2025.03.17 2025.01.27ニュース
オフィスのファミレス席とは?レイアウトのメリット・ポイント・事例を紹介

本記事で「オフィスのファミレス席とは?」という疑問にお答えして、レイアウトのメリット・ポイント・事例をご紹介します。オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
オフィスのファミレス席とは?基本情報を紹介

そもそもオフィスのファミレス席とは、どういったスペースでしょうか?そこでオフィスのファミレス席の基本情報(定義と主な用途、必要な設備・機器・什器、会議室・休憩室との違い)をご紹介します。
定義
まずオフィスのファミレス席とは、ファミレスに配置されるようなボックス席です。テーブルを挟んで向かい合わせにソファ2台が配置され、什器のサイズによって4~8名程度で利用できます。
ソファの背もたれや置き型パーテーションが低いほどファミレス席の開放感が増しますが、防音性は低くなり、視認性は高くなってしまいます。オフィスにファミレス席をレイアウトするメリット・デメリットについては、後ほどご紹介します。
主な用途
次にオフィスのファミレス席の主な用途は、取引先との面談や従業員同士の打ち合わせ、オンラインミーティング、休憩などです。オフィスを訪れた取引先との面談に利用することで、会議室よりも和やかな雰囲気を演出できます。
ファミレス席は複数名に対応しているため、従業員同士の打ち合わせやオンラインミーティング、休憩などにも利用できます。ただしファミレス席の用途に応じて、レイアウトするエリア(エントランスや執務室、食堂など)の検討が必要です。
必要な設備・機器・什器
それからオフィスのファミレス席に必要な設備・機器・什器は、用途によって異なります。
- 設備:空調・換気設備、大型モニターなど
- 機器:プロジェクターやスクリーン、コーヒーメーカーなど
- 什器:デスクやソファ、ホワイトボードなど
例えばオンラインミーティングに利用するファミレス席には、プロジェクターやスクリーン、大型モニター、パソコンなどが必要です。一方で従業員同士の打ち合わせや休憩に利用する場合には、コーヒーメーカーやホワイトボードなども役立ちます。
会議室・休憩室との違い
そしてオフィスのファミレス席と会議室・休憩室との違いは、用途と雰囲気です。ファミレス席は幅広い用途(取引先との面談や従業員同士の打ち合わせ、オンラインミーティング、休憩など)に利用され、和やかな雰囲気を演出できます。
一方で商談や面談、打ち合わせなどに利用される会議室はファミレス席よりもかしこまった雰囲気があり、リフレッシュに利用される休憩室にはファミレス席よりも気楽な雰囲気があります。オフィスの会議室・休憩室のデザインについて、次の記事も併せてご覧ください。
オフィスにファミレス席をレイアウトするメリット・デメリット

基本情報だけではなく、オフィスにファミレス席をレイアウトするメリット(コミュニケーションの活性化とフロアの有効利用、レイアウト変更の容易さ)・デメリット(セキュリティのリスクと利用人数の制限、防音性の低さ)も確認しましょう。
メリット①コミュニケーションの活性化
まずコミュニケーションの活性化が、オフィスにファミレス席をレイアウトするメリットとして挙げられます。執務室や休憩室などにファミレス席をレイアウトすることで、会議室よりも気軽に利用できます。
ファミレス席でのインフォーマルコミュニケーション(非公式の場所におけるやり取り)により、従業員同士の相互理解やストレス緩和が可能です。インフォーマルコミュニケーションとフォーマルコミュニケーションの違いについて、次の記事も併せてご覧ください。
メリット②フロアの有効活用
次にフロアの有効利用も、オフィスにファミレス席をレイアウトするメリットです。デスクとソファ2台だけを配置すれば、執務室や休憩室などの限られたフロアにレイアウトできます。
したがって来訪者との面談や従業員同士の打ち合わせなどのスペースが不足する場合に、手軽にファミレス席をレイアウトできます。ファミレス席が不要になった際の撤去も簡単です。
メリット③レイアウト変更の容易さ
それからレイアウト変更の容易さも、オフィスにファミレス席をレイアウトするメリットです。重量が軽くて運搬しやすい構造の什器を選択すれば、容易にレイアウトを変更できます。
例えばオフィスを利用する従業員の人数やプロジェクトメンバーの人数が変更したりした際には、オフィスフロアのレイアウト変更が必要です。ファミレス席なら、会議室や休憩室よりも容易にレイアウト変更に対応できます。
デメリット①セキュリティのリスク
しかしセキュリティのリスクは、オフィスにファミレス席をレイアウトするデメリットです。ファミレス席は周囲を壁に囲まれていないため、機密性の高い情報を取り扱う商談や打ち合わせには適していません。
特にオフィスエントランスのロビーやラウンジなどにレイアウトされたファミレス席においては、情報の取り扱いに注意が必要です。執務室や休憩室のファミレス席においても、会話の内容に気をつけなければなりません。
デメリット②利用人数の制限
また利用人数の制限も、オフィスにファミレス席をレイアウトするデメリットです。配置するソファのサイズ(2人掛けから4人掛けくらい)によって、ファミレス席の利用人数は制限(ソファ2台で4~8人程度)されています。
サイズの大きいソファを配置する場合には、ファミレス席に必要なフロアが広くなり、設置や撤去のコストも大きくなります。そのため用途や利用人数を想定したうえで、ファミレス席のデスクやソファのサイズと台数を検討しましょう。
デメリット③防音性の低さ
そして防音性の低さも、オフィスにファミレス席をレイアウトするデメリットです。壁に囲まれていないファミレス席の防音性は低いため、周囲から騒音(足音や会話など)が入ってきてしまいます。
したがって周囲からの騒音の度合いによっては、ファミレス席でのコミュニケーションが妨げられてしまいます。ファミレス席の用途に応じて、設置場所やソファの背もたれの高さ、パーテーションの導入などを検討しましょう。
オフィスにファミレス席をレイアウトする際のポイント

メリットを引き出してデメリットを対策するために、オフィスにファミレス席をレイアウトする際のポイント(多用途の利用とゾーニング、デザインのテイスト、開放感とセキュリティ・防音対策、什器のサイズ・台数・価格、利用ルール・マナーの設定)もご紹介します。
多用途の利用
まず多用途の利用が、オフィスにファミレス席をレイアウトする際のポイントとして挙げられます。多用途の利用を推奨することでファミレス席の利用率を上げて、メリット(コミュニケーションの活性化)を引き出しましょう。
例えばフリースペースに可動式のテーブルやソファを配置すれば、多用途にファミレス席を利用できます。オフィスにフリースペースをデザインする際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ゾーニング
次にゾーニングも、オフィスにファミレス席をレイアウトする際のポイントです。オフィスフロアのゾーニング(必要なゾーンの配置)に応じて、適切な場所にファミレス席をレイアウトしましょう。
オフィスフロアをゾーニングする際の注意点は、空調性能や換気効率、セキュリティ対策、多様な働き方への対応などです。オフィスをゾーニングする手順を注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
デザインのテイスト
それからデザインのテイストも、オフィスにファミレス席をレイアウトする際のポイントです。テイスト(オフィスデザインの味わいや方向性を指す言葉)に合わせて、ファミレス席の素材や色味を検討しましょう。
例えばナチュラルテイストのオフィスフロアには、自然素材やアースカラーのファミレス席が合います。オフィスデザインにおけるテイストの種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開放感とセキュリティ・防音対策の両立
続いて開放感とセキュリティ・防音対策の両立も、オフィスにファミレス席をレイアウトする際のポイントです。背もたれの高いソファやパーテーションなどを設置すると、セキュリティ性や防音性は高まりますが、開放感がなくなってしまいます。
そこでファミレス席の用途や利用者、設置場所などに応じて、セキュリティ・防音対策を検討しましょう。オフィスのセキュリティ・防音対策についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
什器のサイズ・台数・価格
さらに什器のサイズ・価格も、オフィスにファミレス席をレイアウトする際のポイントです。一般的にはデスクやソファのサイズが大きくなったり、台数が増えたりするほど、価格は高くなります。
そこで用途や利用人数はもちろん、予算も踏まえて什器の種類やサイズ、台数を検討しましょう。オフィスで利用される什器の種類や入手方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
利用ルール・マナーの設定
そして利用ルール・マナーの設定も、オフィスにファミレス席をレイアウトする際のポイントです。ファミレス席のメリットを引き出しながらデメリットを防ぐために、利用ルール・マナーを設定しましょう。
例えば予約制を導入することで、タイミングよくファミレス席を利用できるようになります。セキュリティリスクを下げるためには、ファミレス席の用途を制限しなければなりません(例:機密情報の持ち込み禁止や利用者の制限など)。
オフィスにレイアウトされたファミレス席の事例
ポイントを押さえてオフィスにファミレス席をレイアウトできるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(執務室内とエントランス、ディスプレイモニタ、収納スペース、市役所内)をご紹介します。
執務室内のファミレス席

まず「株式会社ローカル」は、地方創生マーケティング事業を展開している企業です。執務室内で従業員同士がコミュニケーションしやすいように、ファミレス席がレイアウトされています。
ファミレス席以外にも、スタンディングでの打ち合わせに利用できる収納棚も配置されています。人数や内容、時間などに応じて、打ち合わせの場所を選べます。コミュニケーション活性化を図るオフィスにレイアウトされたファミレス席の事例です。
エントランスのファミレス席

次に「株式会社クオレガ」は、飲食店専門の人材紹介事業・ヘッドハンティング事業を展開している企業です。求職者との面談場所として、エントランスのラウンジにファミレス席がレイアウトされています。
面談中のプライバシーに配慮して、ファミレス席がパーテーションやフェイクグリーンなどで囲まれています。白や金などが配色されて清潔で明るい雰囲気のオフィスにレイアウトされたファミレス席の事例です。
ディスプレイモニタのあるファミレス席

それから「株式会社MIXI」は、スポーツ・ライフスタイル・エンタテインメントなどに関する事業を展開する企業です。執務室にレイアウトされたファミレス席には、ディスプレイモニタがあります。
ファミレス席の近くにはドリンクサーバーも設置されており、打ち合わせやオンラインミーティング、休憩などに利用されています。アフターコロナに合わせてリニューアルしたオフィスにレイアウトされたファミレス席の事例です。
参照元:R.E.port「オフィスに新設された“真っ暗なスペース” | 最新不動産ニュースサイト」
収納スペースのあるファミレス席

続いて「Honda」は、自動車製造・販売を行っている企業です。執務室の窓際にレイアウトされたファミレス席には、収納スペースがあります。東京都帰宅困難者対策条例に基づいて、備蓄品が収納されています。
幅広い用途や人数に対応できるように、ファミレス席の種類には対面式とL字式があります。オープンイノベーションや共創の場を目指すオフィスにレイアウトされたファミレス席の事例です。
参照元:Honda「【オフィスツアー#2】赤坂オフィス『HondaイノベーションTokyo』」
市役所内のファミレス席

そして「三重県四日市市役所」には、オフィスの改革を進めた際にファミレス席が導入されました。モニターを使ったミーティングを実施して、業務効率化を図るためです。ファミレス席はパーテーションで囲まれているため、プライバシーに配慮されています。
ファミレス席以外にテーブル席や集中スペースなどもレイアウトされており、業務の内容や人数などに応じて働く場所を選択できます。フリーアドレス制のオフィスにレイアウトされたファミレス席の事例です。
参照元:YOUよっかいち「フリーアドレスなど試行導入、四日市市役所でオフィス改革の実験始まる」
オフィスにファミレス席をレイアウトしよう!
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