2024.10.14 2024.09.08オフィスデザイン
生産性を向上させるオフィス環境!整備のポイントや事例も紹介
本記事で生産性を向上させるオフィス環境について、整備のポイントや参考となる事例などをご紹介します。オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
オフィスの生産性とは?基本情報を紹介
そもそもオフィスの生産性とは、どのような数値でしょうか?そこでオフィスの生産性に関する基本情報(定義と計算方法、向上させる目的、業務効率化との違い、オフィス環境との関係性)をご紹介します。
定義と計算方法
まずオフィスの生産性の定義は、「オフィスの生産要素を有効利用している度合い」です。投入した生産要素(設備や労働力など)を有効利用しているほど、生産性が高くなります。最新設備の導入や従業員の新規採用などにより、生産性が高まります。
生産性の計算方法は、「成果(アウトプット)÷生産要素の投入(インプット)」です。例えば月100万円のコストで400万円の成果を出しているオフィス(生産性4)が、最新設備を導入して月150万円のコストで900万円の成果を出せば(生産性6)、生産性が1.5倍になります。
- 400万円÷100万円:900万円÷150万円=4:6
参照元:日本生産性本部「生産性とは | 生産性運動について」
向上させる目的
次にオフィスの生産性を向上させる目的は、競争力強化や働き方改革などです。OECD加盟国のなかで、日本の労働生産性は高くありません(2022年時点で)。国際的な競争力を強化させるために、生産性の向上が求められています。
少子高齢化による労働人口減少やワークライフバランス実現などに対応するために、働き方改革を推進しなければなりません。しかし時間外労働の上限規制が定められているため、生産性の向上が必要です。
参照元:
厚生労働省「時間外労働の上限規制 | 働き方改革特設サイト」
業務効率化との違い
それからオフィスの生産性向上と業務効率化の違いは、対象です。生産性向上の対象は生産要素で、設備や労働力を調整して成果量を増やします。一方で業務効率化の対象は業務で、非効率的な作業(無駄やムラなど)を削減・変更します。
したがって業務効率化を図るほど生産性向上につながりますので、業務効率化は生産性向上の手段です。ただし業務効率化の方向性を間違えると、生産性を低下させる恐れがあります。
オフィス環境との関係性
そしてオフィスの生産性には、オフィス環境との深い関係性があります。以下の調査によると、オフィス環境の良し悪しが「仕事の成果をあげることに影響する」「仕事に対するモチベーションに影響する」と6割以上の人が回答しています。
参照元:一般社団法人日本オフィス家具協会「オフィス環境ニーズのトレンド」 を探るための調査の実施と、分析結果を踏まえた提言・提案 ワーカー」(13ページ)
したがってオフィスの生産性を向上させるために、オフィス環境を整備して従業員の業務効率やモチベーションの向上を図りましょう。生産性を向上させるオフィス環境整備のポイントについて、後ほどご紹介します。
生産性の低いオフィス環境の特徴
基本情報だけでなく、生産性の低いオフィス環境の特徴も押さえましょう。6点(フロア面積の狭さと収納スペースの不足、空調・換気効率の低さ、騒音、通信ネットワークの不安定さ、長時間労働)に整理してご紹介します。
フロア面積の狭さ
まずフロア面積の狭さが、生産性の低いオフィスの特徴として挙げられます。フロア面積が狭いとデスク間の距離が近くなるため、従業員ごとの作業スペースも狭くなってしまいます。作業中に不便が生じるため、生産性の低下につながります。
またフロア面積が狭いために通路の幅も狭くなると、スムーズな動線の確保が困難です。オフィス内の移動に手間がかかったり、コミュニケーションが取りにくくなってしまったりする恐れもあります。
収納スペースの不足
次に収納スペースの不足も、生産性の低いオフィス環境の特徴です。収納スペースが不足していると、共有している備品(資料や文房具など)や個人の所有物などが正しく収納できません。
正しく収納されていない状態では、必要な物品を探す時間や手間がかかってしまうため、生産性が下がります。また物品が散乱したオフィス環境には、集中力が低下してしまうリスクもあります。
空調・換気効率の低さ
また空調・換気効率の低さも、生産性の低いオフィス環境の特徴です。空調効率が悪いと、オフィス内の温度にムラが発生します。暑い場所や寒い場所で不快に感じて作業が思うように進まないと、生産性の低下につながります。
換気効率が悪いと、オフィス内に二酸化炭素やハウスダスト、ウイルスなどが停滞・増加します。空気が汚れているオフィス内では体調を崩しやすくなってしまうため、注意が必要です。
騒音
それから騒音も、生産性の低いオフィス環境の特徴です。騒音には室外からの音だけでなく、室内の会話や足音なども含まれます。騒音が従業員の集中力を途切れさせたり、会話を妨げたりすると、生産性の低下につながります。
また騒音が原因で会話している相手の声が聞き取りにくくなると、内容を聞き返してコミュニケーションコストが増えたり、内容を聞き逃してミスやトラブルが発生したりしてしまいます。
通信ネットワークの不安定さ
そして通信ネットワークの不安定さも、生産性の低いオフィス環境の特徴です。通信ネットワークが不安定だと、インターネットの通信速度が遅くなったり、通信が途絶えたりしてしまいます。
具体的には通信ネットワークが不安定になると、Web会議やパソコン業務などがスムーズに行えません。従業員のモチベーションや業務効率、コミュニケーションの機会が減るほど、オフィスの生産性を下げてしまいます。
長時間労働
なお長時間労働も、生産性の低いオフィス環境の特徴です。長時間労働をして従業員に疲労やストレスが溜まると業務効率が低下するため、生産性が向上しません。
疲労やストレスが溜まった状態で仕事を進めていると、スムーズに作業ができなくなるだけではなく、ミスが増えたり、コミュニケーションが上手くいかなくなったりしてしまいます。オフィスの雰囲気が悪化してしまうと、離職率の増加を招いてしまいます。
生産性を向上させるオフィス環境整備のポイント
生産性の低いオフィス環境の特徴を踏まえて、生産性を向上させるオフィス環境整備のポイント(拡張移転・増床と収納スペースの確保、空調・換気設備、防音対策・個室、通信環境整備・コミュニケーション活性化、柔軟な働き方・DX推進)を押さえましょう。
オフィスの拡張移転・増床
まずオフィスの拡張移転・増床が、生産性を向上させるオフィス環境整備のポイントとして挙げられます。現在よりも広いオフィス物件に移転して環境を整備することで、生産性の向上が見込めます。
また同じビル内でオフィスを増床できれば、住所変更をせずにフロア面積を増やせます。オフィスの拡張移転よりも、コスト削減が可能です。オフィス増床のポイントをまとめてありますので、次の記事も合わせてご覧ください。
収納スペースの確保
次に収納スペースの確保も、生産性を向上させるオフィス環境整備のポイントです。収納スペースを確保して、物品を整理整頓しましょう。使い勝手を考慮して収納すると、探す手間を省けるため、生産性の向上につながります。
例えば使用頻度の高い物品の収納スペースに、扉がついていないオープン型の収納家具を配置すると、開閉の手間が省けて効率的です。オフィスエリア別の収納アイディアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
空調・換気設備の増設・交換
また空調・換気設備の増設・交換も、生産性を向上させるオフィス環境整備のポイントです。高性能設備の増設・交換で空調・換気効率を高めれば、オフィス内の快適な室温と空気の状態を保てます。
ただし機能性だけではなく、生産性を向上させるオフィス環境を整備するためには、空調・換気設備のデザイン性や省エネ性なども重要です。オフィスに空調・換気設備をデザインする際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
防音対策・個室のレイアウト
それから防音対策・個室のレイアウトも、生産性を向上させるオフィス環境整備のポイントです。騒音の原因に応じて、防音対策の方法(防音材や二重窓の施工など)を検討しましょう。
また会話や足音の発生しやすい場所を避けて個室をレイアウトすると、集中作業や商談などに利用できます。オフィスに個室をレイアウトする際のポイントについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
通信環境整備・コミュニケーション活性化
そして通信環境整備・コミュニケーション活性化も、生産性を向上させるオフィス環境整備のポイントです。通信環境の問題点(速度や安定性など)を明確にしたうえで、通信設備・機器の交換や増設などを検討しましょう。
また業務を効率化させたり、ストレスを軽減したりするためには、ABWやフリースペースなどによるコミュニケーションの活性化も必要です。オフィスのコミュニケーションを活性化させる内装デザインをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
柔軟な働き方・DX推進
なお柔軟な働き方・DX推進も、生産性を向上させるオフィス環境整備のポイントです。多様な働き方に対応できるワークスタイル(フリーアドレスやABWなど)を取り入れると、生産性の向上が期待できます。
またオフィスのDX(書類電子化や業務管理システムなど)を推進して、業務効率化やコスト削減などを図れば、生産性の向上につながります。オフィスDXを進める流れをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
生産性向上を期待できるオフィスデザイン事例
ポイントを押さえて生産性を向上させるオフィス環境を整備できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(拡張移転と個人用ロッカー、個室、コミュニケーション活性化、ABW)についてご紹介します。
事業拡大に伴うオフィスの拡張移転
まず「株式会社オリゾ」様は、デジタルマーケティング事業などを展開している企業です。事業拡大に伴うオフィスの拡張移転が計画され、明確なコンセプト(Nature・Future・Urban・Stylish)に基づいて内装空間がデザインされました。
上記のコンセプトに基づいて、内装空間には自然を感じられる素材(グリーンや木目など)やガラス張りなどが取り入れられています。従業員のモチベーションアップや生産性向上を期待できるオフィスデザイン事例です。
個人用ロッカーが設置されたオフィス
次に「株式会社ローカル」は、地方創生マーケティング事業を展開している企業です。オフィスの執務室内に個人用ロッカーが設置され、デスクから近い場所で個人の私物を収納できます。
収納スペースの確保だけでなく、スタンディングでの打ち合わせにも活用できるように、高さや形状の合う個人用ロッカーが配置されています。デスクの島ごとに打ち合わせ場所を配置し、コミュニケーション活性化や生産性向上を期待できるオフィスデザイン事例です。
個室がレイアウトされたオフィス
それから「アラームボックス株式会社」様は、企業のリスク管理に関するサービスを提供している企業です。オンラインの商談や集中作業などのために、オフィス内に1~2名用の個室がレイアウトされています。
各個室のドアには、室外から利用状況が分かるように、壁掛けライトが設置されています。
利用中に室外の騒音や視線を気にしないで済むように、各個室は背の高いパーテーションで区切られています。業務効率化による生産性向上を期待できるオフィスデザイン事例です。
コミュニケーション活性化を促すオフィス
続いて「株式会社アクセル」様は、ソリューション事業を展開している企業です。コミュニケーション活性化を促すオフィスがデザインされ、執務室内にはブーメラン型デスクが配置されています。
ブーメラン型デスクにより従業員同士で会話がしやすいですが、真正面で向き合わずに作業できます。従業員が働きやすいように動線が設計されており、生産性向上を期待できるオフィスデザイン事例です。
ABWが導入されたオフィス
そして「イグナイトアイ株式会社」様は、採用管理システムを提供している企業です。オフィス移転をきっかけに、多様な働き方に対応できるようにABWが導入されました。オフィスフロアは、8ゾーン(集中や会議、対話など)に分けられています。
各ゾーンを区別しやすいように、ゾーンごとにデザインの異なる内装材や設備・機器・什器などが配置されています。多様な働き方に対応しながら業務効率化とコミュニケーション活性化を促進して、生産性向上を期待できるオフィスデザイン事例です。
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