWとICT、自席とABW、人のつながり、リアルな体験、社外とのコラボレーション)を紹介します。
ABWとICTを活用したクリエイティブオフィス
まず「兼松株式会社」は、幅広い商品・サービス(ITソリューションや電子機器、食品など)を提供する企業です。ABWとICTを活用したクリエイティブオフィスがデザインされています。
従業員が出社したくなるようなオフィスを目指して、暖炉を囲むブースやグループワーク用のスペース、一人用の集中ブースなどがレイアウトされています。顔認証システムやセキュリティキャビネットなどでセキュリティが対策されており、Web会議システムも導入されたクリエイティブオフィスです。
参照元:兼松株式会社「 第36回日経ニューオフィス賞「経済産業大臣賞」を受賞」
自席とABWを組み合わせたクリエイティブオフィス
次に「株式会社日東システムテクノロジーズ」は、学校向け教務システムなどの開発・運用・保守を行っている企業です。自席とABWを組み合わせたクリエイティブオフィスがデザインされています。
自席のあるスペースはチームコミュニケーションエリアとしてデザインされ、フロアの仕切りがありません。会長室や社長室はなく、自席のエリアに席があります。ABWエリアにはソロブースや完全クローズド・セミクローズの席などがレイアウトされており、集中しやすいデザインです。
人のつながりをコンセプトにしたクリエイティブオフィス
続いて「日本ロレアル株式会社」は、化粧品の輸入・製造・販売を行っている企業です。人とのつながりをコンセプトに、クリエイティブオフィスがデザイン。人とのつながりが深まるように、チーム作業専用の部屋やエリア、会議室などがレイアウトされています。
また従業員のコミュニケーションが活性化するように、カフェやティーポイント(ドリンク提供エリア)もレイアウトされえちます。オフィスフロアにABWが導入されたクリエイティブオフィスです。
参照元:
日本ロレアル「日本ロレアル本社オフィスが「第36 回日経ニューオフィス賞」にてニューオフィス推進賞<クリエイティブ・オフィス賞>を受賞しました」
リアルな体験から新たな価値創造を図るクリエイティブオフィス
そして「株式会社電通デジタル」は、デジタル広告やECサイトなどのデジタルマーケティングを行っている企業です。リアルな体験から新たな価値創造を図るために、クリエイティブオフィスがデザインされています。
ワークフロアにはグリーンや円形のテーブル、ハイテーブルなどが配置され、コミュニケーションを活性化させるデザインです。情報を共有しやすいように工夫されており、会議室の壁はホワイトボードとして活用されています。
参照元:株式会社電通デジタル「「日経ニューオフィス賞」において「経済産業大臣賞」を受賞」
社外とのコラボレーションを促進するクリエイティブオフィス
それから「三井物産株式会社」は、金属資源や化学品・エネルギーなどに関する事業を展開している企業です。社外とのコラボレーションを促進するために、クリエイティブオフィスがデザインされています。
「人を招き入れる新本社~知的化学反応を加速させるヘッドオフィス~」をコンセプトに、テーブル席やソファ席などがレイアウトされています。オフィスフロアに天井高の仕切りはなく、木材やグリーンが取り入れられた開放的で温かなクリエイティブオフィスです。
参照元:三井物産株式会社「トピックス | 三井物産本社オフィスが「第34回 日経ニューオフィス賞」にてクリエイティブ・オフィス賞を受賞 ~人を招き入れる新本社 知的化学反応を加速させるヘッドオフィス~」
クリエイティブオフィスをデザインしよう!
IDEALは、オフィスのコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外観のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
下のキーワードをクリックして、オフィスデザインや内装工事などの関連記事もぜひご覧ください。またオフィスの開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。