2023.12.17 2023.12.04オフィスデザイン
小規模オフィスのレイアウトを解説!流れ・ポイント・事例を紹介
本記事で、小規模オフィスをレイアウトする流れを解説します。レイアウトのポイントや事例もご紹介します。オフィスの開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
小規模オフィスの基本情報
小規模オフィスのレイアウトを検討する前に、基本情報を確認しましょう。小規模オフィスの定義やメリット・デメリット、ニーズ、物件の探し方をご紹介します。基本情報を押さえることで、小規模オフィスに適したレイアウトを検討しやすいです。
定義
まず小規模オフィスに、法的な定義はありません。そこで本記事では、「30坪以下で従業員10名前後の利用するオフィス物件」を小規模オフィスと定義します。ただしオフィスの事業内容やテレワークの有無などによって、各従業員に必要な床面積は変動します。
また一般的なオフィスには、さまざまな部屋(執務室や会議室、応接室、休憩室、食堂、在庫保管庫など)がレイアウトされます。オフィスの機能や用途によって、必要な部屋は異なります。
メリット・デメリット
次に小規模オフィスには、以下のメリット・デメリットがあります。
- メリット①賃料が安い
- メリット②従業員同士がコミュニケーションしやすい
- メリット③一貫性のある内装をデザインしやすい
- デメリット①パーソナルスペースが狭くなる
- デメリット②間仕切りすると狭苦しく感じる
- デメリット③収納スペースを確保しづらい
以上のメリット・デメリットについて詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
ニーズ
また小規模オフィスに対するニーズとして、オフィス分散化やテレワーク導入によるサードプレイスオフィスやセットアップオフィスとしての活用があります。多様な働き方や地方移転などを推進するために、大規模オフィスから小規模オフィスへの分散化が進んでいます。
特に2020~2022年のコロナ禍においては、テレワークが導入されたことで、小規模なサードプレイスオフィス(レンタルオフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースなど)やセットアップオフィス(内装や設備・機器・什器の施工された状態)の利用が増えました。
参照元:
ニッセイ基礎研究所「コロナ禍を経て拡大が続くサードプレイスオフィス市場~利用ニーズの高まる郊外エリアは新規開設の余地が残る~」
不動産投資の健美家「テレワークでニーズ急増、郊外でオフィス不足!築古、小規模ビルに勝機あり」
J-Net21「なぜ今地方移転を検討する企業が増えているのでしょうか?」
物件の探し方
そして小規模オフィス物件の探し方もご確認ください。
- 不動産ポータルサイトで検索する
- エリア内の不動産会社から紹介してもらう
- 自治体や商工会議所から紹介してもらう
- 開業支援サービスに相談する
- 知人・取引先に紹介してもらう
なお希望条件に合うオフィス物件を探すためには、数か月から半年程度かかります。オフィス物件を選ぶときのポイントもまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
小規模オフィスをレイアウトする流れ
基本情報を押さえたうえで、小規模オフィスをレイアウトする流れも確認しましょう。5点(コンセプトの設計から希望条件の整理、フロアのゾーニング、動線の設計、設計図の作成まで)に整理してご紹介します。
コンセプトの設計
まずコンセプトの設計から、小規模オフィスをレイアウトする流れを開始しましょう。オフィスデザインの明確なコンセプトを設計することで、課題や目的が浮き彫りになり、スムーズにデザインしたり、オフィスの魅力や強みを発信したりしやすいです。
例えば大規模オフィスから分散化された小規模オフィスとテレワーク導入に伴い移転された小規模オフィスとでは、必要な部屋や設備・機器・什器などが異なります。オフィスデザインのコンセプトを設計するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
希望条件の整理
次にコンセプトを実現させるために、希望条件の整理をしましょう。必要な部屋の種類(執務室や会議室、休憩室など)や従業員の座席数、設備・機器・什器の台数などをリストにまとめてください。
ただしリスト化した全ての希望条件を叶えられない恐れがあります。オフィスの課題(多様な働き方や地方移転の推進など)を解決できるように、希望条件に優先順位を付けておきましょう。
フロアのゾーニング
それから希望条件に沿って、オフィスのフロアをゾーニングします。座席数や設備・機器・什器の台数などに基づいて、各スペース(執務・会議・休憩・食堂など)の面積を計算しましょう。
なおオフィスフロアには、固定化されたスペース(エントランスやトイレ、給湯室、食堂など)と用途変更できるスペース(執務・会議・休憩・収納・OA機器など)があります。オフィスの事業内容や従業員の働き方を踏まえて、各スペースをゾーニングしてください。
動線の設計
続いてゾーニングした各スペースに対して、動線を設計しましょう。従業員の動線を設計する際には、業務効率が上がるように、各スペースや設備・機器・什器などの位置関係を考慮します。
社外の来訪者の動線を設計する際には、エントランスから会議室・応接室までに、移動しやすい通路を配置します。また大規模オフィスと同様に、小規模オフィスにおいても、プライバシー保護や情報漏洩防止などの観点も重要です。
設計図の作成
そしてコンセプト・希望条件・ゾーニング・動線設計を踏まえて、設計図を作成します。オフィスデザインの設計図には、平面図や断面図、立面図、展開図、天井伏図、家具図・建具図などがあります。
各設計図を作成する際には、フロアのゾーニングや各スペースの動線設計、内装・設備・機器・什器のサイズや位置関係などを確認しましょう。小規模オフィスの快適性や業務効率性を高めるためには、設計図上でのシミュレーションが重要です。
小規模オフィスをレイアウトする際のポイント
レイアウトする流れだけではなく、小規模オフィスをレイアウトする際のポイントも確認しましょう。6点(内装制限と座席配置、収納、パーテーション、防音、開放感)をご紹介します。
内装制限
まず内装制限が、小規模オフィスをレイアウトする際のポイントとして挙げられます。建築基準法と消防法によって、オフィスビルの火災予防や初期消火、安全な避難などのために、オフィス物件の内装が制限されています。
ただし内装制限を受けるオフィスには条件(特殊建築物・大規模建築物・火気使用室・無窓居室を有する建築物)が示されており、内装制限の緩和策もありますので、次の記事も併せてご覧ください。
座席配置
次に座席配置も、小規模オフィスをレイアウトする際のポイントです。執務室の座席配置には、対向型や同向型、背面型、ブース型、クロス型などがあります。小規模オフィスのフロア面積は限られていますので、適した型を選びましょう。
特にテレワークが導入されている小規模オフィスにおいては、固定席を配置しないで、フリーアドレス制を採用できます。フリーアドレスのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
収納
続いて収納も、小規模オフィスをレイアウトする際のポイントです。フロア面積の限られた小規模オフィスにおいても、収納家具(オープン型や引き違い型、両開き型、パーソナルロッカー型、ラテラル型など)が必要です。
そこで各スペースの用途や利用人数に応じて、適した収納スペースをレイアウトしましょう。オフィスエリア別の収納アイデアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
パーテーション
さらにパーテーションも、小規模オフィスをレイアウトする際のポイントです。パーテーションの種類には施工型と置き型があり、個室の確保や遮音、防犯、コロナ対策などの役割があります。
ただし小規模オフィスにいくつものパーテーションをレイアウトしてしまうと、閉塞感を与えてしまう恐れがあります。施工型パーテーションをデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
防音
そして防音も、小規模オフィスをレイアウトする際のポイントです。防音の目的は、「オフィス外からオフィス内への騒音」や「オフィス内からオフィス外への音漏れ」「オフィス内での音の反響」などの防止です。
特に小規模オフィスにおいては、集中作業や会議などに利用されるスペースの防音対策を検討しましょう。オフィスを防音対策する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開放感
なお開放感も、小規模オフィスをレイアウトする際のポイントとして挙げられます。フロア面積だけではなく、配色によっても、オフィスの開放感を演出できます。内装空間に、膨張色(暖色系や白など)を配置しましょう。
またオフィスデザインのテイスト(シンプルやナチュラル、リゾートなど)によっても、オフィスデザインの開放感を引き出せます。オフィスデザインにおけるテイストの種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
小規模オフィスのレイアウト事例
ポイントを押さえてレイアウトできるように、参考となる事例を調査しましょう。IDEALオフィスの事例5点を取り上げて、各レイアウトの特徴(モチベーション・フリーアドレス・開放感・接客・シンプル)をご紹介します。
モチベーションを高めるレイアウト
「株式会社 黒坂鍍金工業所」様は、特殊メッキ加工に対応する企業です。27坪の物件ですが、従業員のモチベーションを高められるように、休憩スペースが広くレイアウトされています。
また休憩スペースだけではなく、会議室やトイレなどもレイアウト。若者や女性に敬遠されがちな製造業のイメージを変えられるように、モノトーンを基調にしたスタイリッシュなオフィスデザインです。
フリーアドレスのレイアウト
「Earth Technology 株式会社」様は、バイリンガルエンジニアを育成している企業です。24坪の物件に、フリーアドレスに対応したオフィスフロアがレイアウト。固定席はありませんが、フリーデスクと集中デスクがあります。
他にも多様な働き方を可能とするために、テレフォンブースや会議室、スタンディングエリア、和室などもレイアウトされています。グローバル人材を育成するオフィスに合わせて、海外のテイストが取り入れられたオフィスデザインです。
開放感を与えるレイアウト
「株式会社明治クッカー」様は、明治の牛乳・ヨーグルトを配達している企業です。配達後に従業員がリラックスできるように、18坪のオフィスフロアがレイアウト。開放感を与えるように、間仕切りの数が少ないです。
また休憩スペースだけではなく、会議や懇親会にも活用できるように、可動式の設備・機器・什器を配置。オフィスの用途を踏まえ、限られたスペースを有効活用できるオフィスデザインです。
接客しやすいレイアウト
「ピタットハウス東大島店」様は、不動産業を営む企業です。26坪の物件に、接客しやすいようにフロアがレイアウト。カウンター内の執務スペースに比べて、接客スペースの割合が大きいです。
顧客が気軽に立ち寄れる店舗を目指して、緑色や木目を取り入れた温かい印象のオフィスがデザイン。明るさも出せるように、エントランス側の壁に大きな窓を施工して、自然光を取り入れています。
シンプルなレイアウト
「合同会社ファニプロ」様は、Webサイトや映像コンテンツなどを制作している企業です。24坪の物件で、シンプルなレイアウト。オフィスフロアが、執務スペースとリラックススペースにゾーニングされています。
ただし企業のブランディングを意識して、オフィスの壁やドアには、コーポレートカラーのオレンジやロゴ、経営理念のメッセージなどが取り入れられています。シンプルながら、経営者のメッセージ性があるオフィスデザインです。
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