2024.06.28 2024.05.24オフィス新設・開設
スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類!選定・デザインの注意点や事例
本記事で、スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類を解説します。またオフィスを選定・デザインする際の注意点や事例もご紹介します。オフィスの開設や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスに関する基本情報
そもそもスタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを選定する前に、基本情報(スタートアップ・ベンチャー企業の定義やオフィスが重要な理由、特徴、開設までの流れ)を確認しましょう。基本情報を確認することで、適したオフィスを選びやすくなります。
スタートアップ・ベンチャー企業とは?
まずスタートアップ・ベンチャー企業とは、どういった組織なのでしょうか?以下の資料によると、スタートアップ企業の特徴として、「成長スピードの早さ」「ビジネスの斬新性」「社会貢献に対する意識」「出口戦略の検討」などが挙げられています。
またベンチャー企業は、「大企業の枠組みでは取り組みにくい独自の技術や新しいアイデアを実践し、成長している企業」です。設立当初にスタートアップ企業の特徴を示すベンチャー企業もあります。
参照元:経済産業省中国経済産業局「平成30年度 地方創生に向けたスタートアップエコシステム 整備促進に関する調査事業報告書」(5ページ)
重要な理由
次にスタートアップ・ベンチャー企業にとってオフィスが重要な理由は、ブランディングの展開や従業員のモチベーションアップなどのためです。企業の理念やコンセプトが表現されたオフィスをデザインできれば、来訪者や消費者、従業員に企業の魅力を伝えられます。
また働きやすいオフィス環境を提供できれば、従業員のモチベーションアップにつながります。スタートアップ・ベンチャー企業の業績を伸ばすためには、従業員のモチベーションが重要です。
特徴
それからスタートアップ・ベンチャー企業のオフィスの特徴は、社会情勢の変化や従業員数の増加などへの対応力です。関係法令に基づいて、オフィス環境(気積や換気、温度など)を整備しましょう。
参照元:e-GOV法令検索「事務所衛生基準規則」(第2-12条)
従業員数が少なかったり、テレワークを導入したりするスタートアップ・ベンチャー企業には、小規模なオフィスが合います。ただし小規模オフィスにはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開設までの流れ
そしてスタートアップ・ベンチャー企業のオフィス開設までの流れも確認しましょう。
- 開設の1年前~事業計画書の作成
- 開設6か月前~物件探しと賃貸借契約
- 開設3か月前~内装工事
- 開設2か月前~設備・機器等の購入やレンタル・リース
- 開設1か月前~必要書類の作成
- 開設2週間前~公的機関への届出・申請
上記のとおり、オフィス開設までの流れには1年前後がかかります。オフィス開設のスケジュールについて詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類
基本情報だけでなく、スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類(スケルトン・セットアップ・居抜きオフィス、コワーキングスペース、シェア・レンタル・バーチャルオフィス)もご紹介します。
スケルトンオフィス
まずスケルトンオフィスが、スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類として挙げられます。躯体(屋根や外壁、柱など)だけの状態であるため、自由に間取りや設備・機器・什器のレイアウトが可能です。
しかし入居と退去にかかる費用と時間(内装工事や原状回復工事など)がスケルトンオフィスのデメリットです。スケルトンオフィス物件の入居費用と退去費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
セットアップオフィス・居抜きオフィス
次にセットアップオフィス・居抜きオフィスも、スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類です。セットアップオフィスには必要な設備・機器・什器などが施工・配置されているため、短期間に入居できます。
居抜きオフィスにも設備・機器・什器などが遺されていますが、内装デザインの自由度が低く、レイアウトの変更には改修工事が必要です。居抜きオフィス物件のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コワーキングスペース
またコワーキングスペースも、スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類です。異なる企業に所属する人が仕事のために共同で利用できる空間で、コストの削減や異業種との交流などがメリットです。
しかし自社に属さない人も利用しているうえに固定席がないので、情報セキュリティのリスクや業務効率の低下などがデメリットです。コワーキングスペースの主なサービスについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
シェアオフィス
それからシェアオフィスも、スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類です。コワーキングスペースと同様に、複数の企業や個人がオフィス物件を共同で利用することで、コストを削減できます。
ただしプライバシー保護の難しさやセキュリティのリスクなどは、シェアオフィスのデメリットです。シェアオフィスの基本情報についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
レンタルオフィス
そしてレンタルオフィスも、スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類です。企業や個人が時間や月の単位でワークスペースを賃借できます。必要な設備・機器・什器などが揃っており、占有スペースであるためセキュリティを確保しやすいです。
ただし内装や設備・機器・什器などを変更できない点は、レンタルオフィスのデメリットです。レンタルオフィスを含めたフレキシブルオフィスについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
バーチャルオフィス
なおバーチャルオフィスも、スタートアップ・ベンチャー企業に適したオフィスの種類です。オフィス物件の住所や電話番号のみを賃借して、法人登記や郵便物の受取・転送などに利用できます。
しかし他の利用者と住所が重複する恐れがある点が、バーチャルオフィスのデメリットです。バーチャルオフィスを含むフレキシブルオフィスについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを選定・デザインする際の注意点
オフィスの種類だけでなく、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを選定・デザインする際の注意点も確認しましょう。7点(立地・規模、コンセプト、コスト、動線の設計、設備・機器・什器、セキュリティ対策、機能・利用の制限)を取り上げます。
コンセプトの設計
まずコンセプトの設計も、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを選定・デザインする際の注意点です。コンセプトが反映されているオフィスなら、企業の魅力や強みを発信しやすくなります。
内装デザインの自由度が低いオフィスの種類でも、契約前に見学して企業のコンセプトに合うかを確認してください。オフィスデザインのコンセプトを設計するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
物件の立地・規模
次に物件の立地・規模が、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを選定する際の注意点として挙げられます。オフィス物件の立地は取引やブランディングなどにとって重要ですので、事業内容に合う立地を選びましょう。
また従業員数や在庫数などに応じて、適切な規模のオフィス物件が必要です。不適切な規模のオフィス物件を選ぶと、業務効率や売上を下げる恐れがあります。オフィス物件の探し方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コスト(初期費用と運転資金)
またコスト(初期費用と運転資金)も、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを選定する際の注意点です。オフィス開設の初期費用には、物件取得費や内装工事費、設備・機器・什器購入費などが含まれます。
運転資金には、毎月の賃料や水道光熱費、通信費、人件費などが含まれます。オフィス開設後に赤字が続くことを想定して、開設前に数か月から1年分程度の運転資金が必要です。オフィスの開設費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
動線の設計
それから動線の設計も、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスをデザインする際の注意点です。動線の設計は、業務効率やコミュニケーション活性化などに影響します。従業員が仕事をしやすい動線を設計しましょう。
例えば設備・機器・什器を利用しやすい動線を設計すれば、業務効率の向上につながります。オフィスの動線設計に必要な幅や寸法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
必要な設備・機器・什器
そして必要な設備・機器・什器も、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスをデザインする際の注意点です。オフィスの設備・機器は、内装デザインとの統一感やブランディングの効果、働きやすさ、モチベーションなどに影響します。
また可動性の什器(デスクや置き型パーテーションなど)を導入すると、レイアウト変更に対応しやすいです。オフィスで利用される什器の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
セキュリティ対策
さらにセキュリティ対策も、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを選定・デザインする際の注意点です。オフィス物件を賃借する場合には、情報の機密性に応じてフロアをゾーニングすることで、セキュリティ性を高められます。
特に自社に属さない人も利用するオフィス(コワーキングスペースやシェアオフィスなど)では、占有スペースや収納スペースの有無を確認しましょう。オフィスのセキュリティ対策についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
機能・利用の制限
なお機能・利用の制限も、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを選定する際の注意点です。特にコワーキングスペースやシェアオフィスなどにおいては、共有スペースの機能・利用が制限されるため、契約前に確認しましょう。
またバーチャルオフィスやレンタルオフィスなどによっては、法人登記に住所を利用できない場合があります。そしてオフィスの機能・利用が制限されると、柔軟な働き方に対応できないため、ご注意ください。
スタートアップ・ベンチャー企業のオフィス事例
注意点に気をつけながら理想のオフィスを実現するために、スタートアップ・ベンチャー企業のオフィス事例を調査しましょう。本記事では事例5点のオフィスの特徴(温かく開放的や自然光、企業理念、壁面アート、フリースペース)についてご紹介します。
温かく開放的なオフィス
まず「株式会社For A-career」様は、「20代に特化した人材紹介サイトの運営や広告事業やWeb開発事業などを展開しているベンチャー企業です。淡い色合いのペールトーンや木目・レンガ調の壁紙が取り入れられて、温かく開放的なオフィスがデザインされています。
新規事業の開始に伴い、オフィスの移転が計画されました。移転先は、ターゲット層である20代が出入りする渋谷です。事業規模の拡大に応じて、オフィスの拡大移転を続けています。
自然光を取り入れたオフィス
次に「株式会社キャシュモ」様は、経理管理業務を提供するスタートアップ企業です。オフィスの会議室はガラスパーテーションで仕切られ、自然光が取り入れられています。
オフィス空間全体には淡い色が配置されており、アクセントとしてレンガや黒いフレームなどが施工されています。経理のクラウドソフトを提供したり、経営コンサルタントとして中小企業の経営者をサポートしたりしている企業です。
参照元: Wantedly「【代表インタビュー】キャシュモ創業者梶井が語る。軌跡と想い。」
企業理念が表現されたオフィスのエントランス
また「株式会社インフィニティエージェント」様は、デジタルマーケティング領域におけるコンサルタント業務を行うスタートアップ企業です。オフィスのエントランスには、「無限の可能性」という企業理念が表現されています。
清潔感や爽やかさを感じさせるように、モノトーンで配色されたオフィスの天井や壁は、観葉植物で装飾されています。また従業員が意見を交わす開放的な空間となるように、会議室はガラス張りです。
参照元:STARTUP DB(スタートアップデータベース)「インフィニティエージェン卜」
壁面アートがデザインされたオフィス
それから「株式会社レバレッジ」様は、ヘルスケアやフィットネス関連事業を展開するベンチャー企業です。オフィスのエントランスには、壁面アートがデザインされています。表面には躍動感のあるトーンで社名が表現されており、来客へ向けられています。
裏面には、コーポレートカラーの赤色を用いて、社員を鼓舞する情熱的なメッセージが表現されています。YouTubeマーケティングを駆使して、サプリメントやプロテインの販売を行うブランドを運営するオフィスです。
多目的なフリースペースをデザインしたオフィス
なお「株式会社 Payke」様は、訪日外国人向けのショッピングサポートアプリを展開しているベンチャー企業です。オフィスには、多目的なフリースペースがデザインされています。
フリースペースにはバーカウンターやソファ席、ひな壇などがレイアウトされています。「ボタニカル&エンジョイブルリゾート」をコンセプトに、海砂や貝殻で装飾されたオフィスです。
参照元:Wantedly「株式会社Payke(ペイク)の事業とカルチャー」
スタートアップ・ベンチャー企業のオフィスを検討しよう!
IDEALは、オフィスのコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外観のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
下のキーワードをクリックして、オフィスデザインや内装工事などの関連記事もぜひご覧ください。またオフィスの開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。